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第93話 ソルーンに帰ろう

 次の日、祭りの片づけを終えるといよいよソルーンに帰る日が近づいてきた。


 もともと1ヶ月って約束だったからね。


 相談した結果、2日後に魔女の杖の人たちと一緒に村を出ることが決まった。


 もちろん、直前までやることはやるつもりだ。




「皆さん、本当にありがとうございました」


 出発の前夜、夕飯を食べているときにジャスティン様が切り出した。


「私の力だけではどうすることも出来ないことばかりでした。それを皆さんに助けていただきました。本当に言葉が出てきません」


 涙ながらにジャスティン様が言う。


「なに、俺たちは依頼をこなしただけだ」


 ロンドさんは通常運転だな。それでいてカッコイイ。


「それにサート商会の人たちも本当にありがとうございました。食料も、そして2日前の縁日も最高でした」


「いえいえ、私たちも依頼をこなしただけですから」


 俺たちも自分に出来ることを精一杯やっただけだ。


 それに縁日なんかは結果的に利益も出ているからね。


「リュウさん、それだとロンドさんのセリフの受け売りですよ」


 サラがツッコミを入れてくる。それにつられてみんなも笑っていた。


 いいじゃん、俺にだってかっこつけさせてくれよ。



「サラも本当に立派になったのね。久しぶりに顔を見ることが出来て本当に良かったわ」


 ルナさんもしみじみと頷く。


「お姉ちゃんも元気そうにしてるのをみて私も良かったよ」


 サラも嬉しそうに笑う。うん、仲のいい姉妹だこと。


「そうだ、リュウさん。今後も妹のことよろしくお願いしますね」


 ルナさんが俺に話を振ってくる。


「はい、任せてください」


 これからもサラと頑張っていくつもりだ。


「ところで、2人は付き合っているのかしら?縁日の時いい感じに見えたのだけど」


 ルナさんがとんでもないことを聞いてきた。


「いやいやいや、そんなことないですよ!!」


 サラは大事な仕事仲間だし、親友の一人だ。そんな風には考えていない。


 それにサラには俺なんかよりいい人がそのうち見つかるだろう。


「お姉ちゃん!からかうのはやめてよ!リュウさんも困ってるじゃん!」


 サラも耳を真っ赤にしながら怒っている。


「ごめんごめん、そんな怒らないでよ」


 ルナさんが笑いながら謝る。


「へー、2人付き合ってないんだ。てっきりそうだと思ってたよ」


 ダミアンさんもニヤニヤしている。


「止めてくださいって!」


 恥ずかしすぎる!



 その後もみんなにからかわれて夕飯は地獄だったぜ。



 ーーーーー


 次の日の正午、とうとうマイマイ村を出発する時刻となった。


 ジャスティン様の屋敷の前に6人乗りの馬車が1台停車する。


 ユフィさんが橋を修復してくれたおかげで、マイマイ村の馬車も今日から復旧したみたいだ。


 ありがたいことに俺たちの見送りの為に村の人たちが沢山駆けつけてくれた。


「魔女の杖ありがとうーー!」

「リュウさん、サラさんもありがとう!!」


 いろんな人たちがねぎらいの言葉をかけてくれる。


 そのうちの1人にレイもいた。


「縁日楽しかったぞ。また何か面白いことをするつもりになったら念話で呼ぶのじゃ。いつでも行くからの。ソルーンの街も飛べばすぐじゃからの」


「うん、またすぐ呼ぶよ」


 レイとは特にしんみりする別れにはならなかった。直感だけど、そのうちまた会う気がする。


 子供たちも見送りに来てくれた。


「おれ、ぼうけんしゃになる!」

「うん、僕も楽しみにしてるよ」


 ダミアンさんがカーセの髪の毛をくしゃくしゃとしていた。


 カーセにとってダミアンさんがヒーローなんだな。


 やっぱり、魔女の杖の人たちが人気だなと思っていると


 クレアが俺の前にやってきた。そして、大きく息を吸い込むと


「わたし、しょうらいしょうにんになる!そしてリュウおじちゃんとサラおねえちゃんといっしょにはたらく!」


 嬉しいことを宣言してくれた。


「ありがとうな。クレアが大人になったら雇うから。な、サラ」


「はい!いつでも待ってるよ。クレアちゃん」


「ほんと!?ありがとう!!」


 クレアが笑顔になった。


 子供にそんな風に思ってもらえたのって、誇らしいよね。


「そのためには、私たちももっと頑張らないとですね」


「そうだな」


 クレアが大人になるまで、俺たちもサート商会を着実に経営していこう。



 馬車が出発する時刻になった。


「サラ、さぼらずに連絡を頂戴ね」


「分かった!お姉ちゃんバイバイ!」


 サラもルナさんと最後の別れを済ませた後


 俺たち6人は馬車に乗り込んだ。



「皆さん、お元気で!また来ます!!」


 馬車が動き始めたので、外に向かって手を振る。


 俺たちはみんなが見えなくなるまで手を振り続けた。




「これからまた、いつもの日に戻りますね」


「そうだな。でも、俺にとってはいつもの日も新鮮だよ」


 異世界に来て、まだまだ知らないことがたくさんある。


 そう考えるとやっぱりワクワクするな。


「それもそうですね。リュウさんがいるといつも新しいことばかりですから」


 サラも横で笑う。




 こうして俺たちはマイマイ村を後にした。

皆さま読んでくださり本当にありがとうございます!


次回から新展開に入っていきます!

今後ともよろしくお願いいたします!

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