第116話 エストロンド家の再会
「リュウ!!来たぞ!!!」
俺の名前を呼ぶ大声が聞こえてきた。
入り口の方には青い髪をした少女が立っていた。
「レイか!よく来たな!」
「ジャスティンとルナと一緒にやって来たぞ」
後ろの馬車から降りてきたジャスティンさんとルナさんも降りてくる。
「リュウさんお久しぶりです」
俺はジャスティンさんと握手をする。
「村の方はどうですか?」
「おかげさまで元通りですよ」
俺たちが帰った後、セレド様による追加の支援部隊も来たため、もう問題はないみたいだ。
「本当にありがとうございました」
ルナさんもお礼を言ってきた。
「いえいえ、いい知らせが聞けて何よりです」
ずっと気になっていたからね、一安心だ。
「お姉ちゃん久しぶり」
サラも両親を連れてこっちにやってきた。
「サラ、元気そうでよかったわ。それにお父さんもお母さんも」
「ああ、ルナも無事なら何よりだ」
「そうよ。マイマイ村の出来事を最初に聞いたときには本当に心配したんだから」
アモードさんも、メリッサさんも嬉しそうだ。
「ちなみにこちらのお嬢さんは?」
アモードさんが聞いてくる。
「紹介しますね、レインドラゴンのレイです」
「レイじゃ!よろしくの!」
レイが軽く挨拶する。
「……今なんて言いました?」
「え、レイですけど」
そんな聞きにくい名前じゃないと思うけどな。
「いや……その前」
「レインドラゴンですね」
俺がそういった途端アモードさんがアワアワし始めた。
「れ、レインドラゴンってあの……、これは大変ご無礼を!!」
アモードさんが全力で頭を下げる。
「気にすることないぞ、ルナにも世話になっておるからの」
レイが何でもないように返事をした。
そりゃ五大竜って言われるぐらいだもんな。知名度は抜群か。
俺からするとカレーが大好きな少女って感覚でしかないんだけどな。
「そういえば来るのが少し遅かったですね」
サラがジャスティン様に質問をする。
本来だったらもう少し早めに着く予定だったらしい。
「ソルーンの街に入る時に少し時間がかかってね」
ジャスティンさんとルナさんは問題なかったらしいが、レイがソルーンに入る時に少し時間がかかったそうだ。
レイには身分証もないし、衛兵の人にも正直に「レインドラゴン」って言ったらしいから最初は信じてもらえなかったみたい。
まあ、その衛兵の気持ちも分かるけどね。レイの姿を見てすぐにドラゴンと思うのは難しいかもな。
結局のところはジャスティンさんが証人となる形でレイも入ることが出来たみたいだ。
「ジャスティンには感謝しておるぞ」
「いえいえ、これぐらいでしたらいつでも力になりますよ」
うん、レイがジャスティンさんやルナさんと仲良くしている姿を見て俺も安心するな。
なんか親にでもなったような気分だ。
「さあ、皆さん。立ち話もなんですので店に入ってください」
俺は店の2階へと案内した。
ーーーーー
「これがリュウの店か。妾でも見たことがないような造りじゃな」
レイが店を興味深そうに眺めている。
まあ、内装はこの世界寄りだけど仕組みは完全に日本のファストフード店だからね。
「今日はレイのために特別メニューも作ってあるから期待してくれ」
「何!?楽しみにしておるぞ!」
レイが目をキラキラとさせる。
ふふ、この日のためにカインと一緒に工夫してみたからな。
レイも喜ぶと思うぞ。
「それでは、エストロンド家の皆さんの再会を祝って、いただきます」
全員希望のメニューを配ったところで夕食会がスタートした。
「ん!?これは旨い!これほど柔らかく食べられる肉は初めてだ!」
初めてハンバーガーを食べたアモードさんが興奮気味に話す。
「このトマトのソースがさっぱりしていていいですね」
メリッサさんも美味しそうに頬張ってくれている。
「やっぱりリュウさんの店の料理は文句なく美味しいです。久しぶりに食べられてこれだけでもソルーンに来た意味がありますよ」
ジャスティンさんもルナさんも絶賛してくれた。
「我もいただくぞ!見た目は他の者が食べているハンバーガーと変わらないがの」
レイが特製バーガーを不思議そうに見ている。
「まあ食べてみなよ」
「うむ」
そういうとレイは豪快にかぶりついた。
「これは!カレーではないか!!」
レイが顔をパッと輝かせる。
「ハンバーグの中にカレー粉を混ぜ込んでみたんだ」
カインと一緒に香辛料をハンバーグの中に混ぜ込んでカレー風味に仕上げてみた。
まあ、ハンバーグとカレーが合わないわけがないんだよな。
あとはハンバーグ用のカレーソースとかけることで名付けてカレーバーガーを完成させた。
「ライスの他にも旨い食べ方があるのじゃな!これは大発見じゃ!!」
レイも大興奮だ。
「どうだ気に入ってくれたか?」
「うむ!カレーライスの日以外にも、このかれーばーがーとやらを食べる日があるのもよいの!」
カレーバーガーはまだ試作品だけど、レイからの太鼓判ももらったしこれなら新メニューに加えてもいいかもしれないな。




