閃きトゥワイス true ability 前編
「うぉらああああああっ!! 」ブンッ!!
「くっ……!! 」
私に襲い掛かる馬の形をした凶刃。
心ここにあらずと言われたが、まさにその通り。直前まで全く気が付かなかった。
まだふらつくけど、やっぱり戦うしかない。とにかくまずはこの攻撃を避け……
ダッ!!
「なに、ボーっとしてんだお前っ!!? 」ガシッ
「え? 」
ビュンッ!!
ドカァーーンッ!!!!
「ふぅ……、危なかったな。」
「……どこ触ってんのよ。」
敵の攻撃を避けようとした直後に割り込んできたこの男。
また考え込んで動きを見せなかった私を見かねてくれたみたいだけど、助け方に異議あり。
年頃の女の子の体を小脇抱えるなんていろいろ触れて、いろいろアウトである。せめてお姫様抱っこでしょ。
「触るほどの凹凸ねぇだろ。残念ながら骨の感触しかない。」
「うっさい。残念だと思うなら早くおろしてよ。」
「しかし、そのスタイルにしては重いな。体重もジェミニック・トゥワイスしてんのか? 」
「してるわけないでしょ!!!! おろせっ!! いいからおろせっ!! 先にアンタぶっ飛ばすからおろせっ!!!! 」
無礼極まりなくデリカシーを忘れ去った救済者の腕の中で、私は報復を誓いながら足をジタバタさせる。
この男、まだ真実を知らないとはいえ、あまりに……
「お前は休んでろ。」クルッ、グイッ……
「は? えっ? ちょ…… 」
私の体を抱えた彼は何故かその腕を後ろに持っていきつつ腰を45度回す……って、まさかこの体勢……え? うそでしょ? うそでしょ!?
「そぉれっ!! 」ブンッ!!
「私を投げんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 」
ヒュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ、バィンッ!!
「いった……くない? 」
いきなり腕の中から、あの野郎にぶん投げられた可哀そうな私。
そのせいでまた背中を打ったのだけれど、ぶつかった先はさっきみたいな固い壁ではなく結界の格子。ゴムとまではいかないけれどそれには弾力性があって、ぶつかった衝撃をすべて吸収してくれた。一応、これを知った上で投げたっぽい。
「な、なにすんのよっ!!!! 」
痛みに対する気遣いは多少見えたけれど、扱いの雑さはどっちにしても変わらない。
こんなことをした目的を距離の離れてしまった男に大きめの声で問う。
「だから戦いは僕に任せて休めって言ってんだよ。なに悩んでるかは知らないが、そんな状態じゃ間違いなく死ぬぞ。」
「わ、分かってるけど…… 」
彼の正論に私は言い返す言葉を持てない。
「まだ謎解きも残ってるんだ。消滅する運命が待っているとしても、何も知らずにここで殺されるなんてお互い嫌だろ? それに今のノロマなお前じゃ戦いの邪魔だ。少し頭を整頓してから卑怯な二対一と行こうぜ。」




