第120話 ソフィア様の誕生日会
次の日の朝、ソルーンバーガーの店の前で待ち合わせをする。
「リュウさんおはようございます!」
サラがこの前買ったドレスを着て待っていた。
「おはよう、やっぱりそのドレス似合っているな」
「ありがとうございます!自分でも気に入って届いてから3回も試着しちゃいました」
サラが嬉しそうに答える。
「ここで待ち合わせでいいんだよね?」
「はい、もう少しで来ると思います」
今回アモードさんの馬車に一緒に乗せてもらうことになっている。
「あ、来ましたね」
2日前と同じ馬車に乗ってやってきた。
「アモードさん、メリッサさんおはようございます」
「おはようございます。ささ、乗ってください」
俺とサラはアモードさんに促されて馬車へと乗り込んだ。
ソルーン城に向かって馬車に揺られていると、店の前や軒先に花が飾られているのを多く見かけた。
街もお祝いムードってことだな。
ソルーン城の前に着くと、馬車の列ができていた。
俺たち以外の招待客だろう。
少し待った後、入り口で招待状を見せて敷地の中に入る。
「リュウ様お待ちしておりました」
馬車から降りる場所でモードンさんが待っていた。
「ケーキの受け取りをしたいのですが、よろしいですか?」
「はい。ではアモードさん、メリッサさん一先ずここで」
「ええ。ではまた。サラ、仕事頑張るんだぞ」
「はい、お父様」
サラが頷く。
「ではご案内いたします」
モードンさんに連れられて入ったのは何回か訪れたことのあるセレド様の屋敷の方ではなく、城の中だった。
そしてたどり着いたのはうちの店の何倍も大きい調理場だ。
「すごいですね」
何十人もの人が一生懸命料理を作っている。
この後のパーティで出される料理の準備だろう。野菜が山のように置かれていたよ。
「今料理長をお呼びしました」
モードンさんが男性を連れてきた。
「代々フストリア家で料理人をさせていただいています、エルマーです」
「サート商会会長のリュウです。セレド様との約束の品をお持ちしました」
「はい、セレド様よりお話は伺っております。私も一度食べさせていただきましたが、料理人生で一番の衝撃だったかもしれません」
「そういっていただけると嬉しいです」
セレド様お抱えの料理人にまで認めてもらえるのはありがたいね。
「あれ?ケーキはどこにありますか?」
エルマーさんがあたりを見渡す。
「あ、今取り出しますね」
俺は屋台を召喚して収納魔法からケーキを取り出した。
「え!?!?!?こんなに大きいんですか!」
エルマーさんが目を丸くする。
「施されている装飾も美しい。まるで魔法で作っているかのようだ。私ではとてもできないです。リュウさんがお作りに?」
「いえ、うちの商会の者が作りました」
ここまで綺麗なケーキを作れるのはこの世界でクトルだけだと思う。
「左様ですか。リュウさんは優秀な部下をお持ちなんですね」
「はい、ありがとうございます」
この言葉はクトルにも伝えておこう。
「それにしてもこのケーキ一体何クローネになるんでしょう。食べさせていただいたケーキの値段から考えるとすごいことになりますね」
「その通りかもしれません」
サラに値段を付けてもらったけど、22万クローネと超高級なケーキになってしまった。
少なくとも俺の今までの人生の中ではそんな値段の食べ物は食べたことはない。
「ですが、その値段以上の価値がある素晴らしい料理だと思います。一料理人として責任を持ってお預かりしますね」
「はい。よろしくお願いします」
最後にモードンさんからケーキの報酬を受け取って受渡しは無事に終了した。
よし、後はソフィア様の誕生日会を楽しもう。
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再びモードンさんと一緒に城の入り口まで戻ると、セレド様とソフィア様が来客のお出迎えをしていた。
「リュウ。よく来てくれた」
「リュウ様、お久しぶりですわ」
2人は俺とサラに気が付くと挨拶をしてくれた。
「はい。ソフィア様本日はお誕生日おめでとうございます」
「おめでとうございます」
俺とサラはソフィア様を祝福する。
「ありがとうございますわ」
「先ほど料理長のエルマーさんにケーキをお渡ししてきました」
「楽しみにしていますわ!この日のために最近はケーキを食べることを我慢しておりましたの」
ソフィア様も期待してくれているみたいだ。
あのケーキの大きさを見たら驚くと思うよ。
挨拶を終えると、俺たちはある部屋へと通された。
自由にくつろげるスペースだ。
そこでアモードさん達と再び合流して待機する。
20分後
「エストロンド様、サート商会の皆様、準備が出来ました」
案内されてきた場所は、教会のような、広間のような場所だった。
石造りの壁と相まって神聖な雰囲気がするよ。
城の中心部にあって、重要な行事なんかはここでやるらしい。
窓のステンドグラスとかも見事で、もしこの城が元の世界にあったら確実に重要文化財になっていると思う。
席に座って装飾を眺めているとセレド様が前の壇上に立った。
そろそろ始まるみたいだな。




