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祇峰フタリ returned home with フタリ Part1



 「結局、何が言いたかったんだろうな。」


 「うーん、 お互いを知れって言われても自分自身だしね。」


 私たちはお姉ちゃん達が言い残した言葉の意味を考えながら、自宅に上がった。

 まさか自分とはいえ同い年の男の子をウチに入れる事になるとはね。初めて招待するならオサムくんが良かった。

 ほら、ここからは聖なる女の子の領域よ。”お邪魔します”は?


 「招待って、お前と同じで僕にとってもこれはただの帰宅だからな? ”ただいま”しか言わねぇぞ。あとオサムなら僕が何回もこの家に入れてる。」


 「なっ? まさか私より先にオサムくんと組んずほぐれつ…… 」


 「してねぇよ!! ただゲームしに来たんだよ!! なんでさっきからお前基準で話が進むんだよ!?」


 ああ、そっか。私のやりたい事もやってきた事もこの私とでは結構違うんだもんね。

 私なんだか別人なんだか、かなりややこしい。


 「よく考えたら、私があなたのことで知ってる事ってあんまりないのかもね。」


 「あー、確かにな。言われてみれば家族とか誕生日とかの基本プロフィールが被るくらいか。性別が違うから交友関係にも差が出てるみたいだしな。」


 人間関係の差。

 今わかっているだけでも、アユリとオサムくんの立ち位置が違う。

 ここが異なるなら必然的に私の重要な恋の思い出が目の前の私にはない事になる。

 逆に多分あるであろう彼の恋の思い出を私は知らない。


 はじめての出会い。

 隣同士を願う席替え。

 一緒にやった委員会活動。

 必死に応援した体育祭。

 ドギマギしたクリスマス。

 結局義理化したバレンタイン。

 まさかの図書カードを送ってきたホワイトデー。


 きっとこんな共通青春イベントにおいても役者やシチュが丸々異なる。


 「お姉ちゃんの言う”お互いを知る”って、意外と価値がありそうだね。面白そうだし。」


 「そうだな。少し話してみるか。」


 「うん、そっちのオサムくんのこと教えて♡ 」


 「お前僕の17年でそこしか興味ねぇのかよ。まぁ良いか、じゃあ僕にはアユリさん中心で……」


 しまった。頭から抜けてた。

 この後のトーク内容を決定したところで二階の奥に辿り着き、私の部屋の扉を開けたのだが……


 二人揃って絶句した。


 いや、さっきも少し話題にも出たから予想していたといえば、予想していたのだが忘れてた分衝撃だった。

 

 「ハァ、そういえば姉貴が”一緒に片付け”とか言ってたな。」


 「ええ、そうだった。あー、もぉー……」



 「メンドくさいっ!!!! 」

 「メンドくさいっ!!!! 」



 私たちは口を揃え、おそらく二人分の家具や本で気が遠くなるくらいグチャグチャになった部屋に向かって愚痴を零した。


 

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