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第146話 必要なものを揃えましょう

 サラからの視線を避けるために、俺は収納魔法にビールをしまった。


「いずれにしても、これで屋台で売る商品が決まりましたね!」


 気を取り直したサラが嬉しそうに言う。


「ああ、これを屋台で売りたいわけだけど、場所は砂浜で大丈夫かな?」


「はい、私もそこがいいと思います。あと売る時間帯のことですが」


 サラの考えでは、お酒のおつまみとしても売れそうなことから午後を中心に売るのがいいとのこと。


「特に夕方近くになると、地元の人も海に来ますからね。そこが一番の狙い目です」


 そして相談した結果、砂浜で3日間ほどキュウリの一本漬けとビールを販売することになった。


 そこでの手ごたえを見て、今後の出店については考えていこう。


「それじゃあ、これから漬物を沢山作らないとな。ジーナさんに昆布の葉っぱをたくさん取ってきてもらわないと。それにキュウリにさす木の棒も欲しいな」


 そうすれば外でも食べやすい。


「はい、あと冷蔵魔導具を買いましょう」


「確かにそうだな」


 いつまでもケーキ工房のものを借りるわけにはいかないからね。


「他にもグラスと、沢山の氷を手に入れたいところです」


 暑い中に一本漬けを野ざらしで置いておくわけにはいかないから、氷を敷き詰めて、その上に置く必要がある。


「グラスは雑貨屋で買うとして、氷はレイにお願いしようか」


 マイマイ村で縁日をやる時にもレイにお願いしたからね。


 ちょうど新商品が完成したことだし、レイにも食べてもらおう。



 ーーーーー



 次の日の朝、俺とサラは市場へと向かう。


「ジーナさん!」


 市場へ行くと、人魚族のおじさんの店でジーナさんを見つけた。


「あら、リュウさんじゃない。海藻はどうだった?」


「はい、おかげさまでいい発見が出来ました」


「そう。良かったわ」


 ジーナさんが微笑む。


「その件についてお願いがありまして、また海藻を取ってきてもらえませんか?」


 今欲しいのは海ブドウっぽい海藻と昆布の葉っぱの2種類だ。


 そして、出来るだけ多く手に入れられると助かることを伝える。


「分かったわ。任せて」


 ジーナさんは快く引き受けてくれた。


「ありがとうございます。あと代金の方なんですけど」


 交渉した結果、どちらの海藻も1キログラムル、つまり元の世界で言うところのほぼ一キロあたり300クローネという値段になった。


「海藻を取ってきてお金をもらえるなんてラッキーだわ」


 この世界では海藻に価値がないみたいだからな。そういう感覚なのかも。


 とはいえ、海草そのものを買うだけじゃなくて、実際に取りに行ってもらう手間賃があるからね。


 それでも十分安いからありがたい話だ。


「それじゃあ、今から取ってくるわ。お昼ぐらいに取りにきてちょうだい」


「はい、よろしくお願いします」



 その後、俺たちは海藻を大量にゲットすることができた。


 これで食材の調達は大丈夫だな。



 ーーーーー



 その後、魔道具店にいって冷蔵魔導具を購入した。


 サイズとしては大きな鍋が4つほど入るサイズだ。


 お値段は40万クローネ、やっぱり魔導具は高いな。


 でも、魔石を取り付ければどこでも使えるからそういう意味では便利かも。


 まあ、気軽に持ち運びできる大きさじゃないけどね。



「それじゃあ、たくさん作るぞ」


「はい!気合を入れて頑張りましょう」


 キュウリを一本一本丁寧に洗って皮を少し剥き、大きな鍋にキュウリを敷き詰めていく。


 大体一つの鍋で30本ぐらいは作れそうだな。


 そこに作った漬物液を注ぎ、鍋の中に小さめの蓋と重りを入れてキュウリが浮かないようにすれば準備完了だ。


 鍋4つ分、計120本を冷蔵庫の中に入れる。


 つけすぎてもしょっぱくなりすぎるから、6時間ほどでキュウリを鍋から取り出した。


 うん、一度に沢山やっても問題なく漬かるな。


 完成した漬物はすぐに収納魔法に入れる。そうすれば時間経過も止まるから後から作った漬物と質の差も出ない。


 こうして、サラと交代制で360本の一本漬けを完成させた。


 これだけあればまずは大丈夫だろう。



 ーーーーー


「よし、レイに氷を頼むか」


(おーい、レイ)


 俺は心の中で呼びかける。


(おお、リュウではないか。どうした?もう帰るのか?)


 レイがすぐに反応してくれた。


(いや、レイに頼みごとがあって。氷をもらう事って出来る?)


(氷じゃな。それぐらいならすぐに用意してやるぞ)


(ありがとう、助かるよ。それと、新商品が出来たんだ。もしよかったら食べないか?)


(何!?新しいかれーじゃと!?)


(いや。カレーとは言ってない)


 早とちりすぎるだろ。


(むう。では一体何なのじゃ?)


(キュウリの一本漬けって料理なんだ)


(分かった、今お主の屋台から取り出したぞ。見た目はただのキュウリじゃのう)


 それから少し念話が途絶えた。おそらく食べているのかな?


(ほお!食べやすい味付けじゃ!!それに今まで食べたことのない風味がするのう)


 レイが満足げにうなる。お気に召したようだ。


(海藻から出汁をとったんだ)


(お主は変わったことをするのう。じゃがそれが面白い)


(ありがとう。誉め言葉として受け取っておくよ)


(うむ、ところでこれはかれーと一緒に食べたら美味しそうじゃな)


(絶対にやめておけ)


 後悔する未来しか見えない。

書報にて本作品の書籍情報が掲載されています!


是非ご覧ください!


また、次回の投稿は2月25日になる予定です。


よろしくお願い致します!

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