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1章登場人物&用語まとめ

登場人物と用語をまとめてみました。

作中でも説明していますので、読み飛ばしていただいても大丈夫です。

【登場人物】

サーラ・ロステム(26歳)

 日本から転移したコミュ障聖女。本名は朝倉紗夜。黒髪黒目で、細身の童顔。属性は聖・氷・風。護衛もこなすが、本業は魔法紋師。開幕パーティを解雇されるものの、おひとり様の方が気楽なので何も困っていない。スローライフの響きに負けてシエルたちについて行った。


シエル・ローゼン・フォン・グランディール(18歳)

 ブリュンヒルデ家の三男坊。腹違いの兄が二人、姉が一人いる。亡き母親のグランディール領を継いで向かう途中でサーラをゲットした。金髪緑目の美形。限りなくエルフに近い容姿だが、ヒト種。属性は木・土・水。若いながらやり手の営業マンぶりを発揮している。ロイとは従兄弟(シエルの母親の弟がロイの父親)。


ロイ・シュバルツ(24歳)

 闇猟犬(ダークハウンド)の獣人の血を引くヒト種。シエルの護衛。黒髪金目で、瞳孔は縦に長い。属性は闇・火。無口で人付き合いが苦手。サーラとはコミュ障仲間。シエルとは従兄弟だが、爵位も領地も持たない騎士階級。父親はすでに亡くなっており、ドワーフ夫婦に育てられた。


ルビィ・ロステム(享年843歳)

 偉大なる大師匠様。サーラに生きる術を叩き込んだ。金髪緑目のエルフ。属性は木と風。一般人が知らない事情にも精通しているが……?


アルカード・バルギス・フォン・アーデルべルト(20歳)

 サーラに惚れた若造。通称はアル。甘やかされて育ったので子供っぽい。赤毛でオレンジ色の目のヒト種。属性は火。サーラと別れたあとは領地に戻ったが……?


ノワル・スミス(337歳)

 アルのお守りその一。金髪青目のエルフ。属性は木・風・光。超絶美形。年寄りなので大抵のことには驚かないが、アルがサーラに告白したときはさすがに焦った。


ゴルド・アーガス(38歳)

 アルのお守りその二。茶髪にヘーゼルナッツ色の目を持つヒト種。マッチョな乙女。水属性だが、初級の魔法しか使えない。生命魔法がメインの医者。


ナクト・ジャーノ(18歳)

 赤茶色の髪に煉瓦色の目のヒト種で、ラスタ王国の大工。無属性。妻のアルマと駆け落ちしてアマルディに流れてきた。


アルマ・ジャーノ(20歳)

 栗色の髪に蜂蜜色の目のヒト種。無属性。大商会のお嬢様で、元ラスタ王国アクシス領主付きの服裁師。


クリフ・シュトライザー(46歳)

 黒髪黒目のハーフドワーフ。無属性。ラスタ王国首都グリムバルドで腕利きのデュラハン防具職人。


【用語】

ルクセン帝国

 サーラが転移した大帝国。元は小国だったが、周辺の国を併合しまくった結果、大陸の王者に君臨した。領地は個々に自治権を与えられており、建国から千年以上が経った今も紛争が絶えない。文化水準は昭和中期〜後期辺り。成人年齢は二十歳。皇帝を中心とした帝都タウロスの帝国議会が政治の中枢を担っている。


 身分階級:上から順に皇帝、貴族、名誉貴族、騎士、平民、移民。

 貴族階級:上から順に公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵。


 名誉貴族は一代限りで男爵固定。貴族の名前が長いのは分籍した際に家名にするため。領地を持つ場合は領地名を最後につけ、それを家名とする。


 例:シエル・ローゼン・フォン・グランディール(グランディール領のシエル・ローゼン)


ルクセン帝国グランディール領

 ルクセンの最東部に位置する、シエルが母親から継いだ領地。五十年前のモルガン戦争で壊滅的な被害を負い、二十年前のシエルの母親の輿入れをきっかけに完全に管理が放棄された。大河が近いためか、水に惹かれたスライムたちに埋め尽くされている。ここを開拓するのが目下の目的。


エルネア教

 世界に文明をもたらしたとされるエルネア女神と、その使徒である塔の聖女を崇めるルクセンの国教で、各地に教会が存在する。教義は「扶助」と「献身」。元々存在した精霊信仰に、女神を上位存在として追加する形で興った。


エルネア教団

 エルネア教を信奉する集団。序列は上から順に教皇、大司教、司教、司祭、助祭。聖女は特別枠。貴族に等しい権力を持ち、長い歴史の中で腐敗していたが、六十年ほど前に現れた聖女と聖騎士によって徹底的に浄化された。ルクセンの冠婚葬祭と医療を一身に担っている。


塔の聖女

 エルネア教団の塔に住む聖属性の女性。異世界人。黒髪黒目で強い聖属性の力を持つ。


ラスタ王国

 エルネア教団の腐敗を嫌った者たちが移住して興った小国。首都はグリムバルド。エルフとヒト種が幅を利かせているルクセンとは違い、様々な種族が暮らしている。五十年前のモルガン戦争で徹底的に破壊されたが、逞しく立ち上がって見事な復興を遂げた。成人年齢は十八歳。「いつ何があるかわからない」という意識が根付いているので、結婚も就職も早い。


ラスタ王国リッカ領アマルディ市

 幅四キロに及ぶエスティラ大河の中に浮かぶ小島で、グランディールのお隣様。ルクセンとラスタ本土の中間地点のため、人と物資が各地から集まり、とても栄えている。名物はレモンをかけると色が変わるササラスカティー。市の中心部には魔法学校があり、学問の街としても名高い。


魔法

 電気に代わる動力。魔力を用いる属性魔法、生命力を用いる生命魔法、精神力を用いる精神魔法の三つに分類される。具体的なイメージを描ければ、呪文も杖も特にいらないが、杖なしの場合は余分に集中力がいる。魔法使いはコップで水を飲むように、自然に魔法を使うことができる。初級、中級、上級、超級があり、難易度に比例して力の消費量も増していく。


魔法紋

 魔法を言語化したもの。あらかじめ書いておけば、魔法を発現するまでの過程を省略して必要な魔力量を軽減できる技術。元の世界でいうプログラミングみたいなもの。つまり魔法紋師はプログラマー。


魔素

 世界に存在する最小の物質……とされているが、実は生命体で意思がある。それが判明するのは後世になってから。取り込んだ魔素は体内で魔力に変換され、閾値まで溜まると属性を帯び、属性魔法を使えるようになる。属性により、摂取難易度が変わってくる。一番容易なのは風、一番難しいのは魔。


魔力

 摂取した魔素が体内でエネルギー化したもの。体内に留めておける容量と期間は種族によって変わってくる。魔物は体内に魔力嚢という、魔力を長く溜めておける器官があるので魔石ができやすい。死ぬと体内から抜けるが、無機物に込めた魔力はそのまま残る。生命力と密接に絡み合っているため、個人の魔力を分析するのは時間がかかる。


魔石

 魔力が凝縮して可視化したもの。石と呼ばれるが鉱物ではない。


属性

 風・水・火・土・木・氷・光・雷・闇・聖・魔。

 上記に当てはまらないものは便宜上無属性に分類される。

 右に行くに従って魔素の摂取が難しくなる。氷から右はレア属性。


 一度属性を帯びると相反する属性に弱くなり、属性を維持する魔力量を下回ると魔素欠乏症を起こす。魔素欠乏症の症状は吐き気、目眩、頭痛、倦怠感。重度の場合は昏倒してしばらく寝込むが、魔素を摂取して魔力を補填すれば回復する。

 

 風の魔素:呼吸すれば摂取できる。

 水の魔素:水を飲めば摂取できる。

 火の魔素:火に当たるか、火を通した食事をすれば摂取できる。

 土の魔素:土に触れるか、根菜を食べれば摂取できる。

 木の魔素:木のそばにいれば摂取できる。

 氷の魔素;氷を食べれば摂取できる。氷属性であれば、水を飲めば体内で生成できる。

 光の魔素:日を浴びれば摂取できる。

 雷の魔素:雷に遭遇するか、静電気から摂取できる。雷属性であれば、日を浴びれば体内で生成できる。

 闇の魔素:暗闇の中にいれば摂取できる。

 聖の魔素:清潔な場所にいれば摂取できる。

 魔の魔素:古い場所や血が多く流れた場所にいれば摂取できる。

 

聖属性と魔属性

 二大チート。力の元は精神力とされているが、実は魔素。聖の魔素は精神の安定を生み、魔の魔素は精神状態を悪化させる。魔属性の魔力に飲まれて凶暴化(赤目化)することを、「魔属性に取り憑かれた」と言う。

 

 聖属性:属性耐性、属性強化、結界を張れる、魔属性を浄化できる、攻撃力は皆無。

 魔属性:他者の精神を操れる、他属性を飲み込んで魔属性に変換できる、全属性を凌ぐ攻撃力を持つ。


魔物

 人間を除いた、魔力を持つ生物の総称。魔力が多ければ多いほど、大きく、強く、知能が高くなる。素材にしたり、魔物便として利用したり、魔石を採取したり、危険ではあるが生活には欠かせない存在。


スライム

 ゲームや漫画でお馴染み。ゼリー状の魔物で、怒らせると酸を吐き、取り込んだもので核を作る性質を持つ。


種族

 現在確認されているのは、ヒト種、エルフ、ドワーフ、デュラハン、ドラゴニュート、マーピープル、シャドーピープル、獣人、竜人、鳥人。


 ヒト種:ノーマル。貧弱なので魔法を使えないものも多い。どこにでもいる。

 

 エルフ:木の魔素を大量に取り込んだヒト種から発生した種族。強い魔力を持ち、長命で老化が遅く、総じて美形。森の中によく住んでいる。

 

 ドワーフ:土の魔素を大量に取り込んだヒト種から発生した種族。頑健な体を持ち、長命で、職人仕事に長けている。山中や地下によく住んでいる。

 

 デュラハン:魔属性のヒト種が死に際に大量の闇の魔素を取り込み、死後蘇生して発生した種族。首から上がなく、顔に当たる部分には可視化した魔力が漂っている。怪力。


 ドラゴニュート:火と風の魔素を大量に取り込んだヒト種から発生した種族。側頭部から生える角と、黒い歯や爪が特徴。有り余る火と風の魔力で火を吹き、空を飛ぶことができる。

 

 マーピープル:水の魔素を大量に取り込んだヒト種から発生した種族。青い髪と青い肌が特徴で指の間に水かきがある。水中に長く潜っていられるので、漁業に携わるものが多い。

 

 シャドーピープル:闇の魔素を大量に取り込んだヒト種から発生した種族。全身の皮膚を可視化した闇の魔力が覆っているため、日には弱い。金属を擦り合わせたような独特の訛りは集落によって微妙に違う。

 

 獣人:四つ足の魔物とヒト種が交配して発生した種族。見た目は二足歩行する獣。総じて高い身体能力を誇り、五感のいずれかが発達していることが多い。

 

 竜人:爬虫類系の魔物とヒト種が交配して発生した種族。見た目は二足歩行するトカゲ。総じて感覚が鋭く、動きが素早い。日光浴が好き。


 鳥人:鳥系の魔物とヒト種が交配して発生した種族。見た目は二足歩行する鳥。両腕は鳥の翼状で、両足は鉤爪になっており、魔力ではなく己の力で空を飛ぶ。骨が脆いので衝撃に弱い。


職業組合(ギルド)

 職業ごとに組織された相互扶助のための団体。職人組合(クラフトマンズギルド)商人組合(マーチャンズギルド)探索者組合(シーカーズギルド)魔法使い組合(ソーサラーズギルド)など多岐に渡る。ルクセンの場合はここで組合証を発行して納税すれば、移民でもルクセン国民として扱われる。ただし加入には保証人がいる。公的に認可されていない闇ギルドもあるので注意が必要。

 

探索者(シーカー)

 ゲームや漫画でお馴染みの冒険者。ダンジョンに潜ったり、魔物を討伐したり、護衛したりするのがお仕事。つまり何でも屋。なお、この世界でいうダンジョンとは遺跡全般を指す。

まとめを最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回、いよいよ領地開拓の始まりです!

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