若さに勝てない (中堅魔術師 と 魔術学校の生徒)
Twitterお題から。
「鳥飼泰さんはリボン、学生服、腕時計を主人公たちに身につけさせてハピエン小説を書いてください。」
#身につけてハピエン3
https://shindanmaker.com/799052
来春に卒業を控えた魔術学校の生徒たちが、魔術師たちの働く役所へ職場見学へやって来た。年の近い若手の魔術師が派手な魔術を披露し、好評のうちに終えた。
進行を担当していた中堅魔術師が腕時計を見やり、やれやれとため息を吐いていると、ひとりの学生が駆け寄って来た。
「あの……」
「質問か。それなら俺よりも若いやつに、」
魔術を披露していた職員の方へ案内しようとしたところ、服の裾を引かれた。
「いえ、あなたにお聞きしたくて。その、恋人か奥さんはいらっしゃいますか?」
「……ああ、この職場で結婚できるか知りたいのか。俺はまだ相手がいないが、結婚相手を探すのに苦労はしないから安心しろ」
最近の学生はしっかり考えているんだなと感心しながら答えた。
すると目の前の学生は、よかった、と嬉しそうに笑い。
「先輩、あなたのスケジュール調整力に惚れました。好きです!」
「はあ?」
「たくさんの学生を上手にさばいて見学を無事に終了させる手腕に感動したんです。先輩みたいなひとと家庭を築けたら……」
もじもじと学生服のリボンをいじるのに、頭を抱えて待ったをかける。
「いや、さすがに学生に手は出さないから」
「大丈夫です。来年には同僚ですから!」
「若いって、怖いものなしだな…………」
そうは言いつつ、スケジュール調整は得意だが押しには弱いと自覚している魔術師は、来年の自分がありありと想像できた。
学生さんは押しに押して、就職するころにはちゃんと恋人になりました。




