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第110話 オブリナ・サート杯 その2

 クトルとの対戦後、試合結果を報告する対戦カードを記入して本部スペースに待機していたエマにカードを提出した。


「クトルに勝ったんですね。おめでとうございます」


 エマが笑顔で祝ってくれた。


「ありがとう」


「次の試合は負け残りでクトルともう一方との対戦になるので、リュウさんはお休みです。また試合の時に呼び出しますからそれまで待っていてくださいね」


「了解」


 暇になったので、他の対戦を覗くにした。


 近くでセレド様が打っていたから寄ってみる。


 対戦中の選手に話しかけることは出来ないルールだから、声はかけない。


 対戦相手はセレド様であることは気づいてないみたいだな。


 ただ、対戦相手はかなり焦っているように見える。


 盤面を確かめてみたけど、そこまでセレド様が押しているようには見えない。


 不思議だな。


 その答えはすぐ分かった。


 セレド様の打つまでの時間が異常に早い。


 相手が打ったあと、ほぼノータイムでセレド様が打ち返すからセレド様の持ち時間が全然減っていない。


 それに打つ手も変則的というか捉えどころがない感じだから、相手はなおさら混乱しているみたいだ。


「参りました」


 相手選手の残り時間がわずかになったところでセレド様の勝ちになった。



「おめでとうございます」


 セレド様に声をかける。


「ありがとう、初戦が勝てて良かったよ」


 セレド様がほっと胸をなでおろす。


「セレド様は打つのが早いんですね」


 対戦をみた感想を伝える。


「スキルのおかげだけどね」


 セレド様はスキル「直感」を持っているから、感覚でどこに打てばいいかが分かるらしい。


 だからノータイムで打っても盤面がめちゃくちゃにならないみたいだ。


 聞く限りこの切れ負けルールにおいては最強なんじゃないかな。


「それじゃあ次の試合があるから失礼するよ」


「はい、頑張ってください」


 俺はセレド様と別れた。


 ちょうどその時


「予選12グループ第三試合を始めます。申し込み番号2番と32番の人は受付まで来てください!」


 会場で魔道具の拡声器を使ったアナウンスがあった。


 俺の番号は2番だから呼ばれたな。


 次に勝てば予選突破が確定する。


 気を引き締めていこう。



 ーーーーー


 えー、結果から申し上げますと負けました。


 瞬殺でした。


 対戦相手ナイジェルくんと言って多分12歳ぐらいの男の子だったんだけど、めちゃくちゃ強かった。


 俺の攻撃がすべて跳ね返されて終わったよ。


 他の人が話しているのを聞いたけど、どうやら彼はこの辺りでは有名な天才オブリナキッズらしい。


 それならまあ、しょうがないかな。


 他のメンバーの結果を言うと、サラ、ハンナ、カミラの3人は決勝トーナメントに進出することになった。


 逆に言えば俺とクトル、アレン、ジェフの4人は敗退だ。


 まあ、クトルに一回勝ったことを良しとするかな。


 ちなみに、セレド様も決勝トーナメントに進出した。


 ここからは運営の手伝いと、残った人たちを応援することにしよう。



 ーーーーー


「これから、決勝トーナメントを始めたいと思います」


 休憩をはさんだ後試合を再開する。


 トーナメントの一回戦の見どころとしてはサラと常連のクラウスさんのリベンジマッチだ。


「サラちゃんとは決勝戦で当たるつもりだったんじゃがのう。こればかりは致し方ない」


「今日も負けませんよ」


「わしだって2度と負けはせん」


 うん、試合をする前から熱い舌戦を繰り広げている。


「それでは1回戦を開始してください」


 アナウンスで一斉に試合が開始した。


 クラウスさんの先手で試合が始まる。


「これは……堕天使の型……」


 サラが腕を組んで考え始めた。


 こっちの戦型の名前には詳しくないが、横で見ていた人に聞いてみると天使の型の亜流として堕天使の型と呼ばれるものがあるらしい。


 守りがやや薄くなる代わりに攻撃的な布陣となるみたいだ。


「この前の対戦から対策を考えたんじゃよ」


 サラの研究をしてきたみたいだな。そういえば、予選リーグの時、クラウスさんがサラの試合をチェックしていたのを見た気がする。


 それだけリベンジに燃えていたのだろう。


「……ではその攻撃受け切ってみせます」


「これは土竜の絶壁……さすがサラちゃんじゃな」


 対するサラは超守備的な布陣を選択したみたいだ。


 攻めきれたらクラウスさんの勝ち、攻め切れなければサラの勝ちという構図が出来上がる。


 クラウスさんの猛攻をサラが素早く、そして正確にかわしていく。


 お互いの時間が底をつきかけたとき、ついに


「参りました」


 クラウスさんの敗北が決定したみたいだ。


「ありがとうございました……危なかったです」


 あと一つクラウスさんに駒があったら結果は変わっていたかもしれないというほど僅差の試合になった。


「悔しいが、また精進することにするよ」


「はい、またやりましょう」


 こうしてサラの1回戦は勝利に終わった。

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