友情(仮)develop with 双凛 Part3
-昨夜の鴉根宅-
”俺がフタリさんを意識し始めたきっかけ? それは……俺自身からは言えないな。”
”なんでだよ? もし元の世界に戻ったら、多分そっち側の彼女やお前ははいないんだぞ? だから、今のうちお前から聞いとかないと知る機会がない。 ”
”うーん。まぁ、それもそうなんだが……じゃあ、最後まで彼女から同じこと言われなかったら教えてやるよ。”
”ん? なんか言われただけで惚れたのか? ”
”チョロい奴みたいな言い方すんな。一応自分のことだぞ……でもまぁ、そう言うことだ。俺と同じこと言われる可能性は低いかも知れんが、頭の片隅に置いとけよ。俺から俺に伝えるべきことじゃない気がするし…… ”
「”あなたらしさ”を……鴉根オサムらしさを見つけて、強くなってよ。」
ああ、きっとこのことだ。
彼女が俺を二発も殴った女とは思えない優しい微笑みで語りかけた言葉。
俺にこの価値観のくだらなさを気づかせた言葉。
一瞬で俺の重荷を無にした言葉。
親友のフタリや俺ですら気づかなかった俺の弱みを、出会って半日しか経っていない一人の女の子がその言葉で、真っすぐな瞳で教えてくれた。
「あーっ、もうっ!! 自分が馬鹿馬鹿しいな。」
俺は大声をあげて迷いや後悔を頭から吹き飛ばす。
「でしょ? というか第一、槍飛んできたことを叫んで教えてくれただけで十分だったんだよ? 無謀に飛び込んで来るより、私に避けさせようとするのが普通なんだから、全然反省なんてしなくていいっ。まぁ、避けれなかったのは確かだからアユリにはマジ感謝だけど…… 」
なんか俺のことぶん殴った割には、フォローがすごい手厚い。
荒々しいんだが、優しいんだか……面白い人だな。
もしフタリや薄明さんと一緒に4人で同じ世界でツルめたならどうなってたんだろうか?
もうこの人とは、あと少しで会えなくなるのだろうか?
そう思うとなんだかすごく……
「そうかこれが…… 」
俺は胸に手を当てそれを確信する。
「ん? どうしたの?」
「いや、なんでもない。それよりさっきの話だけど、あれは俺らしかったかも知れないけど叫んだだけじゃ、君を救えなかったのは確かだ。」
「だからそんな反省はもう…… 」
やめろ。また拳を構えるな。
分かってる。分かってるから。
「だから、反省じゃなく挽回するよ。さっき助けれなかった分、君を手助けする。こっから一緒に立ち向かおうぜ……フタリさん? 」
「フフフッ……やっぱりあなたも鴉根オサムねっ。頼りにしてるよっ!! 」
その掛け合いと共に俺たちは再び敵の方を向く。
俺はここで彼女を逃すべきなんだろうが、思ってしまった。
一緒に戦いたいと……いや、少しでも二人で一緒にいたいと。
きっとこれが、俺の青春で……最初で最後の恋煩いだ。




