問題は煙だ!
今年もあとわずかですね。
ピルが燃やした木の株から出てきた謎の黒い煙、それは触れたら皮膚が爛れるという恐ろしい物だった。
この世界に来て死ぬかと思ったのはこれで二度目だが、触れただけで皮膚が爛れるとかオオカミ以上に恐ろしい。
丘から離れた大きな岩に座り、俺たちはあの煙をどう対処するかでもめていた。
「どうすんだよあの煙、触れただけで皮膚が爛れるなら近づけないじゃねーか」
俺は思っていた事をコルグフに言った。するとコルグフは得意げに言った。
「あんなもんよく出るよ。あれに触れずに周りを石で囲って塞げは良いんだよ」
触れずに出来ないから問題なんだろ? 簡単そうに言ったコルグフに対して、キオが質問した。
「どうやってあれに触れずに近づくんだよ?」
「風ですよ。ね? コルグフさん?」
ピルがキオに続いてコルグフに確認する。
「その通りだ! さすが妖精だ! 頭良いね!」
ピルを褒めるコルグフ。だがな、その頭の良い妖精さんが今回の問題を引き起こした張本人だぞ? それを忘れるな。
俺は次の問題を提示する事にした。
「それでその風はどうするんだ?」
「あっ、、、」
急に黙り込むコルグフ。
「「あ......」じゃねーよ!」
軽くツッコミをいれてみたが、空振りだった。
そこにテガーが新たに提案した。
「ならば私の炎で焼き尽くせば良いのではないか?」
あ、なるほど、、、燃やし尽くせば煙も出ないかもしれないな。
「それで行くか」
キオが言う。そこに俺は提案した。
「なら俺とテガー、ピルで焼き尽くすってのはどうだ?」
「いいですね! 全部燃やし尽くしましょう! 痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ! 体が、、、つぶっ、れる、、、」
「お前が原因なんだよな、、、」
俺は“軽く”ピルの体を握り閉めた。
テガー、俺、ピルは煙の出ている丘に近づく。テガーは子供の姿から燃える子供に変わった。正直怖いですよ、燃える子供。
「良いか? 一斉に炎を出すんだぞ」
テガーの言葉に俺とピルは頷く。横一列に並び、両手を前にかざす。
「今だ!!」
テガーの合図で一斉に火炎放射を煙の出る方向へ浴びせた。
すると、煙は炎の影響で方向を変えて行く。どうやら炎がバリアーになっているようだ。
「良し、このまま進むぞ」
テガーの言うとおり、炎を出しながら前に進む。
そして煙の中心に辿り着いた。
炎を煙の出る灰に向け、完全に燃やし尽くした。
「暑かったですね…」
ピルが髪をかきあげる。すると汗のしずくが少し飛んだ。
「あぁ、マジで本当に暑かったな、、、死ぬかと思った」
俺も汗で服が上着がビショビショになってた。
「これくらいで暑いだと?涼しいくらいじゃないか」
子供の姿になったテガーが言う。
「「…」」
俺とピルは同じ事を思ったのか、同時に黙った。
炎の塊に言われたくないな。そう言ってやろうかと思ったがあまりに暑かったので座り込んでしまった。
すると安全になったのを察知したのか、遠くからコルグフ達がこっちに走って来た。
「あんたら本当に対したもんだよ。あんなもんほふく前進すればいいのに」
「は?」
何だと? ほふく前進?
「あなた、殺されたいんですか?」
ピルがコルグフに右手を向ける。目がマジだ。
「いやー、あんちゃん達があんな凄いやり方で消そうとするから黙ってみた方が面白そうだなーと。あははははははっ、、、」
「飽きれますよ、、、」
ピルはそうコルグフに言って地面に寝転んだ。そうとう疲れたんだろうな。
するとコルグフが俺たちに言った。
「何なら今日はここまでにして風呂でも入るか?」
ピル「子供の姿のとき赤い髪に金色の瞳のテガーって、声もかっこよくて超モテモテ!って感じですがしゃべり方がもの凄くえらそうなのもまたいいんですよね!」
ネルナ「うんうん!炎より子供のほうがかっこいいよ!」
テガー「私はどうすればいいのだ...」
俺 「あいつらうるさいから子供の姿でいてくれ...」
テガー「...分かった」




