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フタリの友へ last thank you

 


 「おいっ!! 白鳥、八幡寺!! そいつらも俺の獲物だっ!! 勝手に奪うんじゃねえっ!! 」


 目の前の槍の敵が突如現れた二人に叫びかけます。

 一人はどういう訳か空降ってきた私たちの高校の副会長。その向かいから現れたもう一人はすごい肩幅で遠目からでもわかる巨漢……って、あの人も確か生徒会選挙とかで見覚えが……


 「だから、4対1は不利すぎると言っているでしょう? この二人と戦いたかったら早く双子座のギアを奪って合流してください。どうせ、この人たち相手では手こずるでしょうし。」


 「チッ……!! まぁ、いい。とどめは俺様に残しとけよ!!!! 」


 やはり、向こうの槍の人たちは加勢のようです。さらに空中で広がる二つの光の網を見る限り、目的は戦力の分断……だとしたらマズいです。非常にマズいです。あちらはまだしも、こっちの超人二人は既に手負いです。このまま戦うのはとても……

 

 「チサトどうしようっ!!? このままじゃ、あの子たちだけで戦うことに……4人とも早く逃げてぇっ!! 」


 風で吹き飛ばされ、二人の槍使いに挟み撃ちにされている女の子が大声で私たちに逃走を促しますが、もう光の網は私たちを包みかけています。今から逃げるのは……


 「…… 」

 「…… 」


 ガシッ……!

 ガシッ……!


 「え……!? 」

 「え……!? 」


 グイッ……!!

 グイッ……!!


 「え?え?え? 」

 「え?え?え? 」


 どどどどどうしたのでしょう?

 私たちの前にいた手負いの二人が突然こちらに手を伸ばしそれぞれの肩を掴んだと思ったら、いきおいよく顔の近くまで引き寄せられたのです。


 「はわわわわわわわわわっ……!! 」

 「おいおいおいおいおいっ……!! 」


 近いです……!

 すごく近いです……!

 ものすごく近いです……!

 近すぎて近すぎてます……!

 まだ正体不明の二人とは言え、私も鴉根君も異性同士が横顔同士でキスでもしてしまいそうな距離にいる状況には赤面するしかありません。


 「えぇ? あの? そのぉ? Why? ふ、二人共? い、いったいこんな時にどしたの……? 」


 私は照れと戸惑いのあまり英語混じりに行動の意図を問います。

 

 「こんな時だからさ…… 」

 「こんな時だからよ…… 」


 「え……? 」

 「え……? 」


 「アユリ、オサム君……さっきは庇ってくれてありがとう…… 」


 まずは女の子が鴉根君の耳元で、


 「僕らを思い出そうと、訪ねてくれてありがとう…… 」


 次に男の子が私の耳元で呟きました。まるで私たちとずっと一緒にいたかのような口振りで……


 「やっぱり、お前ら……!! 」

 「まさか祇峰フタリって……!! 」

 

 グッ……バンッ!!

 グッ……バンッ!!


 「なっ……!!? 」

 「なっ……!!? 」


 二人の感謝を聞いた直後でした。

 彼らは肩を掴んだ手に力を入れて、私たちを思いっきり後ろに押し飛ばしました。


 家の方へ向けて。光の網が届かない場所にへ向けて。


 ドサッ……!

 ドサッ……!


 「ちょっと待てよ……!! 」

 「待ってよっ……!! 」


 押し飛ばされて倒れ込んだ私たちは光のドームに飲まれていく二人……いや、フタリに手を伸ばす。


 

 「待ってよ!! 祇峰フタリっ!! 」

 「待てよっ!! 祇峰フタリっ!! 」



 二人のフタリの名前を叫びながら……


 「フッ…… 」

 「フッ…… 」


 光に消えゆく、二人のフタリの微笑みを最後に目に焼き付けながら……


 ヴィーーーーン……バシュンッ

 ヴィーーーーン……バシュンッ


 そして二つの光の網はそれぞれの戦士たちを包み込み、この場所から跡形もなく姿を消した。

 



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