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生徒会副怪鳥 spear master



 「「あら、ウチの生徒さんだったんですか。この馬鹿槍が急かすから諦めましたが、やっぱり変装すべきでしたね…… 」 」


 そう言って片方の魔女スタイルの白鳥副会長は跨っているものとは別に背負っていたもう一本の槍を取り出す。見たところ僕らも知っているアイツだ。

 

 「あっ、疾駆じゃねえか!? なんでお前が持ってんだよ!!? 」


 馬鹿の槍使いはその槍が自分の武器であることに気が付く。


 『は? おい、ヤマト、人数どころか怪我まで治ってんのか!! なんだよ、せっかく助けを呼びに行ったのによぉ。 』


 どうやら副会長はあの槍に助けを求められてここに来たらしい……ってか、なに? あの槍自分で動けるの?


 「そうみたいよ。私たちとの交戦では単体で飛んできたし、危うく串刺しにされるところだった。」


 女版が僕の知らない新情報をくれる。

 同じ相手との戦いでも、大分展開が違ったらしい。


 『『まったく、人騒がせな馬鹿どもですね。しかしわざわざ私たちに泣きついてくるとは、情けないことこの上なしです。同じ十二神槍として恥ずかしく思いますよ。 ねぇ? お嬢様?』』


 多分全部の槍がこういう仕様なんだろうな。副会長が跨っている槍が当たり前のように喋り出す。

 馬鹿の槍は持ち主と友達同士みたいで、荒っぽい口調だったのに対し、こっちは持ち主に仕える執事のような丁寧口調。あの槍達にもそれぞれ性格があるようだ。


 しかし、僕もここで驚きよりこんな感心が勝つようになってしまうとは……当分常識的な感覚とは、おさらばみたいである。


 『誰が情けないって!!? 』


 なんか武器同士が喧嘩し始めた。


 『『一本に戻った時も、物凄い悲鳴を上げてたじゃありませんか。神槍としてのプライドはないのですか? 』』


 『 常に尻に敷かれて乗り物扱いされてるお前にプライドとか言われたくないんだよ!!』


 『『尻に惹かれてるんじゃありません。跨られてるので尻ではなく、ま…… 』』


 「「フフフッ……鳥神槍(ちょうじんそう)羽撃(はばたき)さん? その下品なくちばしを今すぐ閉じないと膝でバキ折りますよ? 」」

 

 おそらく僕でも引くレベルの下ネタをかまそうとした(とり)の槍らしい執事に、副会長が微笑みながら鋭い殺気を向ける。よく言われる、笑顔なのに目が笑ってないとはこのことだ。


 『『申し訳ございません。二度と言わないので勘弁してください。 』』


 『フハハっ!! ザマァだな、羽撃!! 』


 「「馬神槍さんも立場わきまえないと真っ二つですよ? 」」


 『はい、すみません。助けに来てくれてありがとうございます。』


 静かながら周囲を凍てつかせる凶悪な目つきと言葉で神の槍を3本とも黙らせる。

 このまま槍壊して自滅して欲しかったんだけどなぁ。


 「はぁ……まさか神様の槍でも下ネタ発言をするとはね。」


 女の僕は先の槍執事が言いかけた完全アウトの言葉にため息を漏らす。


 「一回この双子座の力で全国の男全員ぶん殴ってこようかしら。」


 「おいリンリン、どうしてそうなるっ!!? 」


 今の俺たちの状態なら達成しかねんからそういう発言はやめろ。

 確かに用途は不明だが、そんなことのために渡された力ではないことは確実だぞ。


 「だって、あんな変態の神のもとに生まれた男共は一発ぶん殴った方がいいでしょ? 」


 「いや、殴って治るもんじゃないと思うんだが…… 」


 むしろ喜ぶ奴もいると思うし。


 「なるほどね。じゃあ()()()わ。」


 なにを?とは聞かなくても絶対ナニのことである。


 「だからそれは日本が滅ぶんだよっ!!!! それにその基準ならオサムのも終わるぞ!!? 」


 「オサム君はもちろん免除よ。」


 なんて身勝手なんだコイツ。自分の想い人だけ特別扱いはズルい。


 「それだけじゃないって。子供やお年寄りとかは当然免除よ。あと狙わないのは…… 」


 おい真剣に本格的な計画を立てるんじゃねぇ。無差別であることをピンポイントに非難してるんじゃないんだよ。


 「なによ。何か文句でもあるの? ターゲット1号さん? 」


 しれっと僕を被害者1号にしてるあたりに文句言っていいですか?


 「近くにいるから当たり前じゃん。それに昨日の件があるからどうせあなたは対象から外れることはないわよ。」


 自分も別ベクトルで同じような本を隠しときながら、棚上げしやがって……


 「ねぇ? コイハルちゃんも男むしりに賛成でしょ? 」


 むしるとか言うな。あと同意を求めるな。


 「「んー? 私はチサトがいれば生きていけるから、何でもいいよ♡ 」」


 ハートマークつけながらとんでもない賛成をしないでください黒羽さん。

 あと、あなたに擦り寄られてる彼も対象だろうから人ごとじゃな……


 「……だから!! 全員揃って俺様を忘れんな!!!! 」


 馬鹿が自分の扱いに突然激怒し始めた。

 そういえばまた放置してたな。


 「「あっ、忘れてましたね。それでは早速…… 」」


 味方のことも忘れていたようだが、ついに副会長が動き出すみたいだ。

 せっかく決着がついたばかりだったのに、新たな酉の敵となった彼女も加えて異能バトルが再開してしまいそうな……




 「「逃げましょうか。」」



 

 「……え? 逃げるの? 」

 「……え? 逃げるの? 」


 


 


 




 

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