祇峰フタリ returned home with フタリ Part4
「アユリでしょ? 眼鏡女子のアユリでしょ? あなたの想い人、薄明アユリさんを想像してなんでしょ? 」
……
「いやぁ、これで好きな子とか言われてもねぇ。透明度無さ過ぎよねぇ…… 」
…………
「年頃とは言え、友達を6冊分そういう目で見ていた分かればただでは済ませれないよねぇ…… 」
………………
「やっぱ、親友には出来る限り純愛で幸せになって欲しいからねぇ…… 」
……………………
「ただの***扱いして、別の***と****してるとこ想像して****してるド変態野郎と一緒になっても……「いや、そこまでは無い!!!!!!!!!!!!!!! 」
いままで正座状態でぐうの音も出なかった僕だったが、あまりの伏字ラッシュにとうとう言葉を遮って反論に出た。
「あら、まだ私の正論タイムなんだけど? 喋りたいなら今のうちに自分の局部に別れでも告げときなさいよ。」
うるせぇ、僕とこいつとは何があっても生涯セットで生きてくんだよ。
てか、まだ切るつもりなの?
「当たり前じゃん。男の性欲の権化はそれでしょ? だからその欲さえなくなればアユリもあなたも純愛の道を進めることになるの。むしろチャンスを与えてるんだから感謝しなさいよ。」
クッソ、やろうとしてる事は異常だが、理由が友達思いで真っ当なだけにツッコミにくいじゃねぇか。
「さっきも言ったけどあなたは私、私はあなた。ならあなたの罪は私の罪。だから自分の罪は自分で裁くわ……切り落としましょう。」
だからそんなカッコいいフレーズは後に取とっけよ。 絶対こんな場面で使っちゃダメだよ。
「あっ、”裁く”と”捌く”がかかっていい感じじゃん。我ながらうまいこと言ったものね。なら三枚おろしのほうが”捌く”っぽいかな?」
やめろ、どうでもいいことで恐怖を倍増させるな。
よく自分相手にそんなエグいことを言えるな。本当にコイツ、俺なのかよ? 信じられなくなって来たぞ。
「切り方なんてどっちでもいっか。さっ、覚悟はできたっ? 」
あぁ、カッター構えながら迫ってくるよ。このままじゃ本当に刈られるよ。
何か打開策は……いや待てよ? あいつが言った通り、たぶん俺はコイツで、コイツは俺。ならもしかして……
「どうする? 自分のものとは言え、そんな汚いモノは見たくないから……ズボンの上からいこっか。そうしよっか♡ 」
よし、この手しかない。本当にあるのかは分からんがもう一か八かだ。
「では、覚ご…… 「させるかぁーーーーーーーーーーーーーー!!」
僕はそう叫びながら凶器を振り上げた瞬間を狙って、後ろのピンクベッドの方へ勢いよくスライディングした。
「うわっ!!? イッタいっ!」
突然の滑り込みに驚いた彼女はバランスを崩して尻餅をつく。
その隙に僕はベッドの下へ手を伸ばし、それらを掴みとった。
「あっ、それは…… 」
立ち上がった僕は掴んだ数冊を倒れている彼女に突きつける。
やはりお前もベッドの下に隠してたか……後ろめたい本達を!!!!
「何度もお前言ってたように俺はお前でお前は俺。そして俺が変態なら……お前もそのはずだよなっ?」
堂々と恥ずかしげもなく二人の自分を変態宣言した。
お察しの通りプライドなんてカケラも残っていない。ただそれと引き換えに復讐に十分な機会を手に入れた。
「さぁ、さっきはよくも辱めてくれたなぁ。お前も順番に読み上げてもらおうか!!!」
待ちに待った下克上タイムのスタートである。
「えっ、それ大丈夫……? 」
「何がだよ? ほら早くしろよ。」
なぜか心配されたが、まぁスルーしていいだろ。
まだ表紙は見てないがどうせ僕と同じような……
「じゃ、じゃあ読むわね。えっと右から『野球部二人で****』…… 」
え?
「次が『交わる二つの******剣』…… 」
あれ?
「その次が『*******男と*********男子』…… 」
ねぇ、ちょっと?
「後それが『男同士の**************************………
「ストップ!! ストップ!! えっ?ちょっ、これって…… 」
てっきり僕と同じような本をコイツも持ってるはずだとと思って読み上げさせたのだが……内容のベクトルが予想の完全斜め上である。
「もういいの?じゃあ返してよ、私のBL本。」
「ああ、BL……えっ、BL!!?」
あぁ、調子に乗り過ぎた。最初に表紙を確認すべきだった。
「このネタで……下克上できるの?」
ま、まぁ、つまり、なんとも言い難いが、まとめると、どうやらあっちの世界での俺はいわゆる……腐ってるらしい。




