第157話 久しぶりの再会
現れたのは『魔女の杖』の皆さんだった。
『魔女の杖』は、ロンドさん、ダミアンさん、アミルさん、ユフィさんの4人組Sランク冒険者で、マイマイ村に行ったときにはとてもお世話になった。
「お久しぶりです!」
俺はアミルさんに駆け寄って握手する。
アミルさんは優れた身体能力を生かした剣士だ。
「まさかここで再会できるなんて!」
サラもびっくりした表情だ。
あのとき以来会ってなかったからね。偶然ってやっぱりすごい。
「休暇をかねてこの街にやってきたんだ」
そうエルフのダミアンさんが説明してくれた。
先日クエストを終わらせたばかりらしい。
きっと、想像もできないような高難度のクエストなんだろうなぁ。
「リュウ達はどうしてここへ?」
リーダーであるロンドさんに事情を聞かれて、俺たちはこれまでの経緯を話す。
ソルーンの街の外に出て新しく何かをできないか考えていたこと。
海産物を目的にケンドットにやってきたこと。
今は開発したキュウリの一本漬けを浜辺で販売していること。
領主様に呼ばれて料理を振舞い、再び印章をもらったことなどを説明した。
「色々なことをやっているんだな」
ロンドさんが聞きながら頷く。
「それに二つ目のスタンプホルダーになるなんて。少し見ない間に更にたくましくなっているね」
ダミアンさんが褒めてくれてた。
「皆さん、これからどういう予定なんですか?」
「丁度どこかで夕飯を食べようと思っていたところだ」
散策しながら店を探そうということだったらしい。
「そういうことでしたら、うちの料理を食べませんか?」
せっかく再会したわけだし、もっと色々な話を聞きたい。
「是非おねがいしたい」
ロンドさんが即答してくれた。
「リュウの料理がまた食べられるなんて今日はついてるよ!」
アミルさんも嬉しそうだ。
話し合った結果、『魔女の杖』の皆さんが泊っているところにお邪魔することになった。
ーーーーー
「お邪魔します」
Sランク冒険者なこともあって、高級な宿の高級な部屋だった。
大きな部屋で、いくつかの個室も備わっているようなところだ。
置いてある寝具や家具も高級そうだし、一体一泊いくらするんだろう。
怖いから聞くのは遠慮しておこう。
宿の人に許可をもらい、調理を開始していく。
「今から準備しますから、最初はこちらの物を食べてください」
そういって取り出したのは、キュウリの一本漬けだ。
「見た目は普通のキュウリだが……」
ロンドさんが一本持ちながら凝視する。
アミルさんはそのままパクッと一口食べた。
「んー!この塩加減がとってもいい!」
満面の笑みで口をもぐもぐさせる。
「この食感、いくらでも食べられますの」
ユフィさんも嬉しそうだ。
「僕たちいろんなところでご飯を食べて来てるけど、やっぱりリュウの料理は食べたことのない物ばかりで新鮮だよ」
ダミアンさんも気に入ってくれたみたいだ。
「褒めてくださりありがとうございます。次の料理が出来ましたよ」
次に出したのはタイタイ茶漬けだ。
今回はだし汁をあらかじめ注いだ状態で出すことにする。
「こっちはサラサラしていて食べやすいね」
アミルさんがスプーンを使いながらすごいスピードで食べていく。
「魚の肉が少し生なところも食感に違いがあって美味しいですの」
ユフィさんが上品に解説してくれる。
「すまないが、おかわりをもらえないだろうか」
「僕もお願いしたい」
そういって、ロンドさんとダミアンさんがお茶碗をだす。
「あ、あたしも」
と、アミルさんまで頼んできた。
うん、おかわりしてもらえるのは作っている側としても嬉しい限りだ。
その後、まだまだ足りないということで、ロンドさんとアミルさんは〆にシーフードカレーも平らげていた。
たくさん食べてパワーをつけるのも大切なんだろうね。
「沢山ご馳走してくれて感謝している」
「あたしももう満腹!」
「とても美味しかったですの」
「また食べれられて嬉しかったよ。必ずお礼をさせてもらうよ」
みんな食べ終わって満足げな様子だ。
『魔女の杖』の皆さんと話した結果、明日の午後は一緒に浜辺へ、明後日の朝は市場へ行くことになった。
せっかくなので案内して欲しいとのことだ。
ちょうど、魚介類の買い出しに行けたらいいなと思っていたところだし好都合だ。
「明日の浜辺なんだけど、動きやすい服装で来てくれると嬉しい」
「分かりました。けどなぜ?」
「浜辺で運動をしようと思っててね」
そうダミアンさんが説明してくれた。
「ご迷惑になりませんか?」
そうサラが質問する。
確かに、Sランク冒険者の運動ってなると俺やサラがついていけるとは思えないんだけど。
「その点については心配ないですの」
そこら辺については調節してやってくれるようだ。
「そういうことでしたら」
というわけで俺たちの参加も決定した。
Sランクの冒険者と運動する機会はなかなかないし、楽しみだな。
「では、また明日」
こうして俺たちは宿をあとにした。




