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異世界で現実的に生活する彼  作者: レノン
ベイル草原
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冒険者、炎の精霊と契約する

 雛達がついて来ようとするのを何度か巣まで戻ってやめさせた。


 さすがにこんな雛達を連れて行ったら守れるか不安だ。


「よーしよし、頼むから大人しく巣にいてくれよ」

 親鳥も雛達を巣に入れようとするが、小さい雛達はスルリと出て来てしまう。

 最後は親鳥がくちばしで3羽を捕まえた。


「じゃーな。今までほんとありがと」


 やっと巣を後にした俺たちは村を目指して歩き始めた。

 ピルの言うとおり進むが村は見えない。

 本当にあるか疑いたくなるが、無かった場合は仕方ない。巣に戻ろう。


 気づけば夕方になっていた。

「そーいや、この指輪どうやって使うんだ?そろそろ日が落ちて来たし、焚き火でもしたいんだが」

「それなら私がやりますが?」

「いや、やっぱり自分でやりたいじゃん?」

せっかく魔法が使えるかもしれないんだ。この際だ。極めてやる。


「多分指輪の中に精霊がいますので、刻印に血を垂らしてください。中から精霊が出て来て契約を求めるはずですよ」


「契約って何を契約するんだ?」


「そこまでは知りませんよ」


 木を見つけたのでその下で野宿する事にして、枝を集めた。

 そして鉄の剣で指を少し切り血を刻印に垂らした。

 すると指輪が熱くなり、持てる温度じゃなくなったので地面に置いた。


「わたしと契約したいのか? 貴様」

 中から炎が出て来て俺に喋る。凄く低いトーンの声だ。


「あぁ、お前は何者だ?」

「わたしは炎の精霊、さぁ、貴様は何を差し出す?」

「逆に何を欲しい?」

 特に今は何にも持っていないんだ。


「貴様本気で言ってるのか?」

「あぁ、何が欲しいんだ?」

「始めてだ……」

「ん?」

「わたしにそんな事を言って来た人間はお前が始めてだ……」


 あ、そーゆー事ね。何か俺の記憶の中にランプこすったら出てくる奴の話があったから、少しマネしてみただけだ。


 本心は変わらない。何を差し出すか言われても命以外特に持ってないしな。


「わたしをこの指輪から出してくれたら、わたしと同じ力を授けよう」


「んー、じゃあ、仲間になってくれないか? 俺この世界にあんまり詳しく無いんだ。もちろん指輪から出すから」


「本当か?」


「あぁ」


「どうなっても知りませんよ? 炎の精霊を仲間にするなんて聞いたことありませんよ」


 俺の肩でピルが小さく呟く。が、無視した。


「んでどうやったら指輪から出せるんだ?」


「指輪を壊してくれるだけでいい」


「待て、その前にお前と同じ力をくれ。万が一約束を破られたら困るからな」


「分かった」

 そう言って炎の精霊は、炎の中から紅く輝く人の頭くらいの真珠を出した。

「それに触れてみろ。最初は慣れないだろうがわたしと同じ力は身につく」


 言われた通り真珠に触れる。すると真珠が光りながら俺の体に煙の様に入って行く。


「それ、何かを燃やすイメージしてみろ」


 とりあえず焚き火ように集めた木を燃やすイメージをしてみた。


 すると、ボッ! と木が燃え出した。


「さあ、わたしを出してくれ」

「あぁ」


 俺は剣を思いっきり指輪に振り下ろした。


 パリン! とまるでガラスのように指輪は割れ、指輪から真っ赤に輝く小さい鳥が出てきた。


「ありがとう」

 そう鳥は俺に言う


 また鳥かよ、、、


俺「これで俺も魔法使いだぜ...」


ピル「そーいえば題名が契約になっているのに、実際契約してませんよね?」


俺「それは言うな、、、」

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