背中合わせ despair
「お前も、吹っ飛ばされてきたのか……? 」
後ろにいる男の私が苦しそうに問う。
「ええ……油断した。その様子じゃ、あなたもそうみたいね。」
同じ敵を相手にしていたからか、私と同じタイミングで同じ必殺技を喰らったみたいだ。
その激痛のせいか、お互い声が擦れている。
「そういえば……あの二人は? 無事か? 」
オサム君とアユリのことを彼は気に掛ける。友達なんだから当たり前の心配だけど……
「二人とも怪我しちゃってる。特にオサム君は両腕骨折してるかも知れない。 」
「そう……か。それはヤバいな…… 」
背中合わせなのに彼の顔が曇るのがわかる。
「ゴメン。あなたの友達、守りきれなくて……ゴメン。 」
私は二人の状態を伝えながら繰り返し謝罪する。
彼の声を聞いて急に自分が不甲斐なくなり、申し訳なくなってしまった。せっかく、信頼してくれたのに……
「……謝るなよ。お前のせいじゃないんだろ? 」
背中越しの彼は謝る私をフォローをしてくれる。
確かに言う通りかも知れない。
怪我の原因はあの槍使いだ。私が傷つけたわけじゃない。
でも……
「それでも近くにいた以上、責任を感じずには…… 」
「だから謝るなって。そんな暇があったら、打開策を考えて病院に運ぶべきだろ。あの馬鹿槍ヤロウ、絶対もう直ぐ来るぞ? 」
もう一人の私を叱咤するように声を掛け続けてくれる。
そっか……そうだよね。こんな暇あったら速く助ける方法を……
「それにお前がその理由で謝ったら僕も謝ることになるだろ? こっちにいたオサムも多分肋骨やってるしな。」
「……
………
…………
……………
………………あ゛ん? 」
衝撃の励まし理由に自分でも出したことのない声が出る。
私のオサム君あっちでも怪我してんの?
私、性別違うだけでこんなクズに生まれるの?
私、こんな奴に謝ってたの?
「 いや……あの……その……少しくらい責任感じろやぁぁぁぁぁぁ!! 」
今の最低な事態を飲み込んだ私は完全無責任男に怒号を飛ばした。




