神能 zodiac ability
私は激痛の走ったお腹を抑えて、膝をつく。
「ぐあっ、かふっ……み、見えなかった…… な、なんで……? 」
今の今まで互角のスピードで、互角のパワーで、互角の戦いをしてたのに……
『フハハハハッ!!見たかっ!! 俺たちの神槍技!! 』
「でも残念ながら見えなかったらしいぜ? まぁ、俺様たちのスピードは干支のゾディアック、イチだから当然だがな。」
そう言いながら、目の前で槍を持っていない方の拳を引く。
何をされたのかも見えなかったが、どうやら殴り飛ばされたらしい。
多分、超人状態じゃなかったら確実に死んでるよ、この痛み……
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「あっれ? せっかく力使ったのにもうダウンか? 」
「うっ、かはっ……、はぁ、はぁ…… 」
クッソ、せっかく僕の勝機が見えたと思ったのに……
「な、なにをしたんだ……? さっきまでそんなスピードじゃ…… 」
僕は声を絞り出して、敵に質問する。
痛みが治るまでの時間稼ぎでもあるが、単純に疑問だ。
さっきまでの戦闘、手加減をしている様な様子はなかったはず……
「は? そんなの決まってんだろ? コレが俺様の干支神能ってだけだ。」
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「ア、アビリティ……? 」
必殺技的なものだろうか? ていうか”ゾディアック”ってこいつも私も同属ってことなの?
何にしても、ゾディアック・アビリティなんてまた私の知らない単語……あれ? いや、待って。ゾディアック・アビリティ? それどっかで聞いた気も……
「なんでしらばっくれるんだよ? その力使ってんならお前も持ってんだろ? 俺様の脚力超強化みたいな。 」
そっか、最後に神様のあの子が言ってたんだ。”ゾディアック・アビリティ”って……
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そうだ。あの自称神様も最後に言っていた。”ゾディアック・アビリティ”と。
アビリティは確か、ゲームとかでは“能力”って意味で出てきたはず。つまり……
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……多分私にもこの身体強化とは別に、何かしら特殊能力があるってことなのだろう。
おそらく敵もそれを使ったんだ。脚の強化という形で……
でも、それなら私にとってのそれは何? それはどういう物で、どうやって使うの?
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……いやアイツ、ギリギリでキーワードとかいうのを一つ言ってたな。それが僕の特殊能力のヒントになるのか?
なんて言葉だったけな? 確か……
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“ジェミック・トゥワイス”
“ジェミック・トゥワイス”
ジェミニックの意味は知らないけど、トゥワイスはの意味は……
ジェミニックの意味は分からないが、トゥワイスはの意味は……
……そっか、そういうことか。そういう力か。
……そうか、そういうことか。そういう力か。
だけど、ホントにそんなこと出来るの?
だが、ホントにそんなこと出来るのか?
いや、でもこの世界のことを考えれば、きっとあり得ない話じゃない……
いや、でもこの世界のことを考えれば、きっとあり得ない話じゃない……
『黙っちまったが、まさかもう降参か? 』
『黙っちまったが、まさかもう降参か? 』
「おいおい、流石にそれはやめてくれよ? やっと面白くなってきたんだからなぁ? 」
「おいおい、流石にそれはやめてくれよ? やっと面白くなってきたんだからなぁ? 」
「フフッ、そんなわけないでしょ…… 」
「ハハッ、そんなわけないだろ…… 」
槍とその使い手の台詞を返しながら私は痛みを堪え、
槍とその使い手の台詞に答えながら僕は痛みを堪え、
近くに転がっていたアスファルトの破片を掴む。
近くに転がっていたアスファルトの破片を掴む。
「あん? そんな石ころで何するつもりだ? 」
「あん? そんな石ころで何するつもりだ? 」
使い方が合っているのかは、分からない。
使い方が合っているのかは、分からない。
だが、コレが逆転のきっかけになる可能性は高い。
だが、コレが逆転のきっかけになる可能性は高い。
どうせこのままじゃ、負けるんだからやる選択肢しかない。
どうせこのままじゃ、負けるんだからやる選択肢しかない。
後がない私は破片を持った右腕を大きく振りかぶり……
後がない僕は破片を持った右腕を大きく振りかぶり……
「行くよっ!! ジェミニック・トゥワイス!! 」
「行くぞっ!! ジェミニック・トゥワイス!! 」
教えてもらったキーワードを叫びながら、勢いよく敵に向かってぶん投げた。
教えてもらったキーワードを叫びながら、勢いよく敵に向かってぶん投げた。
『俺らに石投げってナメてんのかぁっ!? 』
『俺らに石投げってナメてんのかぁっ!? 』
「まったくだぜっ!! こんなもん打ち返して…… 」
「まったくだぜっ!! こんなもん打ち返して…… 」
敵は私の子供みたいな攻撃に呆れながら、槍で打ち返そうとする。
敵は私のガキみたいな攻撃に呆れながら、槍で打ち返そうとする。
だが……
だが……
“Twice complete” ヴィンッ!!
“Twice complete” ヴィンッ!!
「なにっ!!? 」
「なにっ!!? 」
『増えただと!!? 』
『増えただと!!? 』
そう、増えた。割れたわけじゃない。
そう、増えた。割れたわけじゃない。
私のグローブから英語の音声が鳴ると同時に、投げた破片が
僕のグローブから英語の音声が鳴ると同時に、投げた破片が
二つに倍増した。
二つに倍増した。
トゥワイスの意味は“二倍”。だから触れた物を二倍にする。コレがおそらく……
トゥワイスの意味は“二倍”。だから触れた物を二倍にする。コレがおそらく……
私の“黄道神能”だ。
僕の“黄道神能”だ。




