ずっと、君に触れたかった (護衛神官 と 神子)
護衛神官が担当となったのは、それはそれは神に可愛がられている神子だった。
「はじめまして。よろしくお願いしますね」
「神子様。誠心誠意、任務を全うします」
初対面で挨拶の握手をしたときは、もちろん何事もなかった。
それから側近くで共に過ごすうち、気を許し合うようになり、お互いにほのかな好意を持った。
ある日、きれいな笑顔を見せた神子へ、神官がそっと手を伸ばすと。
「……っ、」
触れた指先に、びりりと電撃が走った。
神子も驚いたように神官を見ている。
(…………これは、神の意思だ)
神官はすぐに事態を理解した。
神の寵愛が深い神子に、想いを持って触れることは許されないらしい、と。
それでも神官は諦めきれず、神子と想いを交わし合った。
触れることはできずとも、ふたりで目を合わせるだけでも幸せな気分になれたし、想いを口に出す分には支障がなかったので、言葉を尽くして愛を伝えた。
そうして長い時間を経て、ついに神子は引退のときを迎えた。
神子の護衛の任を解かれた神官は、そのまま神殿に残ることもできると言われたが、迷うことなく断った。
神殿を出るとき、神官は神子と手を繋いだ。
もちろん、なにも起こらない。
「これからは、いつだって手が繋げる」
「ええ。…………ちょっと、照れるわ」
ほんのり頬を染めて微笑む神子を、神官はその手を引いて腕の中に閉じ込めた。
この後、ふたりは森でひっそりと暮らします。
誰にも邪魔されない場所を探した結果、そうなりました(^^)




