表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/188

友情(仮)develop with 双凛 Part2



 「ありがと、でも大丈夫。アユリも気絶してるだけ。」


 私は近くに来てくれたオサムくんに今の状態とお礼を伝える。

 私と敵が話している間に後ろから忍び寄り槍を引き抜いていた彼のおかげで、軽めとはいえ一撃浴びせることができた。これでまた少し時間稼ぎも出来る。


 「なら、良かった……それとゴメン。」


 彼から唐突に謝られた。なんで?

 今攻撃されずに済んでるのは彼のおかげなのに。


 「さっき助けられなかった。男の俺が動くべきだった。なのに……動けなかった。」


 そっか、槍が飛んできた時のことを気にしてるんだ。

 先に動いたのは女の子であるアユリだったから、それで余計に。

 まったく、この男はどっちの世界でも……


 「もし薄明さんがいなかったら今頃…… 「えいっ。」 バコッ!!


 「フブッ!! 」


 私は反省&後悔中オサムくんの頬に拳を入れる。


 「イッタ……えっ!? ここで暴力? 」


 「違う、体罰 」


 「いや、どっちも同じ……でも、今の俺は殴られて当然か……「おりゃっ。」バコッ !!!


 さらに私は別の頬にもう一発鉄拳パンチ。


 「グハッ!!! またっ!? なぜっ!!? 」


 「なんでだと思う? 」


 痛そうで不思議そうなオサム君に聞き返す。


 「それは、俺が女性を守るべき男として失格……「もう一発イク? 」


 私はまた彼に向かって拳を構える。


 「い、いえ、結構です……。でも、分からない。なんで……? 」


 まだ彼は私の怒っている理由に気付いていない。むしろ謎が深まったような顔をしている。


 「ハァ……じゃあ、あなたの言う通りだとすると私を助けてくれたアユリは男らしくて、女の子としては失格なわけ?」


 「あっ、いや、それは……。」


 オサム君は私の新たな問いに戸惑いを隠せず、下を向く。

 私の世界で同じようなこと彼に怒った時もこんな顔をしてたっけ……


 「なら、さっき私を守ってくれた理由は男としての義務感から? 自分が男だから助けてくれたの? 」


 「……いや、違う。」


 「うん、あなたの意志で、やってくれたことでしょ? 」


 私は彼に自分の動機をしっかりと認識させる。


 「自分を犠牲に俺たちを逃がそうとした君をほっとけなかった。あっちの俺のためにも君を守りたいと思った……ああそうだな、俺の意志だ。義務感なんかじゃない。」


 「だったら、”男らしく”とか”女らしく”なんて言う時代遅れを気にして、うじうじヘコまないっ。だから戦うにも、反省するにもそんなのに囚われず……」


 ”男らしく強くなる”


 幼い頃から人気者だった彼が自分を好いてくれるみんなを守れるようにといつの間にか抱いた目標。

 だけど、その曖昧で偏った目標が鴉根オサムを強くし、鴉根オサムを弱くしたことを私は知っている。

 自分は明らかに計算が得意な知的タイプのくせに、無謀な特攻や身を挺した自己犠牲などを男らしい理想とし、それが咄嗟にできない自分を無駄に責めていた。

 だからある日、私はあっちの世界で彼を引っ叩き、間違いに気づかせた。抱えていた無駄な弱みを捨てさせた。

 でも、この彼は私に会っていない。まだ間違いに気付いていない。故に弱い。

 ならば私はちゃんと伝えるべきだ。あっちの彼にも送ったこの言葉を……


 


 「”あなたらしさ”を……鴉根オサムらしさを見つけて、強くなってよ。」

 


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ