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第156話 休みの日

お久しぶりです。


長期間投稿が出来ず、誠に申し訳ございませんでした。


少しずつですが、書く時間が確保できるようになったので、また投稿が出来たらと思っております。


今後も不定期での投稿になる予定ですが、何卒よろしくお願い致します。

「リュウさん、もし良ければ今日一緒に出かけませんか?」


 サラが聞いてきた。


「いいね。行こう」


 領主様に料理を出すという大仕事を終えてひと段落もついたし、息抜きにもちょうどいいな。


「私気になるお店を見つけたんです」


 そういうサラに連れられてやってきたのは、『バシリオガラス店』と看板が掲げられたこぢんまりとしたお店だった。


「ここに置いてあるもの可愛いと思いませんか?」


 サラが棚に並んでいるガラス食器を見ながら嬉しそうに言った。


「うん、確かにいい食器が多いね」


 色とりどりのガラスに、様々な模様がほどこされたものもある。


 細部にまでこだわってるのが伝わってくるし、職人技って感じだ。


「気に入っていただけましたでしょうか?」


 奥から一人の女性が現れた。


「はい、こういうものは見ているだけでも楽しい気分になります」


「そう言っていただけて何よりです。ここに並んでいるものは私と主人で作ったものなので」


 なんでも、奥さんがデザインを担当して、それに合わせてご主人が店の奥にある工房で作っているらしい。


「よかったらこちらも見てみてください」


 そういって案内された場所に行くと、


「か、可愛いーーー!!」


 そう言ってサラが手にとったのはガラスでできたウサギっぽい形の動物の置物だった。


 可愛らしくデフォルメされたデザインでほっこりした気持ちになる。


「先日作った新商品です。もしよかったら」


「か、買います!」


 サラが即決で決めていた。


 一目惚れってやつだな。


「いろんなデザインの物が作れるんですね」


 食器とガラス細工じゃ必要なスキルも違うだろうし。


「ええ、主人は器用な人なので。相談して下さればご要望にあったものをお作りしますよ」


 オーダーメイドもやっているのか。


「是非ともお願いしてみたいですね」


 うーん、作ってもらいたいガラス製品か……



 ……そうだ、風鈴を作ってもらおう。


 温かい地方だし、窓辺に飾るには良さそうだ。


「すみません、こういうものをお願いできますか」


 俺は紙に絵を書きながら作ってほしい物を説明する。


「かしこまりました。今まで作ったことはございませんが、精一杯頑張らせていただきます」


「ありがとうございます」


 完成は一週間後とのことなので、俺たちは店をあとにした。


「リュウさん何を頼んだんですか?」


 帰り道でサラが質問してくる。


「まあ、来てからのお楽しみということで」


 せっかくなら実物が届いたときに説明したい。



 ーーーーー



 後日、完成したとの連絡が入ったので、受け取って家へと戻ってきた。


「あ、先週頼んだものですね!」


 サラがテーブルまでやってくる。


「うん。開けてみよう」


 木の箱を開けると、


「丸い形のガラスに、紐が付いてますね……これは?」


「これは風鈴って言うんだ」


 薄い青色のガラスの玉に白い糸が通されている。


 そして、紐の部分にもガラスがついていて上手く本体にあたるよう調節されているみたいだ。


 うん、オーダー通りだな。


「ふうりん、ですか」


 サラが興味深そうに眺める。


「見てて」


 風鈴を窓辺に吊るしてみた。


 すると、穏やかな風に靡かれてチリン、チリンとなり始める。


「心地いい音がしますね」


 音も大きすぎず、小さすぎずの絶妙な具合だ。


 きっとガラス店のご主人が試行錯誤してくれたんだろう。


「そう、この音色を楽しむためのものなんだ」


 祭りで風鈴が飾られていると、ついつい足を止めて見入っていた。


 この風にゆられて不規則に音が鳴るのがいいんだよな。自然と一体になってる気がして。


 風情ってこういうものなんだろうなって個人的には思っている。


「また一つリュウさんの故郷の文化を知ることができました」


 サラは目を瞑り耳を傾けている。


「そう言ってもらえると嬉しいよ。そうだ、せっかくならキュウリを食べよう」


「いいですね!ちょうど小腹が空いていたんです!取ってきますね」


 こうして俺たちは風鈴を眺めながらのんびり過ごした。


 少し涼しくなった気がするよ。


 ーーーーー


 そのまま家でゆっくり過ごした後、


「少し散歩に行ってくるよ」


 ふと思い立ったので海辺まで行くことにした。


「私もついて行きます!」


 そして二人で波打ち際を歩きながら、ぼんやりと夕日を眺める。


「何度見ても綺麗ですね」


 水平線に夕日が浮かんでいるのを見ると心が落ち着く気がする。


 ……なんか今日は本当にのんびりしてばかりだな。


 まあ、こういう日があってもいいだろう。


 そんなことを考えていると、


「あれ、リュウとサラじゃない?」


 という声が遠くから聞こえてきた。


 名前を呼ばれて振り返ると、


「やっぱりそうだ! おーい!」


 そういって獣人の女性が駆け寄ってきた。


「アミルさん!?」


 その後ろから3人が遅れてやってくる。


「久しぶりだな」

「久しぶり!」

「お久しぶりですの」


 現れたのは、前にマイマイ村に一緒に行ったSランクの冒険者パーティ『魔女の杖』だった。

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