表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/639

第6章  政変…のはずですが(6)


 剣を抜いたり納めたりしていたら、ひょいっと稽古場に総司が顔を出した。


「どこへ行ったかと思ったら…。そろそろ見回りの時間ですよ」


「あ、そんな時間? すぐ用意する」


時計がないからね~。お寺の鐘と影の長さだけが頼りだよ。


 とはいえ…、まあもう一本刀を差して、羽織を着て、襷をかけるって感じだけどね。

あ。あとは鉢金っていう頭に巻く鉢巻みたいなの。一応、篭手もあるな。最初のころに比べたら、こまごました衣装が増えたよね。


 門のところに行くと、もう彩乃もいた。一式着ていると、隙がない美少年剣士って感じだ。精神年齢のせいか、さらしで胸を巻いてしまうと、本当に少年っぽい。


 新入りの隊士の中には、剣の強さから彩乃は男だって信じているのもいるらしい。まあ、普段から袴姿だしね。彩乃は人見知りだから、あまり話をしないからなおさらかな。



 「誠」の文字を染め抜いた旗を掲げて、隊列を作って歩きだす。


 目立つんだ。これが。このせいで、とりあえず下っ端というか、ごろつきレベルの不逞浪士は京都からいなくなりつつある。逆に残っているのは割りと肝の据わった連中かな。


 僕は一番後ろからだらだらと歩いていた。嫌いなんだよ。こういう団体行動。


 ま、これでお給料もらってるからやるけどさ。これでもらえるんだから、楽なもんだけどwww


 みんな、わりと周りに睨みを効かせながら歩いてる。彩乃はまっすぐ前を向いてるけど、それでも真面目な感じ。


 僕だけダメな感じ? ま、いいか。



 ぶらぶらと歩いていると、ふっと目の隅で家の影に隠れる人陰を見た。あ~、多分あれだ。不逞浪士ってやつだ。正確に言うならば、開国派とか倒幕派とか、新撰組もとい壬生浪士組とは逆の立場を取る人たちだね。


 別に僕はどうでもいいや~と思っているので、そのままにしておく。斬りかかってきたら応戦するしかないけど。


 こうやって歩いてとりあえず見回りが終わる。あとは屯所に戻って交代するだけだ。なんか僕的には、ルーティンワークになっちゃったよね~。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ