表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

120/165

第115話 サラの両親が来ました

 クトルから誕生日ケーキ完成の連絡が入ったので、俺はサラと一緒にケーキ工房に向かった。


「見てください!我の最高傑作です!」


 ドヤ顔のクトルの横には完成したケーキが置かれていた。


「これはすごいな!!」


 設計図でデザインは見ていたけど、実物を見るとかなり大きなものになっていた。


 2段目のケーキの上には「ソフィア」とピンク色のクリームで装飾がなされている。


 イチゴのソースを混ぜて着色したらしい。


 その周りを彩るように果物も沢山あしらわれていて、とてもきれいだ。


「クトルよくやってくれた。それにマノンもありがとう」


 2人が頑張ってくれたおかげだな。


 これならソフィア様も喜んでもらえると思うな。


「そういってもらえると頑張った甲斐があります!我々ケーキ工房の最初の任務を成し遂げることが出来て良かったです!」


 そういってクトルが胸を張る。


「サート商会に入って初めての大仕事でしたが一安心です……」


 マノンもほっと胸を撫でおろした。


「それじゃあ、これは収納魔法にしまっておこう」


 これでサート商会としての準備は終わった。後は当日が来るのを待つだけだな。




 ーーーーー


 ソフィア様の誕生会まであと2日となった。


 サラから聞いた話によれば今日はジャスティン様やサラのお父さん達がソルーンに来る日だったな。


「今日の夕方、みんなこの店に来てくれるみたいですよ」


 折角ならサラの働いているところで食事をしてみたいとのことだった。


「そしたら2階で食べてもらおうか」


 いつも2階は早めに閉めるから、そこならば問題ないだろう。


 そっちの方がみんな落ち着いて過ごせると思うしね。


「そうしましょうか」


 サラも賛成してくれた。




 午後6時過ぎ


「なんだかそわそわしてきました」


 サラがお迎えのために外で待っているとそんなことを言い始めた。


「その気持ち分からなくはないな」


 自分の職場に自分の家族を呼ぶってなかなかあることじゃない。


 少なくとも俺は人生で経験がないな。


 まあ、サラリーマンだったからっていうのもあるから比較対象としては微妙かもしれないが。


「あ、来ました」


 大通りの方から一台の馬車がやってきた。


 店の前で停車すると、2人の男女が降りてきた。


「サラ!」


 出てきた女の人がサラを見た途端サラに抱きついてきた。


「お母ちゃん!久しぶり」


「心配してたのよ!ほとんど手紙をよこさないんだから!」


 ルナさんの時もそうだったけど、サラは筆不精らしいな。


「そうだぞ。サラは大丈夫か、大丈夫かって母さん毎日心配しとったんだからな」


「お父ちゃんも久しぶり!」


 抱き着かれた肩越しにサラが返事をする。


「紹介しますね。アモード・エストロンド。私の父です」


「サラの父です。いつも娘が世話になっています」


 アモードさんが俺に会釈をする。


 年齢は50代ぐらいだが、かなり若々しく見える。


 目元はサラにそっくりだな。


「私の母でメリッサです」


「よろしくお願いしますね」


 サラと同じブロンドの髪で美人なのがよくわかる。


「サート商会で会長を務めていますリュウと言います。サラさんにはいつもお世話になっております」


「それにしても……サラが副会長って聞きましたけど本当にうまくやれているんですか?」


 アモードさんが疑うように俺に聞いてくる。


「ちょっとお父ちゃん、そこは疑わないでよ」


「いえ、いつも助けてもらっていますよ」


 サラの多大な功績で今のサート商会があるからね。


「あのお転婆娘だった娘をそんな風に言ってもらえるなんて……」


 メリッサさんが感動して泣きそうになっている。


「お母ちゃんもやめてよ!」


 サラがタジタジだ。



「さあ、立ち話もなんですので是非お店に入ってください」


「2人とも私が案内するよ。あ、ライナおじさんもありがとうね!」


 サラが馬車の運転手に手を振った。


 運転手も村の人だったんだな。


 ライナさんはサラに向かって笑顔で手を振ると、馬車を走らせて行った。



 馬車が去っていくのを見送ると、俺たち4人は店の中へと入った。


「いい雰囲気のお店ね」


「ああ、風の噂でソルーン・バーガーの話は聞いていたが、素晴らしい店だ」


 2人とも感心しながら店内を見渡していく。


 サラの村はソルーンからは離れてるって聞いたけど、そんなところまで広まってくれているのは嬉しいな。


「ここはね、リュウさんの発案で色々なことをしているんだよ」


 サラがカウンターの仕組みだったり、ハンバーガーについて説明をしたりしている。


 合間合間で俺の事を褒めるからちょっと恥ずかしかった。


「あとで皆さんがそろったら自慢の料理をお出ししますね」


 味もきっと満足してもらえるはずだ。


 そんなことを話していると



「リュウ!!来たぞ!!!」


 店の入り口の方から俺の名前を呼ぶ大声が聞こえてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ