深まり、輝き、そして薄れる precious memories
ポカーン……ハッ!!
怒涛の展開すぎて、呆然としてた。
ええっと……
どうなったんだっけ……?
確か……
みんなと病院に向かってて……
変な槍使いに襲われて……
大ピンチになって……
それでフタリくんに……
− 僕は薄明アユリをずっと守り続けたい……そう願ってるから君を守ったんだ −
これって……そういう事だよね。
つまり、あっちの私とフタリくんは……フフッ、そっか。
幸せ者だなぁ、薄明アユリは。あんなこと言いながら守ってくれる存在がいるなんて、明るい未来が約束されてるも同然じゃん。残念ながら、こっちの私には関係なさそうだけれど。
ちゃんとこっちにもいるのかな? この人以上に薄明アユリを愛してくれて、薄明アユリが愛せる人、きっと何処かには……いや、見つからない気がするなぁ。
今までの17年、短いながらもいろんな人と巡り合って来たけれど恋愛感情なんてこれっぽっちも芽生えなかった。 最愛の人が欲しいという気持ちは一応あったけれど、その対象がいないから恋愛のスタートラインにすら立てなかった。それがずっと続いていくんだという覚悟もなんとなくしていた。
でも、そんな恋愛未経験どころじゃない私がだ。そんな私が今、昨日からのあんなちょっとの関わりだけで……
こんなにもドキドキしている。
運命の人という枠が本当にあるとするなら彼しかいない。そんな気がする。
ああ、いて欲しかったな私の世界にも彼が……とか言うとフタリちゃんの存在を否定しちゃうのか。
だったら、そんなのはダメ。フタリちゃんはかけがえの無い親友だもん。どんな引き換え条件があっても、いなくなることを望むなんて絶対にあり得ない。
どちらかの存在を否定するわけじゃないけれど、フタリちゃんの代わりにフタリくんがいればよかったのになんて事は思えな……あれ? でもあの二人って同じ人間なんだよね?
だったら存在としては同質なものってことになるはずだけど……私が抱いている感情、違いすぎない?
フタリちゃんに恋愛感情を抱いた事はなかったのに、その男の子版には早々と恋と言える感情が芽生えた。でもこの二人が同じ存在ならフタリちゃんにもドキドキするはずなんじゃ……?
何でだろう? 性別が違うから? 男の子としか恋愛しないって無意識の内に決めてた?
でもそんな自覚は一切ない。第一、男の子であろうと女の子であろうと誰にも恋してこなかった私にそんな性での決めつけがあるような気がしない。
というか、私に気持ち以前にあの二人が似てなさすぎる。
もう一人の私の話とか、朝の二人のやり取りとか見てても同じ人間同士とは思えなかった。同調よりも反発してる時の方が多かったし。性の違いってだけで、性格まであんなに変わるかな。
そう思うとあの二人は同じ存在というよりは……
でも全くの別人とも思えな……
ピカァァァァ……
「え……? なんで……? 」
何故か、また私の身体が光り始めていた。
あの人類二倍が起きた時と同じ輝き方で……
「もしかして私また増え……っ!!? えぇっ……!!? 」
違う……
この感覚……
増えるんじゃない……
コレ……
でもなんで……
なんで……
いやだ……
そんなのいやだ……
いやだ、いやだ、いやだ……ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダっ……!!!!
私の中から大切なモノが……、大切な存在が……!!
薄れていく……




