番外編 レイの一日
妾の名前はレイじゃ。今日は妾の一日を紹介するぞ。
寝床にしている湖のほとりで目を覚ますと、妾はまず最初にすることがある。
「いただくのじゃ」
リュウから預かった屋台から取り出した鍋一杯のかれーを食べるのじゃ。
あさかれー、というやつらしいの。
「いつ食べてもこの味は飽きぬのう」
寝起きの体をしゃきっと起こしてくれる完璧な食べ物じゃ。
食べ終えた後は空を飛んだり、森の中を散策したりする。
食べて何も動かなければ太ってしまうからの。
「さて、そろそろ行くかの」
昼をまわったころ、妾はマイマイ村へと向かうことにした。
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リュウ達と出会って以降、妾は時々マイマイ村に顔を出すようにしている。
「レイちゃーーん!!久しぶり!」
道の向こうから大きく手を振りながらクレアがやってきた。
「おお、クレアか。学校は終わったのか?」
リュウ達と一緒に遊んでいた子供たちも、最近学校に通い始めている。
「うん!きょうもがんばってきたよ!じゅぎょうでほめられたんだ!」
嬉しそうに今日学校であったことを報告してくれた。
「クレアは賢いのう」
「ふふ、でしょー?もっともっとべんきょうして、はやくおとなになって、リュウおじちゃんとサラおねえちゃんといっしょにはおしごとするんだー!」
「頑張るんじゃぞ」
「はーい!レイちゃん」
クレアは笑顔で去っていった。
「学校から帰ってきたということはあいつもいるのう」
「あ、レイせんせい!!」
予想通り、カーセがやってきた。
「せんせいにいわれためにゅーはまもってるぞ!」
こいつは妾の偵察にやってきた冒険者「魔女の杖」のメンバーに憧れている。
だからリュウや魔女の杖のやつらが帰った後は、妾が冒険者になるために必要なトレーニングを指導しているのじゃ。
もちろん、まだ体が小さいから加減はしておるぞ。
「偉いのう。そしたら、腹筋をもう10回追加じゃ」
「ええぇぇぇぇ」
カーセが露骨に嫌な顔をする。
「『魔女の杖』と一緒に冒険するんじゃろ?」
「でも……。わかった!おれやる!」
カーセが力強く頷いた。
「頑張るんじゃぞ」
「うん!じゃあ、いまからいえでとっくんしてくる。レイせんせいバイバイ!」
「おお、またの。牛乳をしっかり飲むんじゃぞ」
カーセは足早に去っていった。
まあ、妾の指導についてこれれば、立派な冒険者にはなれるはずじゃ。
こう見えても勇者と戦ったことがあるからのう。
それぐらいのことは出来るのじゃ。
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村を散歩した後は、ここの領主であるジャスティンの屋敷へと向かった。
「レイ様、お戻りになってたんですね!」
ジャスティンが出迎えてくれた。
「うむ。数日前にケンドットから帰って来たぞ」
「そうでしたか。ちなみに帰ってきた後の数日間は何をされてたんですか?」
「ん?かれーを食べて、寝て、かれーを食べて寝てたぞ」
「あ、予想通りの過ごし方ですね。さ、おあがりください」
ジャスティンに招かれて妾は屋敷の中へと入った。
「妾がいない間は大丈夫じゃったか?」
「ええ。大丈夫でしたよ。それに教会の方にもより多くの人が勇者の剣を見に来てくれるようになりました」
「おお、順調そうでよかったのう」
妾があげた剣を見にマイマイ村に人が訪れるようになってきたからのう。
町おこしの役にたってよかったのじゃ。
「そういえば、今日はどうしていらっしゃったんですか?」
「ん?リュウから新しい味のかれーをもらっての。せっかくじゃから2人にも一度食べてもらおうと思ったのじゃ」
しーふーどかれーを新たに送ってもらったからの。
「本当ですか?ありがとうございます。いただきますね」
そこからルナを交えて3人で食事を食べることになった。
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「この味のカレーも美味しいですね」
ルナが美味しそうに食べる。表情が妹のサラそっくりじゃな。
「同じカレーなのにここまで違うなんて……やっぱりリュウさんはすごい」
ジャスティンが感心した表情で食べていた。
「そうじゃろう?」
リュウの事を褒められると妾も嬉しくなる。
「この味を村の人にも食べてもらいたいです」
「妾もリュウに伝えてみるぞ」
「いつもありがとうございます」
ジャスティンが頭を下げる。
「気にするでない。美味しい物はみんなで食べたいからの」
この村の人たちとこうやってのびのびの過ごすのも悪くないからのう。
そう考えると、この村の者たちと出会う事が出来たのもリュウのおかげじゃ。
リュウには感謝しないとな。




