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失い、蘇り、そして重なる revive memories

 


 「なんで……? 私たちのこと忘れたんじゃ……? 」

 「なんで……? 僕らのこと忘れたはずじゃ……? 」


 私たちは二人のゾディアック告白よりも先にまず最後の一言に唖然とする。


 たった数時間ぶりってだけなのに、もう懐かしいとも思える私へのフタリさん呼びとフタリちゃん呼び。

 これは祇峰双凛の記憶を失い、無慈悲などなたですかをぶつけてきた親友達には出来ない呼称のはず。


 なのに、そう呼ぶってことは……


 「思い出した……? 思い出したの……? 思い出してくれたの……? 」


 少なくとも私を名前で呼んだ過去が二人中にある。

 一度は消えた思い出が、二人の仲に存在しているのだ。


 「ああ、思い出した……!! 」

 「うん、思い出したよ……!!」


 「私の名前も……? 」


 「ああ、祇峰フタリ。“凛”々しい“双”子で“双凛”だ。」


 「私の誕生日も……? 」


 「うん、5月22日だよね。」


 「中学の修学旅行も……? 」


 「あれは最高に楽しかったな。途中薄明さんが行方不明になったけど。」


 「アユリ、そのときの悪だくみも……? 」


 「あ、あれ? それは思い出せないなぁ~? 」


 「貸してた本のことは……? 」


 「あの絡みたまらなかったよねっ!! 」


 「えっ? 何の話? 」


 「オサム……知らない方がいいぞ。」



 ホントに憶えてる。私のことを知っている。二人とも本当に思い出している。



 「ゴメンな……辛い思いさせて。ずっと一緒にいたフタリのこと、忘れちまってて…… 」

 「ゴメンね……辛い思いさせて。ずっと一緒にいたフタリのこと、忘れちゃってて…… 」


 「フタリのこと……? 」


 いや、私のことだけじゃない。それだけじゃない。ただ思い出したんじゃない。


 さっきこの二人は私達フタリを同時に呼んだのだ。

 彼への親しげなフタリ君呼びで。羨ましい呼び捨てで。つまり、アユリもオサム君も……


 「私のことも、コイツのことも憶えてるの……? 」

 「僕のことも、コイツのことも憶えてるのか……? 」


 二人の祇峰フタリの記憶を、二つとも同時に持っているということだ。


 「憶えてるよ……! 思い出したよ……! フタリ君のことも、フタリちゃんのことも。祇峰フタリが二人いて、私達の目の前で出会ったことも。」


 「ああ、この力に目覚めた途端、忘れてた二人とのそれぞれの思い出が同時に流れ込んで来たんだ。どっちも十年来なおかげで一気に老けた気分だが。」


 今のアユリとオサム君の言葉で記憶の蘇った理由を理解する。


 そっか、ゾディアックになったからだ。

 コイハルちゃん達は、ゾディアックであるおかげで二つの世界と人類二倍下の記憶を保ってくれていた。

 だから、覚醒した親友二人も双子座である私たちを思い出してくれた。思い出を持ち続ける力を得てくれたのだ。


 「で、でも、二人ともいつどうやってその力を……? 」


 私の腕にもたれかかる彼はまだ少し細い声で両隣にいる二人に尋ねる。

 思い出してくれただけで十分で、他のことなんてどうでもいい気がするけど確かに気になる。この結界に閉じ込められる数十分前までは普通の人間だったはずだったはずなのに、いつの間にか私たち同様の覚醒をしてるなんて……


 「あー、それは…… 」

 「あー、それは…… 」

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