第141話 いざ海へ
タイトルを変更しました!
よろしくお願いします!
「リュウさん、ハンナから手紙が届きましたよ」
朝、朝食を食べようとすると、サラが手紙を渡してきた。
「ハンナから?」
俺は手紙を読み始めた
リュウさん、サラさんへ
素敵なカレーと味噌汁をありがとうございました!
おかげで、海の幸を満喫することが出来ました。
入っていた食材も見たことがない物ばかりで、特にイカーチはクトルが闇の世界の生物というぐらい不思議な姿でした。
あれがあんなに美味しいなんて未だに信じられない気持ちです。
夫はリュウさんからもらった食材の研究を始めました。
成果が出るまでどれぐらい時間がかかるかは分かりませんが、楽しみにしていてください。
それでは
追伸
クトルが送られてきた食材を使ってスイーツを作ろうとしていましたが、止めました。
送られてきた手紙は、ハンナたちのために作った料理に対するお礼だった。
喜んでくれたみたいだし、また今度料理を作って送ることにしよう。
それに、カインがどんなものを作るのか楽しみだな。
クトルがあれを使ってスイーツ……止めてくれたのは英断だと思う。
ーーーーー
朝食を食べた後、俺たちは昨日購入した水着を来て浜辺へと向かった。
ジーナさんと待ち合わせをするためだ。
「来たわね」
砂浜に行くと既にジーナさんが待っていてくれた。手には大きな袋を持っている。
「今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、そしたらまずこれを渡すわ」
俺とサラの手に渡されたものは、青色の小さな球だった。
「これは?」
「これは水中玉って言って、水中で息が出来るようになる薬よ」
へぇ、そんなものがあるんだな。
もちろん、3時間前後と時間制限はあるみたいだけど、便利な薬だ。
「噛んでから飲み込んでね」
ジーナさんの指示通り、俺は水中玉をかじった。
「にっが!!!」
ゴーヤとコーヒーと煮干しの苦みを足して更に濃くしたような複雑な味だった。
バラエティー番組の罰ゲームでもこれは使わないと思う。
「く、口の中が……!」
サラも顔を歪める。
俺は屋台を召喚し、収納魔法から水を取り出して一気に飲んだ。
サラにも水を渡す。
「生き返りました……」
サラも飲み干して落ち着いた。
大分回復したが、口の中にまだ苦みは残っている。
良薬は口に苦しってところかな。
「あたしは飲んだことないけど、飲んだ人はみんなそういう顔するのよね」
そう言ってジーナさんはほほ笑む。
そうか、人魚族の人は飲む必要ないもんな。
「それにしても、リュウさんのスキルは便利ね。変わった形をしているけど、アイテムボックス持ちなんて」
ジーナさんが屋台を眺めながら感心している。
「そうですね。このスキルにはいつも助けられています」
異世界でうまく行っているのもこのスキルのおかげだからな。
「さあ、制限時間があるから早く海に潜りましょ。2人にはまず、水中での呼吸から慣れてもらわなくちゃ」
ジーナさんは海の中へと入った。
俺たちも後に続いて海へと入る。朝だからほんの少し冷たい。
「呼吸の方法は簡単よ。そのまま空気を吸うのと同じように、鼻から水を吸い込めばいいの」
「鼻から?」
子供の頃のプールでの失敗が思い出される。
鼻から水が入ると痛いんだよなぁ。
「大丈夫よ。痛くないから。それに水中でも目を開けられるようになっているはずよ」
怖いけど、ジーナさんを信じてやってみよう。
俺は足の付く浅瀬で水面に顔をつけた。
思い切って目を開けてみる。
すると、ジーナさんが言っていたように視界がくっきりしていた。
目に痛みはないが、冷たい空気に触れているかのような独特な感覚がある。
コンタクトレンズってこんな感じなのかな?俺は裸眼だからよく分からないけど。
目の問題は解決したところで今度は呼吸か。
俺は少しだけ鼻から水を吸い込んだ。
そして吸い込んだ水が肺に入りこんでくる。
普段だったらパニック状態になるが、今のところ特に嫌悪感もない。
むしろ、乾いた喉に水を流し込む時みたいに爽快感があった。
小さい頃の水中で息をしてみたいという夢が叶ったよ。
横を見てみると、サラも呼吸に成功したみたいだ。
水中で寝そべって深呼吸をしている。
適応するのが早いな。
(2人ともうまく出来たみたいね)
ジーナさんの声が聞こえてきた。
(はい。大丈夫そうです)
俺も喋ることが出来た。
仕組みはよく分からないが、水中玉の効果が出ているんだと思う。
(これから海藻がたくさん生えているところに移動するからついてきてね)
ジーナさんは俺たちに背を向けると、泳ぎ始めた。
人魚族という事もあって、泳ぐのは軽やかで速い。
(頑張って、追いつきましょう)
俺とサラは急いで泳ぎ始めた。
呼吸のための動作をする必要がないからとても泳ぎやすい。
それに、肺に空気は入っていないからなのか潜水もしやすいな。
浜辺から3、40メートルぐらい先でジーナさんが待っていてくれた。
(ようこそ、ケンドットの海へ)
ジーナさんの手が示した先には、見事な海中の景色が広がっていた。




