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Sランクギルドを追放された魔導士、田舎でスローライフもくろむ・・・が?!  作者: 士口 十介
魔導士はスローライフを始めたつもりらしい。

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門前払い

カイ達がウェスリックで焼きガニに舌鼓を打っている時、

リモーデの町に男が一人やって来た。


「やれやれ、やっと町が見えて来たぜ。」

乗合馬車から顔を覗かせるその男は板金の胸当てを着けているが、

何日も野宿だった為か薄汚い恰好をしている。


「王都の商人どもめ!

せっかく俺サマが“50GPで護衛を引き受ける“と言ってやったのに断るとは。」


王都から辺境のリモーデまで1ヶ月。

一般的な護衛は20GPから30GPで引き受ける。

それも食事は各自で用意する時の価格だ。

アウスゼンは50GPの護衛料の他に食事の支給も要求した。

そんな条件で護衛を頼むのなら、半額で二人も雇える。

当然、アウスゼンに護衛を頼むような貿易商は一人もいなかった。


(ここから、ここから俺サマ、アウスゼン伝説の始まりだぜっ!)


欲望にまみれた目を輝かせたアウスゼンを乗せた乗合馬車はリモーデへ入る門へ近づいてゆく。


門から十数台の馬車が列を作っている。


「ちっ。面倒だな。」


アウスゼンは乗合馬車を飛び降りると並んだ列を無視し門を目指す。

当然、回り道などはしない。

列をかき分けて前進する。

迷惑そうに見る人々がこちらを睨んできた。


「なんだ?文句あるのか?」

とアウスゼンが凄んで睨みつけると視線を外した。


「けっ。」

実際は、おかしな奴に関わらないでおこうとしているだけなのだが、

アウスゼンの頭は“俺サマが偉大だから道を譲った”としか思っていなかった。


流石に列の前の方まで来ると、門を守る衛兵に見つかる。


「こら、お前!ちゃんと列に並べ!!」


「なんだと!そんな口をきいてもいいのか?

俺は王都のSランクギルド“フェールズ”の筆頭だった男だぞ!!」

と怒鳴る。

だが、そんな事に怯んでいては衛兵は務まらない。


「Sランクだろうと何だろうと、ここではちゃんと列に並べ。

規則を守らない場合、中には入れないと思え!!」

と、仲間の衛兵達と一緒になって威嚇する。


「なんだと、くそっ!」

辺境の衛兵とは言え、何人も同時に相手が出来るほどの実力がアウスゼンにはない。

アウスゼンは忌々しそうな顔で引き下がった。

(くそ、あの衛兵、覚えてやがれ。)



それから1時間ほどしてアウスゼンの番になった。


「ほらよ。」


アウスゼンはふてぶてしい態度でギルドカードを衛兵に差し出した。

ギルドカードは所属ギルドが発行する身分証明書である。

だがアウスゼンは現在ギルドに所属していない。

その場合は“アルベティ”で代わりの身分証明書を発行してもらうのだが、

アルベティを通さずやって来たアウスゼンは代わりの身分証明書は持っていなかった。


アウスゼンは返さずにいたフェールズのギルドカードを渡したのだ。


「Sランクギルド、フェールズ。アウスゼン。戦士、賞罰無し。」

「・・・・・」

衛兵達が犯罪者を見る様な目でアウスゼンを見る。


(な、なんだ?)

鈍いアウスゼンでも数人の衛兵達に睨まれてただ事ではないと感じ取った様だ。


「このギルドカードは無効になっている物だ。

フェールズは王直轄ギルドになっている為、ギルドカード自体が違う。

これは前の物だ。」

「だ、だが身分証明に問題は無いだろう!」

「無効の身分証明に効力はない。このギルドカードは没収だ。」


(くそっ。だが、町に入れれば問題ねぇ。俺ならどこのギルドでも引手数多だ。)


「それと、お前の町への立ち入りは許可できない。

これは辺境伯の命令だ。」


「なんだと!!なぜこの俺が!

あんな魔法使いに工房をやるぐらいなのに、偉大な俺サマがなぜっ!!」


それを聞いた衛兵は

「偉大か何か知らないが、お前の様な奴を町に入れるわけにはいかない。失せろ!」

そう宣言すると、持っていた槍をアウスゼンに突き付けた。


「ぐ、ぐ、ぐ、・・・覚えていやがれっ!!」


アウスゼンは脱兎のごとくその場から逃げ出した。

このまま居座って衛兵に捕まると禄でも無い目に会うのは目に見えている。


(くそっ!あいつだ、カイの野郎が辺境伯に何か吹き込んだに違いねぇ!!)

(どこまでも俺の邪魔をする奴だ!!)

カイにしてみれば言いがかりである。


だが、その様子を邪な目が見ていた。

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