第133話 ケンドットに到着
外壁の外には街に入るための列が出来ていたので、俺たちも並んだ。
数十分後、俺たちは身分証を提示し、簡単な質問の受け答えを済ませて街の中へと入る。
ちなみに、レイの身分証はソルーンで発行してもらっている。おかげで、今回はスムーズに入ることが出来た。
「ここがケンドットか」
活気にあふれていて、風に乗って潮の香りもしてくる。
海辺の街って感じだな。
「まずは宿を探すか」
夕方になってるし、まず先に泊まる場所を確保したほうがいいだろう。
俺たちは周囲を歩き、一泊6000クローネの宿を借りることにした。
雰囲気としてはローサさんのところのアリアドネの宿と似ている。
俺は1人部屋でサラとレイは同じ部屋に泊まることになった。
今日は空の旅で疲れたし、早めに寝て明日に備えよう。
次の日
「おはようございます……」
「おはようなのじゃ……」
眠そうな二人と一階のロビーで合流する。
そのまま、朝食を食べに食堂へと向かった。
出てきたのはドーム状のパンと目玉焼き、ソーセージ。この世界の朝の定番セットだ。
「今日はどうしますか?」
朝食を食べていると、サラが俺に聞いてきた。
「そうだな……散歩して、昼過ぎにでも商人ギルドに行こう」
「いいですね。まずはこの街がどんなところなのか知りたいですし」
「妾もそれでいいぞ」
「じゃあ、そうしよう」
俺たちは朝食を食べ終えると、宿の外へと出た。
「日差しが強いですね」
サラが天を仰ぐ。
季節で言えば夏の終わりぐらいだ、温暖なこともあって十分すぎるぐらい暑い。
ここら辺は冬でも温暖らしいし、過ごしやすい環境かもな。
ケンドットの街を散策してみた結果、ケンドットのおおよその街の構造が分かってきた。
まず、ケンドットの西側は海に面している。
そして、中央には大きな川が一本流れていて、北側にはゼーベル家のお屋敷や商人ギルド、冒険者ギルドといった街の主要な機関があった。
また、北側の海辺には貿易をする港があったり、漁港があったりと商業的な施設も多くあった。
俺たちが泊まっていた宿も北側だな。
その後、川を渡って南側へと移動する。
「こちらに来るとまた雰囲気が変わりますね」
南側は観光地になっていて、海辺はビーチになっており、海に入って遊んでいる観光客もいたりした。
それに合わせるようにリゾートホテルなんかも建てられている。
「妾はここに泊まりたいぞ!」
レイがあるホテルを指差してそう提案したが、入り口には傭兵なんかも立ってめちゃくちゃ高そうだった。
「流石にここは無理だな」
いくらかかるか分からない。それに観光もするけど、メインは視察だ。
宿代はある程度節約しないとな。
「むう、まあ良いが昼飯は旨い物を食べたいぞ!」
「分かったって。せっかくだし、ここらへんで食べていくか」
「そうしましょう!!お腹も減ってきましたし!」
「妾もたくさん食べるぞ」
食い気二人組が俺の提案に乗ってきた。
宿代節約しても食費に持っていかれそうな気しかしないな。
俺たちは近くにあった店に入ってみる。
「いらっしゃいませ!お好きな席へとどうぞ!」
俺たちは海側の席へと移動する。
「ご注文はいかがなさいますか?」
「そうですね……おすすめの物をください」
「かしこまりました!」
初めてきた街だし、最初はおすすめのものにしよう。
最初に出てきたのはスープだった。
「いただきます!」
「!?初めて食べる味です!」
サラが興奮する。
「これは貝のスープか」
味付けは塩味でシンプルだが、貝のうま味のおかげで濃厚な味になっている。
中に入っている貝は二枚貝だった。やたらカラフルな色だったが、見た目、味はアサリにそっくりだった。
入っている野菜にもその味が染みていてとてもうまい。
「うむ、悪くないのう」
レイもご満悦だ。
「お待たせしました、海鮮スパゲッティーです。当店の一番の人気メニューとなっております」
出されたのはトマト味の海鮮スパゲッティーだった。ペスカトーレといったところか。
フォークで一口巻いて食べてみる。
「最高!」
貝や白身魚が入っていて、ガツンとしたうま味がある。
ニンニクも入っているからか、食べているのに食欲がどんどん湧いてくる。
あまりのおいしさに俺はおかわりを注文してしまった。
当然俺がおかわりするぐらいだから他の2人が止まるわけがない。
「美味しすぎていくらでも食べられそうです!」
サラもとても気に入ってくれたみたいだ。
ただ、サラのいくらでも食べられそうは本当に無限に食べそうで怖い。
「妾もドラゴンの姿に戻ろうかのう。そうすればもっと食べられるぞ」
うん、それもやめて欲しい。
結局俺がスパゲッティーを2皿、サラとレイが5皿ずつ食べていた。
スパゲッティーの値段は500クローネだった。
同じものをソルーンで食べようとしたら何倍もするんだろうなぁ。
こういうところが港街の良さだね。
「昼食も食べましたし、そろそろ商人ギルドに向かいましょうか」
「そうだな」
俺たちは会計を済ませると、商人ギルドへと向かった。




