そういうつもり (診療所の青年 と なんとか青年に意識してもらおうと頑張る食堂の娘さん)
Twitterお題から。
「鳥飼泰さんは、白衣男性とがんばる女子のカップルで、広場のシーンを入れたハピエン小説を書いて下さい。」
#ハピエン書いて
https://shindanmaker.com/585298
お昼をずいぶんと過ぎた時間。
街の食堂で働く娘は、バスケットを持っていそいそと広場へ向かう。
そこでは、白衣の青年がベンチで携帯食料をもそもそと食べていた。
「あ! 先生ったら、またそんなものでお昼を済まそうとしてる!」
診療所での仕事が忙しいのは分かるが、自分のことをおろそかにしてほしくないと、いつも言っているのに。
「医者の不養生は駄目です。これ、どうぞ」
ずいっと差し出しのは、バスケットに入ったサンドイッチ。
野菜も肉も魚も、食堂の余り食材をたっぷり詰めてきた。
「これは、誰かのために作ったものでは?」
「え、それはもちろんせんせいの……こほん。お昼の余りで作ったものなので、美味しく食べてもらえればそれでいいんです」
こうして毎日のように差し入れに来るのに、当の本人はこちらの好意にちっとも気づいてくれない。
でも嬉しそうに食べてくれるから、それだけでも幸せではある。
サンドイッチが減っていくのをにこにこと見つめていれば、青年がぽつりと言った。
「あの、…………あまりこういうことをされると、勘違いしそうになるのですが」
聞こえた言葉がすぐには理解できず、ぽかんとしてしまう。
よく見れば、サンドイッチを持ったままこちらを向いた青年の顔は、少し赤いような。
「だから、その、そういうつもりでないのなら、勘違いさせるようなことは……」
「っ、……そういうつもりです!」
娘さんの努力がようやく実りました。
青年は少し前から「そうなのかな?」と気づいていましたが、「いや、でも勘違いかもしれないし……」と悶々としていたのでした(^^)




