We are 分岐点 後編
「「あららっ♪ いっつの間にか10時回ってるじゃん☆もう帰ろっか? こんな事起きてるからおウチの人心配してるよっ♪ トシトシ&リンリンも、お母さんのことはお父さんが一緒に泊まってくれるらしいから今日は一旦帰りましょっ。」」
結局不毛としか言いようがない呼ばれ方論争は姉貴の保護者な提案で何も決まらずに幕を閉じた。
「そうだな。じゃ、明日学校で……あっ、でもこれじゃ休校確定か。」
基本”休校”という授業回避ワードには喜びを感じざるを得ないのだが、この現象の中、しかも自分達に原因があるかもしれないと思うといつも通りにテンションをあげる余裕はなかった。
「じゃあ明日は朝からここに来よっ。お父さんと交代しつつ、何か解決策があるなら考えないと…… 」
コイツも周りと明らかに違う自分に原因があると考えて、自らで収束を試みてるみたいだ。
現にこの現象のせいで多くの乱闘や事故が起こり、病院へと運ばれてきている。自分たちも二倍になったのに今も病院機能させている医療関係に全くは頭が上がらない。
だが人手は二倍でも医療器具は通常数、しかも患者は二倍どころではないとなると医療崩壊は時間の問題だ。
もし世界を元に戻せるなら、できる限り早急の解決をしなければなら無い。
ちゃんとそこの認識と責任感が一致しているならイイ協力関係を築けそうだな。よろしく頼むよ。
「OKこっちこそよろしくね、トシトシっ。」
「黙れ、リンリン。」
前言撤回。ダメだ、犬猿関係しか見えない。こんなんで大丈夫か?
「「そう言うことなら私っ……うん、私たちも手伝うよ!」」
「「俺……ああ、俺たちも頼ってくれ。」」
まったく、この親友達には感謝しかないな。
どうせ二人きりでは埒が明かない気もしたが、6人も寄れば文殊の知恵だって二倍である。何か掴めるかもしれない。
「本当にありがとう。よろしく頼む。」
「本当にありがとう。よろしくお願い。」
声を合わせて僕らは感謝を伝え、家に帰る4人を見送った。
「……やっぱり、どっちの世界でもアユリはアユリだし、オサム君はオサム君ね。」
「そうだな。」
「もう潔く好きなこと認めるけど、初対面の方のオサム君にも私ドキドキしちゃってたし。」
「ハハッ、そうだったな。」
そこはとっくに気付いてたけどな。
「あなたも恋するアユリの双子化に興奮してたし。」
「ハハッ、そうだな……ん?」
「あっ、やっぱり? そうよね、そうよね。よく考えれば私がオサム君なら、必然的にあなたはアユリよねぇ。良かった、良かった。」
「…………ああーーーーーー!? しまったーーーーーーーーーーーーーーー!!? 」
マジでしまった。完全に油断してた。病院なのについ叫んでしまった。
「いやぁ、最初からアユリ見る目が違ったから疑ってはいたんだけど……まさかホントだったとはねー。まぁ、私の好きな人だけ知ってるなんてズルかったからこれで対等にしたってだけ。イイ関係になれそうね、トシトシ?」
そんな脅し合うような汚い協力関係をイイなんて言えるか。
しかし、迂闊だった。
元々それをネタにして脅そうなんてことは思っていなかったが、そのせいでさっきまでの自分の立場が結構上だったことと握っていたものの価値にに全然気付いてなかった。ああ、折角の情報が無駄に……もっと狡賢くあれよ僕。
「「お〜い!! もう帰るよトシリン〜? 」」
先に出口へ向かった姉貴達が向こうで僕らを呼んでいた。てか略すな。まとめるな。
「あ〜あ、まっいっか自分にバレただけだし。気にせず帰るか。」
「そだね。解決策も自分の部屋の方が…… あれっ?ねぇ、あなたの部屋って、もしかして二階の奥側?」
「ああ、そうだけど? それどうしたんだ……あっ、そっか。」
そういえば、まだ確認していないことがあった。
学校の机や自転車にも同じことが言えるが、今気になるのは……
「僕の部屋、今どうなってんだ? 」
「私の部屋、今どうなってんの? 」




