友情(仮)develop with 双利 Part3
『フハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!! この俺、馬神槍の力を得た鹿谷ヤマト、略して馬鹿谷モードの攻撃を耐えられるかな!!? 』
なんだあの槍? 開いてからめっちゃ喋るじゃん。しかも使い手、と言うか飼い主に似て馬鹿っぽい。
「だから、誰が馬鹿だ!? 今すぐバキ折ってやろうか!!?」
なんか喧嘩始めたぞ。でもホントにそうしてくれると助かるな。武器なしなら少し勝ち目が見えるかもしれん。
しかし喋る槍に、漫画みたいなビリビリ本気モードか……どんどん現実離れが加速して行くな。しかもこのシュールな光景のせいで絶体絶命のはずなのに緊張感に欠ける。
「おい、フタリ。あんなんだけど、油断大て…… 」 ドカッ!!!! ガァンッ!!!!
オサムの言葉が途中で鈍い打撃音に遮られた。
「えっ? オサム? 」
横を向くと隣にいたはずのオサムの姿がない。
代わりにいたのは……
「ハハハハッ!! ”やられたらやり返す”って奴だな!! 」
『倍のダメージで済んでりゃいいけどなっ!! フハハハハッ!!!! 』
さっきまで目の前で喧嘩してはずの槍使いが高笑いと共に隣にいた。
「なんでお前が!? オサムはっ!? オサムはどうした!!?」
「ん? あいつならそこでぶっ倒れてるぜ? 」
「なっ……!! 」
敵の親指が指したガードレール方を見るとその近くでオサムがうつ伏せになっていた。
「おい、オサム!! オサムっ!!! 」
マズい。血が出ている様子はないが、呼びかけても反応がない。生きてるよな? 大丈夫だよな? とにかく近くに……
『おっと! 行かせねぇぜ? 』
オサムの方に飛び出そうとした僕だったが、行き先を槍によって塞がれてしまう。
「クッソ!! お前らオサムに何したんだ!!? 」
僕は怒りを露わにしながら問いただす。
「だからやり返したんだよ。あいつが俺様にやったように、後ろから一発蹴り込んでやっただけだ。」
「”だけ”って…… 」
軽く言ってるが、どう考えてもそんな表現では済まないレベルのダメージを与えている。
しかも、あの一瞬で後ろに回り込んで蹴りを入れただと? 僕に攻撃し続けた時のスピードでもそれはあり得ない。ってことはつまり……
「手加減なしってことか…… 」
「フッ、 残念だが俺たちの本気はこんなもんじゃない。”脳ある方は尻を隠さず”って奴だ。まだ三割も本気出してないぜ? 」
『そうだそうだ!! 精々50%ってところだぜ? 』
どっちにしてもまだ本気じゃないのは絶望的衝撃だが、こんな馬鹿共に人生終わらされてたまるかという気力も湧いてきた。




