再輝 again
「「な、なんだ? まさか、また増えんのか……!? 」」
敵が自分の光る姿を見つめ合って、戸惑いを見せる。
「おい、嘘だろ? まさか2×2で、今度は人類四倍ってか……? 」
冗談じゃない。これ以上の超常があってたまるか。
もし、これから鼠算式に増えようものなら地球上が簡単に人間で溢れかえるぞ。
「でもあの光り方、やっぱり私たちが増えた時と同じ…… 」
「「大丈夫大丈夫、安心してトシリン☆ 増えるんじゃないよ? その逆さっ♪ 」」
「逆? 」
「逆? 」
姉貴が不安がる僕らを安心させようとするが……逆?
逆ってことはことはつまり……
グンっ!!
「「うっ!? こ、今度はなんだ……!? 」」
槍使いはまた新たに少し苦しむような反応を見せる。
次は何があったんだ?
「「な、なんか体が引きつけられ…… 」」
は? 引き付けられる? 磁石じゃあるまいし、何言って……って、まさか!?
「「ぐっ!! 耐えきれね……うおっ!!!? 」」
ビュンッ!!
「やっぱ、こっち来る!!? 」
「やっぱ、こっち来るの!!? 」
まるでS極とN極が引き付け合うみたいに胸先頭のエビ反りで、二人の敵が左右から飛んできた。
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!? 」」
困惑気味な叫び声を出しながら。そしてとんでもない猛スピードで。
うん、何が起きたのかまだ詳しくは全く把握しかねるが……とりあえずこれだけは分かるな。
超大ピンチだ。
「挟み撃ちじゃねえか!!? 」
「ヤバい、ぶつかる!!!! 」
意図した攻撃じゃなさそうだが、このままだとあの猛スピードで大衝突事故だ。回避必須だが、避けようにも問題がある。
「「ええっ!! どうしよ!! ドレス片付けちゃったのたぁ!! 」」
黒羽さんも含めて僕らは今ゾディアックギアを装着してない。身体能力が通常状態だ。
一応、ブレスレットには手を伸ばすが、敵はもう目の前。これじゃ間に合わな……
「「任せろ。 」」
ガシ! グイッ! !
「ぐふっ……! 」
「うえ……! 」
「「わお♡ 」」
バッ!! フニッ……
「「……おおおおおおおおおおおおおお!!? 俺様とぶつかるぅ!!!!!! 」」
ガッ……! ピカァァァァ……
「危なかった…… 」
「ギリギリだった…… 」
僕は杉佐多・黒羽コンビ1セットと歩道の右端で、女版も同様の1セットと向かいの左端で共に膝をついている。
姉貴達も上にジャンプしたのが見えたし、なんとか全員無事だ。僕らは4人は自力じゃないが。
「悪い、また助けてもらって…… 」
「ありがと、また助けてくれて……」
僕は杉佐多に再び礼を言う。向かいからもほぼ同時に感謝の言葉が聞こえた。
衝突の直前、僕たちはまだ強化状態らしかった彼に後ろから襟を掴まれて斜め上に引っ張り上げられ、衝突を避けることができた。危うく首が締まりそうな結構荒っぽい手助けだったが、急の出来事だったし、二度もの命の恩人だ。文句は言えない。
その飛んできた槍使いはお互いに衝突したが意外にもあまり鈍い音は立てず、そのまま一つとなって光り続けている。まぁ、あの中で何が起こっているのかはもう想像がつくが……
「 うええん!! 焦ってドレス着れなかったよぉ!! でも、チサト♡ ありがとーーーーー!!!! 」
ギュウウウウ
黒羽さんが膨大な頭と抜群スタイルを揺らしつつ、押し付けて杉佐多に抱きつく。
光の向こうでも同じようなシルエットが見える。こんな時なのに二方向でイチャイチャが始まった。
「暑苦しいし、いろいろ邪魔だ。離れろ。」
「えー!? だって怖かったし♡ 」
だが杉佐多はこの興奮必至アタックに動じず、冷たくあしらう。
さっきから思ってたんだが、あんだけいろんな凹凸に密着されて、なんでコイツ平常を保てるんだ?
羨ましすぎるシュチュエーションなのに……とか心の声を漏らすとまたアイツに引っ叩かれるな。聞こえてるかもしれないし、やめとこ。
「ねぇ、杉佐多くん? あなたもしかして…… 」
「バラしたら、殺す。 」 ギロッ
「あっ、はい。了解しました。」
ん? なぜか向こうで女の僕が杉佐多に睨まれている。 会話は聞こえなかったが失言でもしたのか?
「鹿谷ヤマトぉ…… 」
……っ!!突然、光の中から何かが聞こえる。あの数十分前に耳に入ったばかりの最悪な声。
もし姉貴の言う通りなら、この中から出てくるのは……
「ふっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁつ!!!! 」バッ!! ズサァ……
槍使いが光の中から、雄叫びと共に現れる。どちらの世界の方かは知らないが……
案の定、二人から、一人へと戻った姿で。




