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unknown 祇峰双凛



 「あの……いまさらって感じだけど、二人は男の祇峰フタリがいる世界の二人だよね? 」


 「やっと、気付いた? 」

 「やっと、気付いた? 」


 最初に来た道を走って戻りながら、俺と薄明さんはフタリさんからの待ち兼ねた質問に声を合わせて答える。

 

 「いや、いつ言おうか迷ってただけで実は結構前から気付いてた。仲良いはずなのに私のこと”君”とか”あなた”って呼んでたし…… 」


 どうやら3人とも確認のタイミング見失ってただけみたいだ。

 フタリに二手に分かれろって言われた時、咄嗟に自分が向いてた方に走ったんだが……組み合わせまで考えてなかった。さっきまではこの女性版フタリを知ってる俺がいたからよかったが、それがいない今彼女とはほぼ初対面である。

 初対面との逃走。命懸けとはいえ、まあまあ気まずい。病院側に走って行った俺たちも今頃こんな感じだろうなぁ……


 「今そこを気にしても仕方ないよ。聞きたかったのは、二人ともやってる部活はこっちの世界の自分と同じなの? オサムくんは剣道で、アユリは水泳? 」


 「ああ、同じだな。」

 「うん、同じだよ。」


 つまり、三人共運動部。それなりに逃げる体力があることを、彼女は確認したかったらしい。


 「なら、逃げきれないことはなさそうね。もし追いつかれても私とオサムくんならある程度戦えるかも。」


 「あれ? 私戦力外? 」


 薄明さん水泳部だしな。俺も竹刀無いからなんとも言えないが。


 「オサムくんは武器なくても競技的に立ち回りは効きそうじゃん。でもアユリの特技はクロールとか背泳ぎでしょ? 戦うのはどうかと…… 」


 確かに彼女を前線に出すのはアウトだ。俺たちでさえ瞬殺されかねない相手の可能性もある。絶対やめた方がいい。


 「ナメないでよ二人ともっ!! 私バタフライもできるよっ!! 」


 違う。そういうことじゃ無い。


 「もうっ!!どっちの世界でもこの子の天然は…… 」 ビュンッ!!!!


 女版フタリの言葉を何かの音が遮った。


 「なんだ? 風? 」


 前方を確認した俺たちは一斉に立ち止まって驚愕する。


 「……マジかよ。」


 追いつかれた。

 5分も走ってないのに。

 というより追い抜かれた。

 風と思えるくらいの一瞬で。

 予想はしていたシチュだったが、その速度が……あまりにも絶望的だ。



 「さぁ、俺様にじっくり殺されろや…… 」

 


 そう言って、速すぎる槍使いは俺たちの方に武器の先端を向けた。


 


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