表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/188

矛盾、示す真実 sister's deed



 「姉貴はあいつの襲撃を知っていたのか? 」


 あり得ないはずだけど、そういうことになる。

 それを知った方法が全く分からないけど……


 「あの……お姉ちゃんがゾディアックってことはないの? 予知能力でもあるんじゃないかと思ったんだけど…… 」


 「「え!? お姉ちゃんなのに、それも教えてもらってなかったんだ…… あの人すごい秘密主義だねぇ。」」


 コイハルちゃんが私のもしかしての質問に驚きを見せる。

 その様子だとホントなの? お姉ちゃんは私たちと同じ……


 「「ああ、そうだった。目の前に現れたとき、ゾディアックの力を感じた。何座かは分らなかったが。」」


 「本当にそうだったんだ…… 」

 「本当にそうだったんだ…… 」


 私たち二人は姉の秘密に同時に驚きはするが、そこまでのショックじゃなかった。

 何か隠していたのは確実だったし、今までの立ち回りを考えばあまり不思議とは思えない。むしろ納得だ。


 「「まぁ、後で自分たちで確認してみた方が確実じゃない? 君たちも私たちに特別な気配感じるでしょ? 近くゾディアック同士で感じれるオーラなんだけど、あの人もそれと同じのが出てたからっ。 」」


 確かに意識を集中してみると4人からも妙なオーラ?みたいなものを感じる。

 今お姉ちゃんと会えばゾディアックであるという彼女からも感じるのだろうか?


 「じゃあ、やっぱり予知能力か何かを…… 」


 「「いや、それはない。」」


 杉佐多くんがまた私の言葉を否定する。

 お姉ちゃんの能力を知ってるってこと?


 「「残念だが、君たちの姉についてはゾディアックであること以外は分からない。だが予知能力は持っていないのはわかる。」」


 何故か彼は妙に自信のある断言をする。

 どういうこと? なんでピンポイントにそれだけ分かるの?


 「「だって、未来予知はチサトの特権だもんねぇー♡ 他の人が同じ能力持つことないんだしっ。」」


 なるほど。十二に分かれた神って言ってたから同じ能力者はいないってことになるんだろうけど……前半にコイハルちゃん、中々の衝撃情報を下ろしたね。


 「君そんなの持ってたの!? 」

 「君そんなん持ってんの!? 」


 私たちはふたり揃って目を見開く。姉がゾディアックだったことより、よっぽど衝撃的だ。

 そういえば彼らの能力のこと聞いてなかったが、そんなチート能力持ってたのか。

 じゃあ、さっき敵の足を打ち抜けたのも……


 「「予知能力と言っても、ほんの1〜2秒だ。戦闘にしか使えないから、多分君たちが思ってるほどすごいものじゃない。」」


 彼は謙遜を見せるが、私たちのやった超スピード勝負ならその数秒はかなり重要だ。なんなら最強能力なんじゃない? 少なくとも私のイマイチよくわからない能力よりは使い勝手良さそうだし。


 「まぁ、能力の詳細は後回しだ。今とにかく姉貴のことだろ。予知じゃないなら、尚更どうやって襲撃を知ったんだ? 」


 変態が脱線しかけた話を元に戻す。未来予知者が目の前にいたことにテンションが上がっちゃってた。

 しかし彼の言う通り、コレでお姉ちゃんの謎はさらに深まってしまったな。能力も謎のままだし。

 

 「……そういえば、昨日の夜にあの神の子も知ってたよね? 槍使いが襲ってくること。」


 私は昨夜の夢の出来事を思い出す。

 あんな忠告をしたってことは、あの子もお姉ちゃん同様、実行前に槍使いの襲撃を知っていたことになるけど……あっ、待って。確かお姉ちゃんと神の子は……

 

 「そうか、分かったぞ!! 姉貴もアイツから教えてもらったってことか。姉貴と僕らの中の神がちょくちょくコミュニケーションとってたってのが本当なら納得だし、あの神自身が予知みたいなのを持ってる可能性があるしな。」


 私と同じ夢の経験した彼がいい感じの結論を出す。

 あの子が予知できるかはまだ不確定だけど、お姉ちゃんが襲撃を知る方法はおそらくコレしかない。ちょっとした事項が頭から抜けていただけで話はそこまで難しくなかったのだ。


 「なんだ簡単だったじゃん。あーあ、悩んで損した。じゃあ、早くオサム君達を…… 」


 「「ねぇねぇ? さっきから話が見えないんだけど……とりあえず二人のお姉ちゃんって何者なの? ちょっとおかしいよ……? 」」


 コイハルちゃんが、解決ムードの私たちに微妙な表情を向ける。完全に不可解と言わんばかりの顔だ。

 お姉ちゃんがおかしいのはいつもの話だけど、また私たちの考えがどこか間違ってるのだろうか?

 

 「身内ながら、姉の正体はこっちが聞きたいくらいだが……でも、何かの星座のゾディアックであることは間違い無いんだろ? それを踏まえても、性格と話し方以外にどっか変なところがあるのか? 」

 

 それなりの結論を出した彼が聞き返す。


 「「それを踏まえたからこそ、おかしい。各ゾディアックに宿る神は、その宿主としか対話ができないはず。実際、オレもコイハルもお互いの神は見たことがないし、言葉を交わしたこともない。姉弟・姉妹関係とはいえ、他の宿主との対話なんてのはまず無理だ。」」


 杉佐多くんからの新情報で、また姉にに対する?マークが増える。

 え? じゃあ、コミュニケーションとってたのはウソってこと?


 「「いや、おそらく対話したのは事実だ。そうじゃないとおかしい。」」


 「……は? 」

 「……は? 」


 私たち二人は杉佐多くんの言っていることが全く理解できない。

 なぜなら、彼が今言ったことを纏めると、“お姉ちゃんが私たちの神様と話せることはあり得ないが、話してないこともあり得ない。“ ……と、矛盾同士がさらに矛盾を生み出していることになる。


 「あの……こう言っちゃ悪いけど、自分の言いたいことちゃんと分かってるの? それはさっき説明と矛盾してて、おかしいんじゃ…… 」


 「「ああ。だから矛盾だらけでおかしいんだ。君たちの姉は何もかも。」」


 確かに変な姉だけど、そんなこと……


 「じゃあ、お姉ちゃんが私たちの神様と対話しているっていう証拠はなんなの? 」


 私は理解が追いつかない矛盾を提唱する杉佐多くんに疑問符を投げる。


 「「彼女がオレたちに接触した際、君たち二人が双子座に選ばれていることや黄道神能の詳細、覚醒して間もないこと等の詳細情報を事前に渡してきたことだ。君たちと敵との戦いを見ていたから知っていたのかと思ったが、依頼時間が襲撃前となるとそうじゃなかったらしい。」」


 彼の話す出来事がどんどんお姉ちゃんを謎だらけに包む。

 そうなると襲撃どころか、私たちの覚醒まで予知していたということになる。


 「姉貴、なんでそんなことまで…… 」


 「「だからあなた達が持ってるのががジェミミック・トゥワイスっていう、なんでも二倍に増やしちゃう能力なのも知ってるんだよね、チサトっ♡ 」」


 なるほどね。たしか“ジェミニック”だったけどね、コイハルちゃん?


 「でも、ゾディアックならお姉ちゃんの中にも神がいるんじゃないの? 同じ神同士ってことで、そこから教えてもらった可能性はないの? 」


 私は十七年来の身内の謎解きに挑戦し続ける。


 「「それもない。オレの神曰く、十二に分かれた際に記憶や意識も同時に分裂したせいで、神同士でもお互いの能力や宿主について知ること出来ないと言っていた。」」


 彼らからもたらされる新情報な神情報は新米ゾディアックの私たちにとってはありがたいが、それらを使ってもお姉ちゃんの正体や動向が一向に解けない。むしろまだ未知を深め続ける。


 「「うんうん。私のヴァリーちゃんもそう言ってたから、マスクド・ユイガもおんなじだと思うよ?」」


 それは参考になるけど……コイハルちゃん、 神様をペット扱いしてない?

 

 「「つまりゾディアックの特性を考えると、お姉さんが双子座の情報を得るにはのソイツと話すしかないってことになる。そんな事あり得ないはずなのに。」」


 杉佐多くんがこの一連の流れをまとめてくれる。

 ここまでで彼の矛盾発言の意味は分かったし、納得は出来た。

 だが肝心のお姉ちゃんに関してはなにも分かっていないし、納得もさせられていない。


 「お姉ちゃん、本当になにしてるんだろ…… 」


 「ああ。わからん事だらけだ。」


 あんなに身近だった家族の一員が私からどんどん遠ざかっていくように思える。


 「きっと、私たちのために動いてくれてるとは思うんだけど…… 」


 「「……言いにくいんだが、お姉さんはそれすら疑わしい。」」


 「え……? 」

 「え……? 」


 杉佐多くんがまた私の言葉を否定した。

 だけど今回は、言葉の出が悪い。言いにくいとまで言っての発言だからこっちの心情は分かってるのだと思うが、家族の思いを否定されるのはあまり気分が良くない。


 「どういうこと……? 」

 「どういうことだ……? 」


 私たちは少し怒り混ぜて聞き返す。理由によっては命の恩人でも怒らせてもら……



 「「おそらくあの槍使いに君たちを襲撃させたのは……君達の姉だ。」」



 彼が告げた言葉はすぐに飲み込むにはあまりに突然で、あまりに衝撃的だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ