超常を解く by 双利
「つまり、祇峰フタリは双子だけど同じ世界に生まれ出でなかった…… 」
「祇峰フタリが男の子として生まれるか、女の子として生まれるかの並行世界じゃなくて、どちらかが生きてどちらが亡くなってしまう並行世界…… 」
「そして、その二つ世界は融合しつつある…… 」
「そして、その二つ世界は融合しつつある…… 」
「両方の世界に共通しない物を、共通しないフタリを排除しながら…… 」
「両方の世界に共通しない物を、共通しないフタリを排除しながら…… 」
まず彼女から明かされた自分たちの正体を説明した僕は、聞き手の親友二人に対して、既にそれなりの衝撃を与える。
双子の事実は割とすんなり受け入れられたようだが、自分の友の片方が自分の世界で命を落としていたという真実には、アユリさんにもオサムにも、かなり暗い表情をさせてしまう。
自分たちが介入し、阻止できるワケのないモノでも、死は死。少なくともショックは受けるだろうし、本人である僕らだって、知った直後のショックはかなり大きかった。
この世界に隠された意図……いや、そんな計算性なんて存在しない賭けを知るまでは。
「じゃあ、何故この世界は融合なんて始めたの? 全く別の世界なんでしょ? 」
「ああ、そこから先はオレ達も知らない。」
いつの間にか途中までの真実を知らされていた杉佐多と黒羽さんが、世界邂逅の原因に興味を示す。
今話したのは、二人のフタリの関係性と、並行世界における本当の分岐点。祇峰双凛が解き明かした謎である。
だから、ここからが僕、祇峰双利オリジナルの謎明かし。
彼女が解きかけた超常を引き継ぎ、最後まで解き終える番だ。
「僕が生きた世界とコイツが生きた世界、それを一つに融合している原因は……コレだ。」
僕は今四人が一番気になっているであろう答えを端的に示しながら、右の手の甲を見せる。
もちろん、そこに装着されているのは、
「え? それって…… 」
「双子座の手袋だよね……? 」
その通り。双子座のゾディアックギア、ジェミニック・グローブだ。
「でも、それにあるのは触れた物を二倍する力じゃなかった? そんなこと出来るかは百歩譲るとして、世界を二つにするなら分かるけど、二つを一つにするなんて、まるで真逆の効果なんじゃ……? 」
アユリさんが、腹の治療中に話しておいた双子座の能力と世界の現状に矛盾を感じる。
確かにこの力で世界に干渉出来るとすれば、この世界を二つに倍増させることのみなのだろう。それ以外のことは出来ないし、きっと変えようがない。ましてや、世界を減らしたり合体させることなんて出来るわけがない。
「ああ、真逆だから出来ない…… 」
だったら、この力で世界に加えられる効果は一つしかない。
「だから、ただ増やしたんだよ。君が今百歩譲った、世界自体の二倍によって。」
この力に出来ることは、何かを二つにする以外にないのだから。
「増やした……? 本当に世界を増やしちゃったの……? 」
アユリさんは僕の世界二倍の答えに信じがたさを覚える。
仮定とはいえ、自身でも口にしていた事象だったはずなのだが、こうも断言されると規模の大きさに困惑してしまうらしい。
「だけど、それ結局何も嚙み合ってないんじゃないのか? 増やしたのなら、融合しつつある今とは全くもって。」
そして、オサムは僕の答えでは解消されていない矛盾を指摘する。
ここからの答えでなければ、まだ消えない矛盾を。
「そりゃ、噛み合わないだろうな。力を使ったそもそもの目的は、融合じゃなくて分離なんだから。 」
「分離が目的……? 」
「分離が目的……? 」
「分離が目的……? 」
そう、分離。
それが本当に意図した結果なのかは判断しかねるが、発動者の願いを叶える願いを叶える方法であったことは確か。世界を二倍にした、力の発動時期である……
「今から、十七年前のな…… 」




