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五年分の想い (三十代後半の陰気なベテラン魔術師 と 二十代半ばの留学生)

「久しぶりね…………」


眼下に広がる魔術大国の首都に、以前に訪れたときのことが思い出される。



五年前、まだ学生だった時分に、留学生として数か月間をこの国で過ごした。

故郷は小さな農業国。魔術大国として知られるこの国では、組織の大きさも、扱う魔術の複雑さも、なにもかもが想像以上だった。


留学中は、王宮魔術師の仕事を手伝いながら実践で学べ、ということらしかった。さすが魔術大国だけあって留学生の受け入れにも慣れていた。

だが、自分の担当となった魔術師はあまり学生の相手をするような性格ではなく。常に眉間にしわを寄せて厳しい表情を浮かべている、陰気な人物だった。正直なところ近寄りがたい雰囲気だったが、なんといっても魔術の腕は素晴らしかった。

新しい魔術を見せられる度、質問攻めにした。質問をしても、答えが返ってくることの方が少なかったけれど。


けっきょく、仕事の役に立てたという実感のないままに留学期間を終えた。自分が得たものは多くあったが、それを少しでも彼に返せたとは思えないし、相手も小国の学生に期待などしてはいないようだった。

それが、悔しかった。



「だからこの五年、必死で魔術を磨いたわ」


学校を卒業し、故国の王宮でわき目もふらず働いた。

おかげで以前とは比べものにならないくらいに魔術は上達し、こうして魔術大国の採用試験に合格できるまでになった。これで、あの魔術師と対等だ。


「今度こそ、ぎゃふんと言わせてやる」


相手の魔術師が出てこない……(^^;)

この後、若さにほんの少しの経験を積んだ主人公が、陰気なベテラン魔術師に強火で攻めていきます。

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