銭湯と酒場
おけましておめでとうございます!
「ぬるいな、、、」
そんな独り言を言うのはテガーだ。
炎の精霊なのにお湯に浸かっている。あれ大丈夫なの?
俺はとりあえず座って「あぁ〜、、、」と言っていた。よく考えたらこの世界に来て初めての風呂だ。
俺すげぇ汚かったんだよな。考えたら少し恥ずかしくなる。相当臭っていただろう。
だがそんな生活とも今日でおさらば。これから家を作り、仕事を探して生活して行こう。下手に冒険に出てまた怪我するのはゴメンだ。
風呂から出て貸し出しタオルで体を吹き、外へ出ると、ピルとネルナがいた。ここで俺はピルにある質問をしてみることにした。
「ピルってさ、そのサイズで風呂とか入れたのか?」
おぼれたりしなかったのだろうか、それだけが気になっていた。
するとピルは顔を真っ赤にいした。けして照れや恥ずかしさではなく、怒りで鬼のような顔になっていた。
「入れましたよ、こんな小さな私でも風呂くらい入れますよ、そのくらいできますよ、、、燃やしますよ」
脅しじゃなく本気だと察した俺はその場で土下座した。
「よし、今夜は開店祝いだからただ飯食えるぜ! ついて来い!」
そう言って現れたのは、コルグフだ。そういえばこの世界に来て初めてまともな料理が食えるんだな。これは断る理由なんてない。俺は言われるままにコルグフと酒場に向かった。すると先ほどとは違い、ほぼ満席状態。座るとこがないと思ったが、壁際に空いているところがあった。
「あそこだ」
コルグフが言う。ちょうど俺含め6人座れた。
「実はここの女将と知り合いだから席空けといてもらったんだ」
コルグフの知り合いということはあの女将も失業者か何かなのだろうな。コルグフにメニューの書いてある紙を取ってもらいみると、サンドイッチ、おにぎり、羊の焼肉、牛の焼肉、コーヒー、牛乳、水と書いてあった。まず肉系は飽きるので避けたい、、、ここはやはり王道であるサンドイッチがいいな。あとは牛乳でいいか。
「じゃあ俺はサンドイッチと牛乳で」
俺に続きみんなもコルグフに注文を言っていく。
「俺はサンドイッチと水」
「私はおにぎりと牛乳!」
「私はおにぎりだ」
キオもネルナも子供っぽく勢いよく答えた。テガーは渋い気もするが。
あと選んでないのはピルだけである。この妖精が選ぶのは大体想像がつく。
「決まらないのか?」
メニューを見ながらなにか迷っているピルに一言かけた。
「はい、どっちもおいしそうで…」
やっぱりメニューで悩んでいるようだ。おそらく羊か牛で迷っているのだろう。そしてやっと決まったのか、コルグフにメニューを言った。
「サンドイッチと羊の焼肉、あと牛の焼肉に、水でお願いします!」
「...は?」
おもわず口に出てしまった。
「ピルちゃん、そんなに食って大丈夫なのかい?」
コルグフもピルに驚く。
「私はこう見えても結構大食いなんです」
「お前さっきまで何悩んでたんだよ...」
俺はピルに疑問をぶつけた
「サンドイッチかおにぎりかですけど? それがどうかしましたか?」
この妖精は、アレだ。
化け物だ。




