お姫様がほしい (軍人 と 成長した狐獣人)
前話と同じ設定です。
異国へ飛ばされた友人に、妹の世話をしてやってほしいと頼まれた。
平民出身の自分と獣人部隊長の彼とは、気が合って親しくしていたから、留守中に妹を預かるくらい問題ないと快諾した。
だが迎えに行ってみれば、想像していたよりもずっと幼い女の子で驚いた。
彼女は突然現れたあやしい男に、ついて行くと微笑んでくれた。……可愛いと、思った。
友人が戻って来るまで、このお姫様を大事に守ろうと決めた。
狐獣人の子を預かって一年。
獣人の成長速度に無知だった自分を殴りたい。
彼女はあっという間に成長してしまい、小さなお姫様が、本当に美しいお姫様になっていた。
(見た目は、もう俺と同じくらいだな)
以前は街を歩いていると親子に見られていたのに、先日、恋人かと尋ねられた。
彼女は笑顔で何か言っていたが、こちらは動揺でろくな返事ができなかった。
(あのときは、俺の中にある願望を見透かされたのかと思った……)
来年には友人が戻って来る。
彼女との暮らしはそれまでのものだから、彼女にとって紳士であらねばならない。
なのに。
「大人になったら、もらってくれるよね?」
「…………なにをだ?」
「もう、またとぼける! ……そんなの、私からは言えないわっ」
最近、何かをもらってほしいと、彼女が腕や腰に抱きついてくるものだから。
どうにも紳士の仮面が剥がれそうになるのだ。
悶々と悩む軍人(狐獣人のことは、兄が戻るまでの一時的な預かりだと思っている)と、早くプロポーズしてくれないかな~とわくわくしている狐獣人(軍人が自分をお嫁にもらってくれると信じている)。
このすれ違いの原因は、兄の説明不足です。
兄が戻って来るまで、しばらく両片思いの日々が続きます(^^)
兄「この友人、いいやつだなー。妹の旦那によさそうだ。そうしたら俺とも義兄弟になるしな。……よし、もらおう!」




