私の彼 (性格の悪い自分を隠したい彼 と もう知ってる彼女)
彼は、クラスのみんなから性格が悪いと言われている。
そして本人はそれを私に知られないように隠しているつもりだ。
チャイムの鳴った教室を出て、彼のクラスへ向かう。
扉からのぞけば、数人のクラスメイトが彼の机に集まって、ノートを見せてほしいと頼んでいた。でも、彼はそれをすげなく断る。
「いやだ。……ああ? お前らの成績がどうなろうと俺は知らん。ちゃんと授業を聞いてノートをとった俺の成績は安泰」
間違っていない気もするけれど、その顔がとてもあくどくて嫌みたらしい。しかも彼は成績が良いから、よけいに嫌みに聞こえる。
そんなことを思いながら見ていたら、彼が私に気づいてしまった。
「えっ、どうしたの。ごめん、待たせた?」
こうして私から彼のクラスへ来るのは珍しいせいで、驚いている。いつもは彼が迎えに来てくれるから。
「ううん。早く会いたくて来ちゃった」
「そ、そっか」
私の言葉に嬉しそうにしながらも、今のを見られたのかなと、ちらちらこちらをうかがう様子はなんだか可愛い。
彼はクラスメイトには性格最悪でも、私には優しい。
「だから、好き」
「えっ、えっ? お、俺も、すごく好き!」
けっきょくノートを見せてもらえなかった彼のクラスメイトを放って、ふたり手を繋いで帰った。
珍しく、高校生カップルです。
彼は彼女のことがすごく好きで、彼女の前ではいい奴でいたい。でも彼女は普段の彼を知っていて、それでも好き。




