超常を説く about the mysterious world 前編
「「「「で? これ、どういう事???」」」」
さて、母親の無事?を確認した私達の今の状況を説明すると、病院の休憩室で二人なのか四人なのか分からない親友四人組に容疑者扱いを受けている真っ最中である。
追求内容はもちろんと言うべきか何と言うべきか……
今回の罪状 人類を二倍にして大パニックを引き起こした件
「いや、どう考えても言い掛かりだろ!! 」
「いや、どう考えても言い掛かりでしょ!! 」
……
「超能力でもないと、こんな事できるわけないだろ!! 」
「超能力でもないと、こんな事できるわけないでしょ!! 」
……
「第一、人間二倍にする超能力なんてあるわけが……って、やっぱおまえ誰だーーーーーーーっ!!? 」
「第一、人類二倍にする超能力なんてあるわけが……って、やっぱあなた誰よーーーーーーーっ!!? 」
そう、疑われている理由はやっぱりコレである。
さっきから語尾以外のセリフが被りまくるこのコイツである。
人類が二倍になるというイレギュラーの中のイレギュラーな現象の中でさらにイレギュラーなこの女である。
この現象が世界中で起こっているという事はSNS投稿とネットニュースの速報がそれで溢れてかえっていたからスマホを見ればすぐに分かった。
オサムたちはそれのおかげででなんとか落ち着きを取り戻したみたいだ。
自分に起きた異常が世界的には通常だと分かったからだろうな。赤信号みんなで渡れば怖くないみたいな感じか?( 少しズレてる気もするけど)
それに目の前に明らかにおかしい”僕ら”がいたから、親友たちは余計安心できただろう。
男の体から女が分裂した僕が。
「あっ、いやゴメン。いきおいで誰?とか言っちゃったけど…… 」
先に隣の彼女から謝罪して来た。
誰?と言う発言をわざわざ謝って来たってことはもう確実に……
「ああ、コッチこそ流れで言って悪かったよ。それで? 君もとっくに気づいてるんだろ?」
そして彼女も僕の質問に別段驚きはせずに
「ええ。予想はついてる。あなたの正体にも、私の正体にも。」
やはり一連の出来事でお互い既に察していた。
「確信を得よっか? あなたの名前は? 」
「祇峰フタリ 。」
「私も祇峰フタリ。」
「やっぱりそうなんだよな。歳はいくつ? 」
「16歳。」
「僕もだ。」
「じゃあ、誕生日は?」
「5月の22日だ。」
「それも同じ。そういえば明日だね。そんな場合じゃなさそうだけど。」
「まっ、そりゃそうだろうな。 特別この歳になって祝われたいとも思わないし。あと聞いてないのは……家族構成は? 」
「お父さん、お姉ちゃん、お母さんと私の4人。」
「ここも同じ……ではないか。親父に姉貴に母さん、そして僕。僕ら自身が長男と次女とで違うか。」
「そうね、そこが違うからこそ。確信を得ざるを得ないんだけど。お父さんの名前は?」
「祇峰誠司 」
「お母さん 」
「祇峰真由子」
「お姉ちゃん 」
「祇峰唯芽」
「「は〜い♪ 呼んだぁ?」」
「お呼びでない……って、うわっ!? 姉貴? どこから湧いた!?」
びっくりした。いつからいたのか姉貴が出入り口の左右にもたれかかっていた。
もちろんお察しの通り、左右に一人ずつで合計二人が。
「「ちょっとぉ〜、”湧いた”っていきなり女性をゴキブリ扱いですか〜? マジ失礼だぞ☆トシトシぃ〜♪」」
さっきの説教モードから完全にいつものおちゃらけに戻ってるな。
しかも、さすがと言うべきか自分の分裂もお互いにもう受け入れてるっぽい。
なんかさっきからハイタッチとかジャンケン(ずっとあいこの)しながら喋ってるし。
「もぉー、こんなときにお姉ちゃんふざけないでよ。……ついでに聞くけど”トシトシ”って?」
やっぱ姉貴の存在も共通なんだな。
てか、オイやめろ。そこに触れるな。
「「別に単純だよ〜♪ ”利”が”双つ”で双利だから、トシトシって呼んでるだけ☆OK?リ〜ンリン♪」」
「だから、もう高2でそのダサいあだ名は恥ずいって何回も!! ……おいそこ、笑いすぎだぞ。」
姉貴にスルーして貰えなかった説明を聞いて、オサムとアユリさんが1組爆笑していた。
「い、いやー、すっきりしたよぉ、フタリくん。夕方からお姉絵さんからの呼ばれ方気になってたんだけど……状況的に……ハハッ……聞き辛くてさ……ウフフっ……」
アユリさん、腹抱えるほどツボですか?このあだ名?
しかしそんな様子とは逆に爆笑組じゃない方の1組は何故か首を傾げている。
この変な呼称に違和感でも覚えてくれたのか?
「あれっ?……”利”で双利なの? 読みは同じなのにそこは私と違うんだ…… 」
「えっ……そうなの? 」
意外なことを隣の彼女が言い出した。
「 それはオカシ……くはないのか。性別に合わせたって考えれば……あっ、もしかして”凛々しい”の ”凛”で双凛? だから”リンリン”って呼ばれて……」
「いや正解だけどそこには触れないで。 あとそこ笑わない!」
”リンリン”の謎が判明したからか、さっき笑っていなかった方の男女二人も口を押さえて笑いを堪えていた。
「お、俺も夕方から……気になってたから、つい……フフッ、ア、ハハッ!!」
結局こっちのオサムもたまらず爆笑し始めた。
お互い姉貴のセンスにはマジで苦労させられるな。
まぁ、もうバレたもんはいい。そのおかげで意外な漢字の違いもわかったし。
俺が祇峰双利。
彼女が祇峰双凛。
確かにこれなら性別が判断できそうだな。
「とりあえず脱線しまくってる話を戻そう。さっきまで質問のおかげで、もう確信までできている。」
「ええ。私も100%合ってると思う。 」
どうやらお互いにこの世界についての結論は出せたようだ。
「「「「あのー、そろそろ教えてくれない? 二人がこの分裂で気づいてること。」」」」
ああ、そう言えばあだ名の件以外、ほぼ放置してたな。この4人。
「ちゃんと説明するよ。まずこの世界、おそらく分裂が起きたんじゃない。」
「「「「えっ? 」」」」
「むしろその逆だ言えると思うのよ。」
「「「「ん? それって、どういう……」」」」
「つまり…… 」
「つまり…… 」
そして僕たちフタリは声を合わせて同時に告げた。
「僕の性別が違う別々の2つの世界が1つに合体したんだ。」
「私の性別が違う別々の2つの世界が1つに合体したのよ。」




