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邂逅世界の夜明け a different the table than usual


 

 「「おはようっ!! そして!! おめでとう!!!!!さぁ、ローソク消して♪ 」」


 5月22日 午前7時半

 リビングで僕ら4人が食卓を囲んでいる。

 もちろん理由は朝食……のはずなのだが、


 『今朝の献立紹介コーナー』


 ・主食   白米

 ・おかず  納豆 目玉焼き

 ・汁物   白味噌汁

 ・デザート バースデーケーキ 6号サイズ(双利用)

       バースデーケーキ 6号サイズ(双凛用)


 はい、料理人からのコメントどうぞ。


 「「昨日寝つけなくて暇でねー、作っちゃった♡ 」」


 ちゃったじゃねぇよ、何でだよ。夜中に暇つぶしで作るもんじゃ無い。

 しかも一人ひとつでこのサイズって……ご丁寧に”happy birthday フタリ”って書いたチョコプレートまである。よく作ったなこれ。

 

 「「火消さないの〜? あっ、そうか、ゴメン電気消してなかったね♪ 」」 パチッ


 そういう問題じゃないし、朝日で明るさもほぼ変わってない。

 ケーキは出すなら普通夜だろ。納豆とケーキとか絶対初対面だぞ。何で邂逅させちゃったんだよ。バッドマッチが目に見えてるから超気まずそうだよ。気まずそうだし、不味そうだよ、その組み合わせ。


 「ちょっと、冗談でも”マズい”とか言わない。 私も時間と組み合わせはどうかと思うけど。とにかくせっかく作ってくれたお姉ちゃんに謝らないと……切るよ? 」


 「マジすみませんでした。お姉様方。」


 隣の彼女に怒られた。と言うか脅された。

 今は僕の発言が悪かっだが、”切る”って超効果的脅しを十八番にしないでね。朝飯中だし余計に。


 「「それはいいから、いいから♪ 今から病院行くんでしょ? 友達待たせたく無いならローソク消して早く食べましょ☆ 」」


 突っ込みどころは大量にあるし、この歳になってローソク立てて祝われるのも恥ずかしいのだが、そんな満面の笑みで言われては無視はできない。

 僕は隣の女とアイコンタクトを取り、


 「せーの、フーッ!!」

 「せーの、フーッ!!」


 それぞれ小学生ぶりの懐かしアクションで17の火を消した。


 「「はい、17歳おめでとっーーーーーーーー!! じゃあ、いたただきましょっ♪ 」」


 「ありがとう姉貴、いただきます。」

 「ありがと、お姉ちゃん、いただきます。」

 

 そして4人はアンバランスモーニングに手をつけた。

 とりあえずケーキは後回しに……




 「あなたも、おめでと。 」





 突然、隣から祝われた。朝飯食べながら、素っ気なく。


 「ああ、ありがとう……って、いきなり何だよ。自分同士だろ?」


 「別に。ただ、世界が元に戻るならあなたとも数日ぐらいの付き合いなんでしょ? 夢見なかった?自称神様の。」


 ”お前も見たのか!? ”って聞き返す程の驚きは特になかった。

 同じ夢を見るなんて運命的偶然も自分同士なら納得し難いものではない。


 「ああ、たぶん同じようなの見た。確かにそこでも勝手に世界は元に戻るとか言ってたな。」


 昨日見た夢なんてぼんやりしてほぼ覚えてないもんだが、思い出そうと思えば正確に思い出せるあたり、やはり普通の夢ではないみたいだな。


 「それならコレがあなたとの最初で最後の誕生日ってこと。それなら祝いの言葉くらいあげてもいいかなって思っただけ。昨日のやりとりも、その……バカみたいで結構楽しかったし。」


 照れ隠しのつもりか、こっちを見ず食事から目を離さない。


 「ハハッ、僕は命の危機だったけどな。でも今思えば笑えるか。で、なんだ? 寂しいのか?」


 「たった半日程度の付き合いで思い上がるな。やっぱ切るよ?」


 やめて、許して。ケーキのナイフ構えないで。


 「ただ最後って思うと感慨深く思ったから言っとこうと思っただけ。それに夢見た感じ私たちの関係もただの自分同士って訳じゃ無さそうだし…… 」


 ああ、確かに。昨日の姉貴や夢のアイツは僕らが自分同士という予想を否定したがっていたように思える。

 ただそれ以外の関係が全く心当たりがないし、思いつかない。

 

 「姉貴は教えて……くれないんだったよな。僕らのこととか、夢に出てきた神っぽい奴との関係とか。」


 「「うん、ダーメッ♡ 言ったでしょ? 自分たちで気づいて欲しいって♪」」


 やっぱか。


 「ハァっ、仕方ない。それは今日アユリ達と一緒に考えましょ。」


 そうだな。人数が増えれば何かいい仮説が立てれるかもしれないし。

 

 「ま、それはそうとお前に返さないとな。」

 

 「えっ? 何を?」


 僕は返しそびれていた祝いを目は合わさず、空の茶碗を片付けながら伝えた。





 「その……誕生日おめでとう……」





 

 「……なに? 照れてる? 照れてるの? 恥ずかしいのにサンキュね、トシトシぃ? 」


 「うるさい。てか人のこと言えねぇだろ、リンリンさん? ほらケーキ1切れだけ食って病院行くぞっ。」


 そんな赤面やりとりを終えて、残りのケーキを冷蔵庫に入れた。

















 

 「「フフッ、思ったより心配なさそうじゃん。 来年も()()()()()祝おうねっ…… 」」

 






 


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