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終章  てんやわんや

 僕の周りは一気に賑やかになった。


 なんとか言いくるめてメアリはイギリスに帰したけれど、デイヴィッドとジャックは残り、レイラも居座っている。さらに土方さんが加わった。


 ちなみに僕の結婚問題に関しては、保留中の状況だ。まあ、彩乃と…ってことだけはありえないってことを、メアリには理解してもらった。総司と彩乃がほっとしたような顔をしていたのが印象的だった。僕自身にそんな気は無いのに。まったく。


 その後、土方さんはなんだか妙な形で現代に馴染んでしまっている。これはどう説明していいものか…僕も困るね。


 土方さんっていう人は、ある意味合理的な一面を持っていて、良いものはどんどん取り入れていく。そういう意味では、現代機器の合理性に馴染むのは、総司よりも早く、抵抗感も無かった。


 逆にあまり人の話を素直に聞いてくれる性格じゃ無いから、興味の沸かないことは、さっぱり身に付かない。一体どうしたらいいんだ? 本当に。



 そしてある日、土方さんは突然自分で仕事を見つけてきて、働きだした。まさかこんなに現代に馴染むのが早いとは思わなかった。


 ただ土方さんは僕の眷属じゃない。父さんの眷属っていうことは、寿命が短いっていうことだ。それだけはどうするか、僕は心配しているんだけれど、こればかりは本人が納得しなければどうしようもないことだしね。




 それから彩乃と総司は相変わらずだ。もう二人については、相変わらずとしかいいようがない。うん。まあ、幸せそうだ。


 総司の剣術教室はその後も続いている。加えて定職を得ようとしようとしているから、彩乃と世帯を持つのも近いかもしれないな。もう夫婦みたいなもんだけどさ。本当は。


 いつか総司が言いに来るのかな。「彩乃さんを私にください」とか? 言いに来たら、「物じゃないからあげない」って言ってみようと思ってる。そのときの総司と彩乃の顔を想像すると楽しみだ。



 えっと、後は何を語ればいいかな。




 そうそう。あの事件は「世界的カルト教団の謎の失踪事件」として、僕らが事件を忘れかけたころに世間の注目を集めることになった。


 教主とその取り巻きのいきなりの失踪。実は結構大きなカルト教団だったらしいので、それなりにワイドショーを賑わせた。遺書もなく、財産もすべて寄付して消えたことを、テレビのコメンテーターはそれぞれに分析し、もっともなことを述べていたけれど、誰一人として真相には近づけなかった。



 

 あとは…なんだろう。


 実は土方さんのおかげで、僕らは騒動に巻き込まれるんだけれど、これはまた別な話になるかな。


 相変わらず僕らは僕らだからね。それはどこにいても変わらない。かなり賑やかになったけれど、終わり良ければ、全て良し。


 いや。多分。うん。そう思いたい。


 変わらずこう言えるのがいいよね。


------ And...they lived happily ever after.


(そして彼らは幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし)




The End.


本編より変わらずお付き合いいただきましてありがとうございます。沙羅咲です。「Red eyes 現代編 I」をお読みいただきましてありがとうございました。


続編では江戸末期と現代、それから総司と彩乃の意識の変化に重点を置いて進んでみました。


続編は私の中の位置づけとしては「総司編」でした。そして、お察しの通り続々編として「土方編」が始まります。


この後、現代編に入れ損なってしまった間章をいくつか入れてから、「現代編 II」 となります。引き続きお楽しみください。


2015.8.16 沙羅咲 拝


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