現状を知る彼
トントントンッ! ドンドンドンッ!
カンカンカンッ!
「何が出来立てホヤホヤだよ、、、まだできてねーじゃん!!!」
丘の上から村らしきものが見えるのだが、ただ草原に作ってる途中の家があるだけである。
みんなせっせと働いているが人数が少ない。見る限り、家が5件あるのだが、1つの家に3人程度だ。そこへ材料を運んでいる人も合わせると、1件につき5人だ。
少ない、少なすぎる。
「これは偽の情報をつかまされましたね」
ピルはそう言うが、ただの偽情報だけじゃない。なにか裏にあるはずだ。キオや、ネルナのように小さい子やぼろい衣服の者がほとんどだ。
「まずは情報誌収集から始めて、後のことはその後で考えよう。集合場所はこの丘な」
「分かりました」
ピルと俺、テガーとキオとネルナで分かれて情報を集めることにした。
テガーは二人と同じくらいの男の子に変身した。髪が赤いのは気にしない気にしない。
「あのー、ここは何ですか? 村だと聞いたんですが」
休憩中の威勢の良さそうなおっさんに聞いてみた。肩までありそうな髪を軽く束ねた金髪。微妙に伸びた髭がワイルドなおっさんオーラを醸し出してる。
「あー、最近多いんだよね、村だと聞いてここにくる人」
「「へ?」」
はもった。
「どういう事だ?」
「どっかの誰かが噂を流したんだよ、「この辺りに出来たばかりの村がある。早く行けば家が手に入る」そんな噂を信じた人がこの辺りに集まってきたんだよ。事実、ここには何にも無かったんだ」
なるほど、キオとネルナもその騙された一人という事か、、、俺もだが。
さらにおっさんは続ける。
「ここに集まったのは身寄りのない子供達や爺さん婆さん、難民だ。俺も職を失いここに来たんだが、最初は森と建設器具くらいしか無かったんだ。だから俺のような力仕事を出来る奴らで『みんなの家を作ろう!』って事になって、今ここにいるわけだ。何なら君らも仕事するかい? まだ家もそんなに出来てないし、自分達の家を作る事も出来るぞ?」
「なるほどな、考えておくよ。またな」
「あれ? あんちゃん? もしかしてその肩にいるの妖精かい?」
「そうだけど?」
「へぇー、始めてみたよ。妖精をつれてるなんて珍しいな」
「そうか?」
そんなに珍しいのか? 俺なんて大群見たぞ?
「名前はなんてんだ?」
「ピルです」
「ピルか、いい名だな!」
ピルは第一印象は良いんだな。俺と会ったときもそんなに悪いイメージは無かった。
「それじゃ、またな! あんちゃん」
「あぁ、またな」
なんともよくしゃべる人だったな~、多分ここの事半分くらい分かったんじゃないか?
「なぁピル、妖精って珍しいのか?」
「まぁ、人間からしたら珍しいかも知れませんね。我々は基本的に人間とは接触しませんから」
「ふーん、じゃあお前を狙う輩とかいるの?」
「さぁ、それは知りませんが、、、」
夕暮れ、俺たちは丘に集まった。
さぁ、みんなの情報を合わせてみよう
俺「そーいや最近まともな物食ってないな」
ピル「肉食べたじゃないですか!」
俺「お前は肉があればいいのか、、、」
ピル「私は肉が大好物なんです! なにか問題ありますか?」
ネルナ「妖精さんかわいい!」
俺「こいつのどこが、、、」




