フタリ無援 unfavorable battle
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「はあああああああああああっ!! 」ダッ!!
「はあああああああああああっ!! 」ダッ!!
「遅ぇんだよっ!! 馬神槍技、駆出ぃっ!!!! 」 ビュンッ!!!!
「……っ!!? 」
「……っ!!? 」
「喰らえっ!!!! 」ブンッ!!
グイッ……
ダンっ!!
「くぅっ……!! 」
「あっぶねぇ……!! 」
ザァ……
ザァ……
今私たちと馬鹿の槍使いが戦っている、干支結界と呼ばれていた謎空間。
周りにはさっきと同じ見慣れた祇峰家と住宅街が見られるのだけれど、逃げる人々の存在や敵との戦いで作った各家のクレーター部分がなくなっている。明らかにさっきまでの世界じゃない……本当に異次元ってやつみたいだ。
また、空と言える上部は黄色に染まっており、私たちを閉じ込めた光の網が薄く目に見える。あれがおそらく私たちを閉じ込めているこの空間の格子だ。そのせいで縦にも横に動ける範囲は限られており、気を付けないと見えない壁にぶつかってしまう。
まぁ……こんなことは些細な問題。この謎次元に閉じ込められたのも、逃がしたアユリとオサム君のことを考えれば都合がいい。だけど一番マズいのは……
頼れる味方のはずだったコイハルちゃん達と分断され、私たち二人だけで戦うしかなくなってしまったことだ。
「ハァ……、ハァ…… 」ガクッ……
何度目かの敵の蹴りをギリギリで躱した私だったが、その直後につい膝をつきかけてしまう。
生まれたばかりの背中の痛みに、二時間ほど前から残る死闘の疲労。二人きりという絶望感。そしてなにより……
どうしても頭を巡る私たちの真実。
これを彼に伝えるべきなのか。どう向き合うのか。私がどうやって受け入れ切るのか……命がけの戦いの最中でも頭から離れることのない悩み。
これら全てが私の心と体に重くのしかかり、あらゆる動きを鈍くする。
さっき早々に一撃喰らってリタイアしかけたのも、きっとそのせい。言い訳みたいに聞こえるかもだけど、集中できてなかった。というかこんなことを考えている時点で今現在も全く出来てない。
視界でも思考でも祇峰フタリの真実がどうにもならないモヤとなって戦いの邪魔を続けている。
でもそれは明らかに簡単に晴れるものじゃない。
このモヤを掃うにはもっと時間がいる。もっと考え、悩む必要がある。
こんな戦いに残された時間を割かれている場合じゃないのだ。だが、もしコイハルちゃん達がいてくれれば、朝みたいに瞬殺してくれたかもしれなかった。そんな二人と分断されたことはあまりにも手痛い。
それに時間を使わなければならないのは、真実に対してだけじゃないのだ。私たちの消滅回避の方法だってまだ……いや、でもあれが私たちの真実なら……
「私に生き残る資格なんて…… 」
ビュンッ!!
「おいおいっ!!!! またてめぇは隙だらけだなぁ!!!? 」
「……っ!!? 」
まただ。また戦いから目を逸らしていた。
攻撃をかわした後、特に動くこともなくただ佇んでいた私。その上から再び敵が槍を向けていた。




