愛しているからだ (気持ちを言うようになった上司 と 言葉に照れる部下)
「#私の話で読みたい題材はイチャイチャ・ギャグ・シリアス・エロのうちどれですか」
のアンケート結果から、1位の「イチャイチャ」
先日、宰相は自身の部下を妻にと望んだ。
「はい、結構です。今日の執務はこれで終了です。お疲れ様でした」
「ああ、ありがとう」
凝り固まった背中を解すように伸びをする宰相がすいっと視線を向けただけで、優秀な部下はその意図を察して答える。
「明日は午後から治水工事の視察予定があります。午前は急ぎの仕事もありませんから、ゆっくりめの出勤で構いませんよ」
「そうか。……では、お前を我が家での夕食に誘ってもいいか」
すでに執務は終えたのだから私的な時間としてもいいだろうと、宰相は間もなく妻となる部下へ誘いの言葉をかけた。
「私には仕事がありますので」
「急ぎのものは無いと、お前が言った」
「…………」
「なあ、私は妻と一緒に夕食を取りたい」
「まだ、正式には妻ではありません」
宰相という立場はいろいろ煩わしく、妻を迎えるだけでもすぐには叶わない。
「だが私はお前をもう妻だと思っているし、そう呼びたい。お前を愛しているからな」
「……あの、あまり度々そういったことを口にされると、恥ずかしいのですが」
「求婚の際に、お前が言えと言っただろう。私は役職上は不自由なことも多いが、夫としてはお前の望みを叶えたいと思っているぞ。お前を愛し……」
「も、もういいですっ。分かりました!」
9月29日の小ネタ「なぜ、私なのでしょうか」
https://book1.adouzi.eu.org/n8605hd/12/
と同じ設定でした。
宰相は仕事ではクールですが、私人としてはめためたに甘くなるひとだったようです。




