祇峰フタリ returns home with sisters
「はぁ、なんでこんな事になったんだろうな?全く分からん。 」
病院からの帰り道を歩く祇峰家4人組。
構成は、私 + 私(♂)+ お姉ちゃん × 2 = 4人 って事になるけど、現象から半日も経ってないのにこの式にあまり違和感を覚えない。一応は自分自身と家族だからかな? 出会ったばかりの二人にも何処か親近感が湧く。
「ホント謎よね。解決策考えるって言ったけど先に原因がわからないと。 」
私もぼやく彼に同調する。
家に帰って解決策を練ろうにも、今分かってる情報は世界の分岐基準だけ。
そもそもの分岐理由も、今回の世界合体の原因もまだ完全不明なままじゃどうしようもない。
「「きっとどうにかなるんじゃなぁい? それより出会えないはずの相手との生活を楽しもよっ♪」」
あの、お姉様方?
なんでそんなに楽観的になれるんです? 病院で世界中大パニックなニュース見なかったですか?
「「大丈夫、大丈夫。今後の平和はお姉ちゃんが約束してあ・げ・る・か・ら♡ 」」
「ダメだ、姉貴はもういろんなところ手遅れだ。」
「あ〜あ、せっかく見直したばっかりだったのに。」
私達は姉達の発生源不明な自信過剰に呆れ果ててしまう。
夕方のカッコよくお姉ちゃんしてくれたお姉ちゃんはどこへやら。
「「でもぉ、お互いちゃんとお話しないとダメだゾ? せっかく出会えた家族なんだから仲良くならないとネ♡ おウチではお姉ちゃん達、邪魔しないからサッ♪」」
もうっ! なんで世界以上に私たちの仲を重要視してるの?
家族って言われても、結局自分なんだから特別仲良くなる必要もないでしょ。
「「さぁて? どうかな? でもそれじゃあ……あとで後悔するよ。」」
「えっ…… 」
「えっ…… 」
相変わらずのハイテンションの中に一瞬、真剣な表情お姉ちゃんが見えた。
今日私を怒った時の真っ直ぐなあの表情。でも怒ってるようには見えない。何かを忠告するような感じの……
「お姉ちゃん、何か知ってるの?」
私は病院から薄々思っていたことを聞いてみた。
やっぱりこの二人の言動には少し違和感を覚える。
「「さぁね? 知ってたとしても私からは言えないかなぁ☆ 」」
「イイ加減にしろよ! どうしてだ? 世界がこんな大変なんだぞ!? 何か知ってるなら…… 」
お姉ちゃんの発言に男の私はイライラを爆発させる。
この二人が何か知ってるのはどうやら確定みたいだ。でもなぜか教えてくれない。
お母さんの状態からしても、ここまでのパニックが起きている原因が私達や家族にある可能性が高いのはお姉ちゃんも分かっているはずなのに。
だから何も教えないのは祇峰家としてさすがに無責任すぎる。ここは私も
「そうだよ!いい加減にして!! 世界がどうなってもイイの!? 」
「「別にイイよ。家族の方が大事だし。」」
……あまりの即答に私たちは言葉を失う。
「「家族に比べたら世界なんてどうなっても良いよ。どこまでいってもほとんどが赤の他人なんだし、そんな人達を最優先にはできない。もちろん救わなくて良い理由はないけどね。でも世界のこと以上に自分のこと、もう一人のこと、お父さんのこと、お母さんのこと、私のことを考えて欲しいって、知って欲しいって、思ってる。」」
真剣な面持ちではっきりと世界を二の次にしろと言った。
相当自分勝手な発言だ。この世界の人間として失格とも思える。
でも家族としては……
「「まっ、それなりの期間で世界が元に戻ることは本当に保証してあげるから大丈夫。 でも今のままじゃ、完全には戻らない。このままじゃ大切なものが消え失せてしまうの。」」
……
「「フフッ、まだ何言ってるか分からないよね。そのうち分かると思うから今は耳に入れとくだけで良いよ。でもとりあえずはまずお互いを知ること、関わること。それが家族を救う糸口にも、世界を救う糸口にもなるから。」」
家族を救う……?
私たちに救われることなんてあるの?
それにお互いを知るって、相手は性別違うだけの自分自身な訳だし……
「「まぁ、ゆっくり……とは言ってられないけど、もう少し二人で考えてみなよ。 ほらもうウチだよ。私たちは邪魔しないから、お部屋でゆっくりお片付けでもしながらねっ♪ 」」
そう徐々にテンションを戻しつつ、多くの謎を振りまきながら私たちの家に二人揃って入っていった。




