土台を組みなおそう!
すみません大変遅くなりました。
「俺にあんなかわいい妹がいたのかぁーーーーーー!!!!!!」
「ひっ!?」
目を開けて俺は叫んでいた。近くで寝ていたのであろうピルは、俺の突然の叫びに驚愕を露わにしていた。
「急に何言ってるんですか!?」
「記憶だよ! 俺の昔の記憶が夢に出てきたんだよ!」
俺の突然の意味不明な言葉にただ「は、はぁ」と言うピルは、俺に両手を向けた。
「そんなに頭がおかしい人だとは思いませんでした。せめて苦しまないように私が灰も残さず綺麗に燃やしてあげま痛いっ痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ! すみません冗談ですって! 痛いっ!」
やっぱり指でグリグリするのって有効なんだな。
俺の指から抜け出したピルは腰に手を当て、小さい体を少しでも大きく見せようとする子供の様に俺に質問してきた。
「それで貴方の名前は分かったんですか?」
「は?」
まだ寝ぼけているのか、よく意味が分からなかった。それでもまだピルは聞いてくる。
「名前ですよ! な・ま・え!」
「そーいえば夢の中でも誰も俺の名前呼んでくれなかったな」
「じゃあやっぱりただの夢なんじゃないですいか?」
朝からこんなことを言う人間に付き合ってくれる奴なんてそうそういないわけで、聞かなかったことにしようとお互い決めた。
全員起きたので1階に降りる、すると朝の朝食が用意されていた。ロールパンとウィンナー? と卵焼き、コーヒーだ。
「ささ、君らの朝食もあるから食べないさい」
昨日の受付にいたお婆さんだ。どうやら本当にこの村は現在ほとんどの物が無料らしい。金無しの俺にとったら天国だ。
食べ終えた俺はコルグフと合流し、家の土台を見に行った。
昨日派手に燃やしたからな~、巻き添え食らって灰になってなきゃいいが。
そう願いつつ丘まで足を運ぶと、そこには半分焼けた材木と、昨日の煙を出した木の灰があった。
「やっぱり巻き添え食らってたか......」
使えなくなった木を片付け、新たにブロの木とガラの木を持ってきて土台を組む事にした。ブロの木で柱を家の土台となる柱を6つ立て、地面に大鎚を使い打ち込む。この作業は全員で協力してやったのでかなり楽だった。
次に6つの柱をネタルという木の板でつなぐ。柱と板をつなぐ際には、板を柱と平行にしなければならなかったので、土台を打ち直したりとかなり手間がかかる作業だった。
ピルには釘を運ぶ作業を任せたりしたが、途中で疲れて墜落した。やはりサイズ的に無理があるか。キオとネルナにも材木運びを手伝ってもらった。だが重いものを持たせるのも気が引けるので、結局は俺とコルグフ、テガーがほとんど運び、作業をした。
土台を作り終えたところで、周りに2メートル程の鉄棒を4本打ち付け、木で足場を作り、今後作業しやすいようにした。
そして夕方になり、再び宿に戻った。
「あぁ〜ダメだ〜疲れたぁ〜」
一人そんな事を呟き、昨日と同じ部屋に泊まった。




