表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/188

祝福 in……last birthday 



 「「0時だよ!! 祇峰家集合で……happy birthday!!!!!! おめでとう!!!! トシトシ&リンリン〜〜〜〜〜〜 ♪♪」」

 

 私たちの部屋にお姉ちゃんが二人も突撃してきた。

 真夜中なのにクラッカーを鳴らして、大声でお祝いするという近所迷惑極まりない身内に言われて気づいけど、もう超常の翌日。5月22日である。


 「そっか、私の誕生日か…… 」

 「そっか、僕の誕生日か…… 」


 この超異常事態と年齢のせいで全然意識してなかったな。17歳っていう特に権利が増えない中途半端な年齢のせいもあるんだろうけど。隣の私もそれは一緒みたいね。


 「「しかしもう17歳かぁ♪ トシトシぃ、本屋さんの奥の暖簾潜るのはあと一年我慢しなよ☆ 」」


 ごめん、やっぱ一緒にしたくないや。


 「やめろ、”おめでとう”の次になんちゅう警告してくれてんだ。3姉妹で僕を辱めるな。」


 どうやらお姉ちゃんにも同じような理由で揶揄われてるみたいだ、男の私は。


 「あと、リンリン? 誕生日関係ないけど、ドアの前でスタンバってたらたら聞こえたから言っとくね♪」


 えっ、何?


 「恋なんて人それぞれなんだから気にしな〜いのっ☆ 」


 「う、うん 」

 

 ……まっ、お姉ちゃんの言う通りか。別に好きなことには変わりないからあまり気にしないでおこう。いくら自分とは言え、歩んできた人生や抱く感情は違うんだろうし。

 お姉ちゃんたちがあのタイミングで突っ込んできたのには私の必要のない発言訂正をやめさせようとしたからかもしれない。だとしたら感謝しなきゃだけど、でもやっぱり……


 「え? なんの話?」


 「うるさい。念願の18歳まで黙っときなさいよ、変態。」


 「なんで!?しかも一年も!!?」


 素直にお姉ちゃんの言葉を受け入れるかでモヤモヤしてる最中、なにも理解してない男が首を突っ込んできたので、八つ当たりしつつ会話から追い出した。

 私ならもうちょっとデリカシーを覚えなさいよ。


 「「しかし二人揃っての誕生日って、まるで双子みたいだねぇ♪」」


 「瓜二つがそれを言いますか?」

 「瓜二つがそれを言いますか?」


 流石、自分同士。綺麗に二人同時でツッコめた。

 だって誰がどう見てもお前らが言うな状態でしょ、コレ。

 それどころかこの世界じゃ最も双子から遠いはずだよ、私たち。


 「「まぁ……そりゃ、そうだよね。」」


 なんでちょっと悲しそうなのよ。うまく言い返されたから?


 「「ところでちゃんとお話ししたの? 二人きりで♪」」


 あ、元に戻った。


 「ええ、話はちゃんとしたわよ。いろいろあって、バカで思春期で変態って事が分かった。」


 「おい、ありのままを話すな。」


 じゃあ、嘘ついたげる。

 言葉の切り返しが上手くてー、エロ本なんかに興味なくてー、アユリの心だけに惚れててー、ドヤ顔でB……


 「すみまっせん!! 僕が悪かったです!!」


 思いっきり土下座されたよ。内容が内容だからそれぐらいは当然か。


 「「アハハ、仲良くはなれたみたいだね♪」」


 「これ仲いいの? 弱み握っただけだよ?」

 「これ仲いいの? 弱み握られただけだぞ?」


 私たちにはそんな仲良くなったなんて実感がない。だって軽蔑くらいしかしてないし。


 「「そんなんでいいんだよ☆ 何でもいいからお互いを知るだけでもね♪ あとはこの調子で気づいてくれればっ…… 」」


 「気付く? 何に?」

 「気付く? 何に?」


 最後の意味ありげなセリフに引っかかる。本当に何を知ってるんだろ?この二人。


 「「間違いかな? 今のままじゃ不正解なの。だから……もう少しお話ししてみて♪ 自分たちで気づかないときっと意味ないから。」」


 お姉ちゃん達は真剣な表情も混ぜつつ、玄関前の時みたいに私たちにヒント?みたいなものを提示した。でも相変わらず全く意図が読めない。

 なに? 今の超常推測は間違ってるの?


 「「うーん、世界目線なら80点かな。まぁ、私目線なら10点もないんだけど……でも、私は気づいてくれるって信じてるよ? 家族のためにも来年からの誕生日のためにも♡」」


 「えっ、なに? 余計わかんなく……」

 「えっ、なに? 余計わからなく……」


 「「フフッ、とりあえず一回アユリンとかオッサム交えてお祝いやら相談やらしてみなよ♪♪ 基本世界は勝手に元に戻るから気軽に家族とかお互いのことをね♡」」


 この二人”なにを知ってるか”って言うよりはもう全部知ってるとしか思えない。

 なのに答えどころかヒントと言えるヒントを教えてくれる様子がない。

 自分達で気付くことに意味があるって何のこと? 世界は本当に元に戻るの?あ〜、お姉ちゃんが口を開くたびに謎が増えていくよ。


 「「まぁ、今はベッドに入りな♪ 二人とも丸一日寝てたとは言え驚き過ぎて疲れたでしょ? 考え事するなら明日……っていうかもう今日だけど後回しにして、ゆっくりおやすみ♡」」


 そう言い残して、二人一緒に部屋から出て行ってしまった。また私たちに”?”だけ増やさせて。

 てか丸一日寝てたのも彼と一緒なんだ。やっぱあの二人の情報交換速度すごい速いな。まだ二人になってからそんなに時間経ってないのにほとんど情報共有しているように見えた。

 

 「よくわからんことだらけだが……とにかく今はやれることないし、混乱した頭もリセットしたいし、姉貴達の言う通り寝るか。」


 確かに不安やら疑問が渋滞状態でなにを考えたらいいかがすぐ出てこない。一旦落ち着くべきなのは確かだ。


 「そうね。私も同感。じゃあ、まず廊下にその手作りベッド運びましょうか。」


 「えっ、僕部屋の外で寝るの?」


 もちろん変態と同じ部屋では寝たくない。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ