第10話 やっぱりチートだったみたいです
「おはようございます!」
朝8時、ロビーへ向かうとサラが出迎えてくれた。
「おはよう、昨日はよく眠れた?」
「はい!久しぶりにゆっくり眠れました!」
「それならよかった。早速だけどこれからパンを売りに噴水広場ってところに向かうから」
「了解です。ついていきます」
サラに道案内しながら俺たちは噴水広場へとたどり着く。
早速いつもの場所へと屋台を置いた。
「到着。ここでパンを売るんだけど、今からパンを取り出すね」
俺は目の前に食パンとクロワッサンを1つずつ置く。
「これが食パンで1つ200クローネ、こっちが昨日サラさんが食べたクロワッサン、1つ100クローネ。」
「200クローネと100クローネ……あれ?私昨日そのクロワッサンってパンをいっぱいいただきませんでしたか?」
「15個ぐらい?」
いい食いっぷりだったな。
「……せ、1500クローネ分のパンを食べたんですか!?本当にすみませんでした!!」
「いや、別に気にしなくていいよ。無料だし」
「え、無料ってどういうことですか?」
「いや、魔法で作ってるからさ。ほら」
そういうと俺はいつも通り食パンを作り出す。
チン!!
屋台の上に焼き立てのパンが出てくる。うん、今日もちゃんと焼けてるな。
「……………は?」
サラが口を開けたまま固まってしまった。
「どうした?何かおかしいところでもあった?」
「おかしいも何も魔法で食料を作れるなんてありえませんよ!?!?!?『魔食不可能』の法則知らないんですか?」
「魔食?何それ???」
「まさか魔法三大法則を知らないんですか?」
サラが若干あきれ気味になってため息をつく。
「魔法三大原則というのは『スキル獲得』『スキル魔法固有』『魔食不可能』法則の3つの事を指します」
「なるほど」
「1つ目の『スキル獲得法則』は人は15歳になると1つのスキルを与えられるということです。大体それまでの生活や遺伝に影響されますね。例えば農家に生まれた人はスキル『栽培』だとか農業に関連するスキルをもらったりします。ちなみにレベルアップの仕方もそのスキルによって様々です」
うーん、俺にはこの法則当てはまらなそうだ。なにせスキルをもらったのは5日前だし。この世界の人だけの法則なのかも。
「二つ目は『スキル魔法固有法則』です。スキルに応じた魔法が使えますが、逆に言えば他のスキルの魔法は使うことが出来ないということです」
なるほど、つまり俺はサラの魔法を使えるようにはならないということだな。
同系統のスキルなら重なる魔法もあるそうだ。
「ところでサラのスキルはなんなの?」
「私ですか?私は『演算』というスキルで計算等の処理能力が向上します。私の場合は魔法を使うというよりは常時発動するタイプのスキルですね。」
俺みたいにMPを消費して使うタイプの人もいればサラみたいに常にスイッチオンの人もいると。
収納魔法に近いといえば近いな。MP使うわけじゃないし。
「それってめちゃくちゃ便利なスキルじゃない?」
「はい、でもうちの地元だとあまり出番はなかったんですよ。農作業ばかりでしたし」
だからここにやってきたってわけか。
「で、最後が『魔食不可能の法則』です。どんなスキル魔法を使っても、食料を作ることは出来ないんです。さっきのスキル『栽培』も作物の成長を促進させることは出来ても作物そのものは作れません」
「え、でも俺作れてるよ?」
「だから驚いてるんじゃないですか!?!?とにかく、このことは絶対他の人には秘密ですよ!どんな人がリュウさんを狙うかわかりませんからね!」
「分かった」
確かに誰かが俺の事を利用しようとするかもしれないな。
言いふらすのはやめよう。もともとする気はなかったけど。
「それでリュウさんのスキルって一体なんて言うんですか?」
「『屋台』ってスキル」
「聞いたことないですね」
やはりこの世界の人でも知らないスキルのようだ。
「どんな魔法を使えるんですか?」
「うーん、色々使えるよ」
俺はステータス表示を開いて確認してみた。
名前 リュウ
種族 人間
年齢 25
レベル7
HP890/890
MP2675/3210
スキル 「屋台」
創造魔法 水、小麦、肉、卵、野菜(トマト、玉ねぎ、レタス)、塩、胡椒、砂糖
創作魔法 パン(食パン、クロワッサン、バンズ)、ケチャップ
調理魔法 ハンバーグ
収納魔法 創作収納 収容量12%
屋台魔法 透明化、屋台増殖、フォルムチェンジ(キッチン)
......ものすごい増えてる。それにこのMPの上り幅はなんだ?かなりチートな気がするぞ。
「えーっと、パンの他にも肉だったり野菜だったりが作れるようになってるね」
試しに肉を魔法で作り出してみると
「これは豚肉だな」
豚肉がブロックで出てきた。いつも薄切りの肉をスーパーで買うからインパクトが大きいな。
「!?!?!?!?!これが豚肉ですか!?!?こんなに品質のいいもの初めて見ましたよ!!」
サラがのけぞるように驚いた。
サラによるとこの世界の牛豚鳥肉は安価な肉の代表格で、一般に広く食べられているらしい。
そして魔物の肉はそれよりも高級品として扱われ、捕獲難易度が高ければ高いほど美味しい肉になるそうだ。
いつか食べてみたいな。
「これだけ脂が入った豚だとオークと同じくらいの価値があると思うんで、多分この塊だけで2000クローネぐらいしますよ」
「え!?そんなにするの?」
大体この塊で300gぐらいだから、100g600クローネ。ブランド豚レベルだな。
こっちの世界との差がすごい。
「そもそもリュウさんの作り出すものの品質が桁違いに良いんです!そこのパンだって200クローネで売ってるみたいですけど本来なら何倍も価値のある商品ですからね!」
「いやいや、そんな高い値段で売ったら誰も買ってくれないでしょ」
800円もする食パンなんて聞いたことないわ。
「……貴族様ぐらいしか買えないようなものをリュウさんは売っているということですよ」
何故かサラがジト目で見てくる。何も悪いことしてるわけじゃないのに。
「まあまあ、利益が出てるんだしこれでいいよ」
それじゃ調理魔法ってやつを試してみるか。
明日以降も午後の更新になると思います!
プロローグ除いて第10話まで来ました!
まだまだ頑張っていきます!




